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1 転生

初執筆・初投稿です。

光が当たっている事に気付き、いつの間にか閉じていた目を開けた。天井の蛍光灯が眩しくて目をすぼめた。

だんだんと、瞳孔が狭めり目が慣れてきた。明順応か。寝ている半身を起こし、あたりを見渡して状況を確認する。花で埋め尽くされた真っ白な箱に入っていて、右側に多くのパイプ椅子が並び、箱の左側には花が並び中央に真っ黒な額縁の写真があった。中学時代の卒アルの写真だ。あの時は輝いてたな…

周りには、人がおらず、不気味なほど静かだった。おそらく…おそらく…おれって…



「死んだのか…」


短かったな…まだ18だったし…せめて、童貞卒業したかった…いや、そんな贅沢は言わん!せめて、彼女が欲しかった…

体を起こしながら、立ち上がる。あ、着物がちゃんと逆さになってる…

棺桶からでると、並んであったパイプ椅子の方が一瞬光ったような気がして、すぐに振り向くと一番端のパイプ椅子に礼服なのか真っ黒なスーツの紳士が座っている。色白で彫りが深く、一瞬外人のようだ。眼窩にはめ込むタイプの片眼鏡をしている。

先ほどまでいなかったはずなのだが、突然現れたことに驚いたが俺は意を決して話しかけることにした。だって…おじさん以外いない…


「あの…」


そっと、声をかけるとおじさんはちらりと、こちらをみると少し笑いながら立ち上がり向かい合う。

座っていた時は気づかなかったが、このおじさん…でけぇ…190cmはあるな…


「やあ。君が天昇 神くんかな?」


「あ、はい…そうですが…どちら様ですか…?」


なぜ名前をしているのか聞きたかったが、もし知り合いだった場合失礼かなと思い聞けなかった。

おじさんは、目を少し見開いて固まっていたが、すぐに吹き出して笑った。

笑われた!?どこに笑う要素が!?!?


「ははは。君は自分の葬式で、しかもこんな状況なのに『どちら様ですか』って…あっははは!結構、冷静なのかな?」


「冷静じゃないですよ…ははは。正直、戸惑ってます」


「そうなのかい?ふーん…なら、君の最後を思い出してごらん」


ここに来る前を思い出してみる。夜の11時すぎにバイトが終わり自宅近くの横断歩道で自動車に轢かれそうになって…でもスピードはあんまり出てなかったよな?あれで死ぬのか?…そういえば、横から「危ないっ!」って声とともに誰かに突き飛ばされ、そのまま反対車線に押し出されて、通っていたトラックが…。まあ、あの状況じゃ死んで当然か…助けようとした人に殺されたのか…

おじさんは、表情をみて満足したように腕を組んで首を縦に振っていた。


「思い出したみたいだね?君は、ある意味、殺されたって行ったほうがいいのかな?だから、ここにいるんだよ。」


「覚えてます…。なんで、そんな事まで知ってるんですか?…」


「あ、自己紹介が遅れたね。私は創造神だよ。名前は…ないな〜」


「か、神様?なんですか…」


こりゃ、驚いた。神様ですか〜ははははは…はぁ…溜息でるわ。

創造神は、俺の表情をみて今度は不服そうな顔だ。


「驚きはないのか…少し残念だよ。あ、本当なら君は天国で退屈も苦痛もない生活を送ってもらう予定だったんだけど、少し訳あってね〜」


「驚いてますよ?…それで、天国に行けないんですか?」


「いや、行けるよ。でも、今回は特別に願いがあってね。君を殺した少女なんだけど…いろいろあったんだよ?一度殺人の容疑まで掛けられちゃってたけど、防犯カメラに君を自動車から救おうとしてたから、一応罪にはならなかったみたいだけど。君の親御さんも、君の不注意だってわかって少女を許したよ。それより君のことを深く後悔していてね。あまりにも不憫でね…だから、どうにかしてあげようと思ってね」


不憫って…一応、彼女に殺されてるのは事実なんですが…でも、仕方ないか。


「そうでしたか…。それで、どうにかするというのは?」


「少女の願いは、『君の来世が幸せでいられるように。』だったから、早速生まれ変わってもらおっかな〜ってね。まあ、君の『幸せ』ってのがよくわからなくてね。まあ、早く生まれ変われるだけでも幸せだと思うけどね。ま、それもなんだし、なにか要望は?」


「要望と、言われても…来世に何を要望するんですか?」


創造神は腕を組んで、考え込むしぐさをして、思い出すように話す


「例えば…この世界とは違う世界とかかな〜。」


「そ、それは…異世界ってことですか?」


「うん!そうだよ。興味があるのかな?」


興味があるのかな?だとぉ〜!?あるに決まってるだろ!これでも、高校生だ。憧れる年齢だ。


「ええ。そんな年頃ですから…」


「自分で言うのかい。まあ、なら異世界に行くってことで決まりだね。」


「え?はやっ!そんな簡単に決めていいんですか?…」


「まあ、大丈夫でしょ。それと、特別なスキルはランダムに渡すよ。あ、僕の加護を授けるから、僕の劣化版スキルじゃないかな?行ったらステータスをみるといいよ。ステータスは、念じるだけだよ。」


「ステータスは念じる…了解です。創造主のスキルってことは、生産系になるんですかね…不安なんですが…」


創造神は俺の発言を聞いて、ショックを受けているのか寂しそうな顔だ。

不安って言ったからかな?


「まあ、僕の力は戦闘には向いてないかもね…。なら、後で何か一つ作ってあげるよ」


「作る??作るって「ごめん時間がなくなちゃった!んじゃ、転送するよー」」


「なっ!ま、ふz」


パチンッ

神様が指を弾くと、目の前が真っ白になった。そして、俺はおそらく新しく生まれ変わったのだろう。



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