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6 ギルド精算

杖を背中に乗せると、学生服が杖を包み込み固定する。ゴブリンに向かって駆けていく。ゴブリンはすぐ気がついたが、反応するより早く一匹のゴブリン向かってベルトを打つ。ベルトはゴブリンの首を巻きつくと学生服が腕を引く。すると、シュッと音とともに首が落ちた。構わず、そのまま残る二匹に鞭を打を打つと、血を出しながら吹き飛ぶ。数回打つと緑の肌が真っ赤になり動かなくなった。


『終わったの。』


『すげーよ!ベル爺じゃなくて、鞭爺だな!』


『んで、ゴブリンは持って帰るのか?』


『そうだろ…そうするか…』


ベルトを三匹のゴブリンの足に結び固定する。引きずって帰れば大丈夫だろ。

一旦ギルドに戻ろうと思い、衣服に頼のもうとすると木々の間から巨大で白い剛毛な毛のイノシシが出てきた。鼻の脇には、雄々しく伸びたツノが生えており、ツノまで合わせれば4mはあるだろ…


「うぎゃっ!!!なんだ?こいつ!」


すると、イノシシはこちらをちらりとみるとすぐにこちらに歩いてくる。おいおい!まじかよ!


『こいつはヤバイですよ!危険です!』


『ど、どうすればいいんだよ!!』


イノシシは立ち止まり、ツノを少し上にあげ咆哮をする。


ブォォォオオオオオ!!!


鼓膜が破れるかと思うほどの音量だ…。体が竦むのがわかる。そして同時に体が動かなくなった。あの咆哮はスキルか!?


『体が動かん…』


『ん?そんなの関係なくない?いつも、強制的に動かしてるし?』


『そっか!…で、でも!この状況はまずい!』


『まかせておけ』


そういうと、衣服が動かない俺の体を強制的に動かす。ベルトは、ゴブリンに結んでしまったので使うことができない。

衣服はそのまま向かってくるイノシシにたいして俺の体を構える。イノシシはそのまま突進を続けてくるので、躱そうと思っていると急にイノシシの走る速度が急に上がった。急に変わったことに対処が追いつかず、そのままイノシシの突進を食らう。ものすごい衝撃が体を襲い、弾き飛ばされる。かろうじてツノはそらした。イノシシは俺の吹き飛んだ方向に、また突進をしてくる。


『いてぇ…死、死ぬ…』


『すまない主…。』


『ぶっ殺してやんよ!鍋の具にしてやる!』


『ご主人様!回復します!』


エレスが俺に回復魔法を使用する。足元が円形に光り、体を包む。すると、先ほどまであった痛みが消える。

その頃には、イノシシの巨体がまたぶつかりそうになっていた。衝撃に備えていたが、衝撃来なかった。目の前に意識を向けると、両脇にイノシシのツノを抑えていた。数メートルほど、ひきづられたのか地面に跡が続いているが止まった。


『くそっがーーー!!』

『うおおお!!』

『おりゃあ!!』

『ぐっ!』


しかし、止めるのに精一杯で反撃ができない。少しでも力を抜けば弾き飛ばされる。イノシシは止まってなお地面を蹴り続けている。


『このままだとっ…動けないぞ!』


『く、くそ…』


『み、みんな頑張ってくれ!!』


頭に苦悶な声が響く。うわ…居た堪れない…。なにもできてないじゃないか…。


『待っていてください!』


『ウギャーーーーーー!!』


エレスがそういうと、すぐにまた声がする。今度は、ベル爺だ。苦悶な声ではなく、驚きの叫び声だ。

叫び声とともに、迫ってきたイノシシの勢いがなくなった。目の前のイノシシをみると、頭に何か細長い何かが刺さっている。

よく見ると、まっすぐ伸びたベルトだ…。


『終わりましたね!』


『杖の小娘…貴様…』


イノシシの頭に刺さっていたベルトが勝手に抜け、宙をふよふよと漂いながら、俺の腕の近くに飛んでくるので掴む。刺さっていたベルトの先は血が付いていたので軽く振って払う。


『どうして、ベルトが刺さったんだ?てか、ゴブリンに結んであったはずだよな?』


『ご主人さま!私が説明します。ベルト爺が自分の体を動かし結び目を解いて、のそのそ尺取虫のように動いていたので、まっすぐになってもらい魔法で浮かしそのままイノシシの頭に突き刺しました』


『そ、そうか…た、助かったよ。』


『うむ…釈然としないが…まあ、いいだろう』


『いえいえ!ご主人様!』


『突き刺さるほど強度なら、剣として扱えるか?』


『まあ、強度はあるが…。あれは、勢いがあったからじゃ。刃はないぞ?』


『でも、硬いなら木刀みたいにして扱えばいいだろ?』


『そうじゃな。』


そして、ゴブリン3匹を縦に並べベルトを突き刺し、イノシシに固定する。そのままイノシシのツノを両腕で掴みながら衣服の力を使い猛スピードで森を走り、ギルドに戻る。国の門までくると、衛兵たちが警戒してきたがイノシシが死んでいることとギルドカードの提示で、無事通ることができた。

多くの人が、俺の姿と運ぶイノシシを見てくる。少し、恥ずかしいのでギルドに急ぎ、イノシシを持ったまま入ろうとしたがイノシシが大きすぎで頭の一部が入るのが精一杯でつっかえてしまったので、受付にいた黒髪の受付嬢に向かっていく。


「あの…ゴブリンを倒したんですが…」


「ひゃっ!はい!で、ですが……あれは…」


「あ、ちゃんといますよ。あのイノシシに結んであります。持ってきますか?』


「え?あ、え?」


受付嬢がテンパってあたふたしている。すると、初めてギルドに来た時髪の受付嬢との選択肢になった、ガラの悪そうなギルド員がを見ているのに気付いた。受付嬢もガラの悪そうなギルド員をみるとすぐすぐに声を上げる。


「そうです!クーレイさん!鑑定おねがします!」


「ああ。もう、終わったよ。こいつは、ストロピーボアだな。ん?あと…ランクでいうとD-だが…このでかさだとC+ってとこか?死因は頭の一撃だな。しかし、状態はいいな。牙は折れちゃいねーし、爪と毛皮も傷がない。討伐報酬は金貨10枚ってとこだな」


右手を腰に、左手を顎に当てている男の冷静に話す言葉を受付嬢はが紙に書いていく。

この男案外やりてなのか?てか、こいつ誰だよ?

すると、見ていた男が俺の目線に気づき頭を掻きながら寄ってくる。上から下まで見渡している。


「ん?お前…その着物…」


うげぇ!まさか…インテリジェンスがばれたか?


『ご主人様!一度インテリジェンスを解きますので、あとでかけてください!』


『ん?ああ!わかった!あとでな!』


なにか、服が重く感じる。インテリジェンスが解かれると、男は一瞬驚いたようすになったが、再び首を掻きながら話しかけてくる。


「ん?気のせいか…俺の名前はクーレイだ。ギルド鑑定士をやってる。よろしくな」


か、鑑定士?まさか、鑑定眼とかあるんじゃないよな!


「あ、はい!よろしくお願いします。」


「んじゃ、このイノシシどうすんだ?お前、みたところ武器を持ってねーな。さっきの暴れようから拳闘士か?」


「いや、持ってなくて…。」


「ははっ!武器がないから素手でやったてか!?!?お前に絡んだ奴らも、このストロピーベアもC+だぜ?相当強いんだな」


「そんなこともありませんよ。武器はあとで買います!」


「そうか。まあ、ストロピーベアの牙も素材も硬いし武器の素材にもなるが…持ってくか?肉と毛皮で金貨7枚だ」


「持つのも面倒なので、牙も精算してください」


そういうと、コーキングは笑いながら受付嬢の方を向く。


「だってよ、嬢ちゃん。金貨24枚だ。さて、やるかっ!よっとっ!」


受付のお姉さんは、苦笑いで金貨24枚がはいった袋を渡された。コーキングはその場で牙にふれると顔から牙が落ちた。触れたものは全て別れていくようで数分でストロピーベアを解体した。しかも、ストロピーベアの血は正方形の塊になっていて汚れていない。

その後、ギルド員が数人集まり解体した肉や毛皮などを運んでいった。


「完了だ。疲れたー…。なにか、あったら呼んでくれお嬢ちゃん。」


「わ、私はお嬢ちゃんではありません!もう28ですよ!それに私はソフィレスです!」


金をもって、ギルドからでていくと、ギルドが騒がしくなった。後から、聞いた話だがイノシシの残った素材を買い求めてハンターたちがギルドで争ったらしい。

ギルドからお金をもって街をぶらつく。宿を探さなきゃな……

しばらく歩いていると、八百屋らしき店や食べ物屋などが並んでいた。美味しそうだが、今は宿やど〜


『ご主人様。宿どうするんですか?」


『うーん…どうしよっか?場所わかんないし…』


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