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7 チートってこんな事もできるのか

宿がわからないのでフラフラと、ギルド前を歩いていると今朝ギルドまでの道を教えてくれた感じのいいおばさんが歩いていたのですぐさま駆け寄る。


「今朝はありがとうございました!無事ギルドにつけました!」


「あら、そうかい!よかったじゃない!頑張りなさいよ!」


「はい!がんばります!それと、ここら辺の宿教えてもらってもいいですかね」


「私のオススメの宿は…ギルドを正面から見て左のほうに進んで酒場街道の真ん中にある『星屑の溜まり場』ね!店主が元凄腕ハンターだから警備も安心よ!建物が大きいからすぐわかるわよ!』


「あ、ありがとうございます!助かりました!」


おばさんに感謝を伝え教えられた通り歩いていく。外が暗くなり始めたので、寄り道せず案内通りに進んで行く。酒場街道は、名前の通り多くの酒場があり、酔っ払った冒険者や客引きをする店員などでごった返している。

しばらく進んでいると、大きな声のする店に着いた。看板には『星屑の溜まり場』と殴り書きされた店があった。建物自体は四階まであり、周りの建物よりずば抜けてでかい。入り口が半分開いていて、中から男女のワイワイした声が聞こえて来る。

中に入ると、たくさんの席があり6〜7人程度の冒険者が集まって酒を飲んでいるようだ。そして、テーブルを行ったり来たりしている店員が二人見える。店の奥には、カウンターになていて、壁にはたくさんのお酒が並んでいる。カウンターでは、大柄で強面なおっさんがお酒をを注ぎ二人の店員がテーブルに置いている。一人は金髪のポニーテールで、もう一人は銀髪の二つ縛りだ。顔立ちが似ていておそらく双子なのだと思う。どちらも、レベルが高いな。

カウンターの隣には、二階に続く階段がある。俺は、カウンターにいるおっさんのところに向かう。おそらく、おっさんが店主だろ…


「酒なら、すぐ作っから待ってな。」


「あの…宿泊で…」



「あ?ああ。冒険者か…それにしても、変な格好だな…何泊だ?」


「変ですかね?…。ま、とりあえず…」


カウンターに金貨を一枚おく。これで、たりないとか言われたら恥ずかしいぞ…

おっさんは、軽く目を見開いたがすぐに戻った。なんか、かるく笑っているような気がするんだが?


「半年か。そんななりでも、金があるんだな。どっかのボンボンか?」


「違いますよ。ただの冒険者です。なら、一応半年ってことで…よかったら延長しますよ」


「っはは。よかったらかっ。おう、ちょっと待ってろ…。ほれっ」


おっさんは、金貨を受け取り代わりに鍵を渡してきた。鍵には、金属製のドックタグのようなものがついていて部屋の数字が書いて有る。


「部屋は、二階の一番奥の21番だ。飯は二食まではタダだが、それ以降は別料金だ。お湯のサービスなんか、ねーぞ。向かいの二軒先にある大衆浴場を使え。」


「あ、はい!ちなみに今何か食えますか?腹減っちゃって…」


「ん?ああ、待ってろ…今作ってy「オヤジーー、酒まだかーー!!」


「ちょっと待ってろっ。この飲んだくれが!またこの店で吐いたら出禁だからなっ!…パメラ!こっちきて手伝え!」


忙しそうだなぁ…。さっきから、ずっと酒を注いでるし…。おっさんが大きい声で金髪の方のウェイトレスの女の子を読んだ。呼ばれた女の子は、嫌そうな顔全開で返事をする。


「無理ー!手がいっぱいのなよ!イノスに頼んでよ!」


すると、銀髪のウェイトレスがお酒を持ちながら声を張り上げる。こちらも、嫌そうだ…


「お姉ちゃんが頼まれたんだから、お姉ちゃんでしょ!私だって忙しいの!!」


「ったく…俺だって忙しいんだぞ」


「あ、ならいいですよ!俺が最後でも」


「そうか!しかし、長くなりそうだからな…。そうだ!自分で作れ!」


おっさんが、名案だ!みたいな顔で無茶振りをしてくる。ま、一人暮らしも長かったし、料理くらいならできるかな?


「わかりました。やりますよ」


「そうか!なら、こっち回ってこい。端から入れるようになっているから。」


言われた通り、カウンターの右側から入る。カウンターの裏側には水道があり、ついでに龍の口のようなコンロらしきものまである。なんか、日本とあんま変わらなそうだな。てか、食材は??


「どれ使えばいいですかね…」


「ああ、そこの箱がマッジクボックスになってる。入ってるもんならなんでも、つかてくれ。料理器具も入ってる」


足元には、ちいさな木製の箱が置いてある。開けてみると、ちいさな魚や肉が置いてある。食玩みたいだな。一つ魚を掴んで箱から出すと50cmほどの魚になった。ほほ…ファンタジー…。


『何作るんですか??』


『わからん…まあ、こっちの世界も前世と魚は同じだろ。』


『そうですね!まあ、頑張って下さい!』



『あんた!私に料理任せてみない?』


『ワイシャツって料理できるのか?』


『昔あんたが、調理実習の時思い出してね!いいから、私に任せてみなさい!』


『そうか!なら、やってみてくれ!』


『はいよ!』


すると、ワイシャツの袖のみが体にフィットした。しかし、それ以上にワイシャツが伸びて、右手と左手を手袋のように手を覆う。そのかわり、質量保存なのかお腹のところが短くなった。学生服があるので恥ずかしくはない…

全てを任せてからは、早かった。次々と、マッジクボックスから食材を出して、捌いて、切って、焼いて、茹でて…おそらく三十分ほどで本格親子丼のような飯ができた。


『できた!親子丼Ver.異世界かな!』


『ワイシャツ!お疲れ様。ありがとな』


すると、さっきまで腕を覆った服が元どおりになった。あのままだと恥ずかしいからな…。出来立てのおいしそうな親子丼をカウンター席の座っていた席におき、使ったフライパンや皿などを洗い元に戻しておく。そして、カウンターにもどりフルコースを食べようとした時、気がついた。周りの目に…振り向かずともわかるほどの視線。しかし、このままじゃ食いにくい。俺は意を決して感じる視線の方へ振り返る。視界には酒を飲む手が止まりこちらをみている男女。いや、客全てだ。全ての客がよだれを垂らして料理を見ている。


「あ、あの…なんでしょうか?…」


すると、カウンターの店主のおっさんが驚いた顔で話しかけてくる。


「いや、お前王宮の専属料理人か?」


「い、いえ。違いますけど…。どうされたんですか?」


「お前が作る手際の良さに、その食欲を刺戟する見たこともない料理だ…」


「た、食べますか…?一応この店の食材ですし?」


「あ、ああ。」


おっさんは、カウンターを乗り上げた。その手にはフォークが握られている。俺は、椅子を引き席から立ち、おっさんを席に座らせる。周りの客はずっと見ている。おっさんは、震えながら席についた。ワイシャツが『あんたのために作ったのに、誰が食ってんのよ…』としょげている。一応…謝っておく。すると、文句を言わなくなった。


「いただくぞ?…」


おっさんは、器用にフォークでさした。そっと、口に含むとおっさんは目を見開き立ち上がった。周りは、息を飲む音がなる。


「な、なんて…うまいんだ…」


おっさんは、一瞬で椅子のもどりガツガツと料理を食らう。そして、おっさんはすぐ食い終わり一息ついた。


「うまかった…この料理を教えてくれないか!!!この店でも出したいんだが!」


「え、ええ。お教えしますよ!」


すると、固まっていた客たちが一斉に動き出した。


「「「「「おおおおおおお」」」」」」」


客が全員立って喜んでいる。なんか、すげー盛り上がりになってるよ…そんないいもんだったけ??てか、飯なくなったやーん


「っおう!頼むぞ!あ、すまねぇ…また、作り直してくれや!」


俺は、再びカウンターに入り同じように服をインテリジェンス化する。今度は、カツ丼みたいなものができたので、席においた。すると客が集まってくる


「おい!それ食わせてくれないか??」

「おいっずりーぞ!俺にくれ!」

「お金なら払うわっ!私にくださいな!!」


「あ、あの…これは俺の晩飯なので」


しかし、客たちは止まらず行ってくる。俺はおっさんの方を見ると、おっさんは、意を汲んだのか頷くと大きい声を張り上げる。


「おいっ!てめーら!いい加減しろ!こいつから、レシピを聞くから今日は引け!」


「「「おっしゃ!!!」」」


声をそろえて歓喜の叫びをあげると、再び酒を飲み話し始めた。どんだけ、マイペースなんだよ…

俺は、そそくさと飯を食った。あ、美味しかった。

その後、お腹も膨れたので部屋に戻ることにした。カウンターの奥の階段を上ると、長い廊下に七部屋ある。

確か二階の一番おくだ。木製で広いのだが、みたところ埃がないので掃除はしっかり行き届いているようだ。部屋には大きな真っ白のベットに、照明の魔道具が置いてある。雰囲気は、日本のホテルまんまなんだが、テレビや冷蔵庫がないので寂しい気がする。

体を洗いたいな…


『お湯は、もらってくるんだよな…』


『作りますか?魔法で水を作ってそのまま沸かすこともできますし?』


『ありがたいけど、貯めておくことできないだろ?』


『そうですね〜。なら、空中にお湯を浮かせてそこに浸かるのはどうでしょう?衣服も戦闘で汚れておりますし、一緒に私が洗いますよ!』


『どうゆうことだ?うわぁ!』


空中に三メートルほど水の球体ができた。触れると、暖かい。お湯だ…

すると、体が突然浮かびそのままお湯の球体に入った。すると、お湯がドラム式の洗濯機のように動いていく。俺の体も、ぐるぐると回る…


『うげぇ…よ、酔う… 」

『きゃーー!』

『よせ!小娘!』

『あ、主!やめ…うぐっ…』

『キャハハは!最高だぜ!!』


数分ぐるぐると、回されれた。よって気持ちが悪くなりぐったりしていると、また体が浮か球体からでると体は濡れてなかった。

球体をみると、茶色くなっていた。汚いな…


『終わりました!では、この水捨てときます!』


そういうと、水が蒸発し汚れた茶色い塊になったがそれも一瞬でチリのように消えた。



『すっきりですね!』


『ああ…ありがとう…』


『いえいえ!それほどまでありますよ!ご主人様!』


『すまない…気持ちが悪くてな…もう寝るよ…』


ふらふらになりながら、ベッドに横になる…

寝る前にベッドをインテリジェンスできるか試したができなかった。持ち主が違うからか?…

よくわからないがそのまま寝た…


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