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越えていく明日へ、そして僕らが描く未来

リビング:主人公 天美 洋司 変えられなかった運命


…………


……



【颯太】「…う…ぅ」


俺はソファに寝かされている状態から体を起こした。


【天美】「大丈夫!?」


前の椅子には天美が座っており、 少し安心する。


【颯太】「あぁ…俺、 運命変えられなかったよ…」


自分が情けなくて仕方がなかった、 もっと俺に力があればあいつらは死んでなかったのかもしれない、 そんな気持ちがこみ上げてきた。


【天美】「ううん、 そんなことない颯太君はやれることすべてやったよ、 それにもう私が一号棟見る前に宮原さん死んじゃってた」


おそらく、 宮原を殺したのも国島だろう、 あいつの力は圧倒的すぎるのかもしれない、 人の原点には勝てない、 人の原点、人間のハジマリ、 恐らくこの能力が一番強い、 すべての感情や思いは人の原点から始まるそんな能力を持った奴に俺たちは勝てるのか?


【颯太】「俺、 国島と接触したんだでもさ、 力が圧倒的だった、 神山も国島に殺された…」


【天美】「でも…私たちなら勝てるよ、 私たちは国島君と戦ってるんじゃないもん、 運命と戦ってるんだから」


【颯太】「そうだな、 俺がしっかりしないと…洋司は?」


【天美】「洋司君なら部屋で寝てるよ」


【颯太】「みんな無事でよかった…」


そういった瞬間、 俺のお腹が鳴った。


【天美】「食べ物なら用意するよ、 前の日から全然食べてなかったでしょ、 ちゃんと食べなきゃだめだよ」


そう天美は励ましてくれた、 その支えがどれだけありがたかったものか。


【颯太】「天美、 好きだ」


俺はそう言って天美の唇にキスをした。


【天美】「私も…」


天美は照れ臭そうにそう返してくれた。


【天美】「でも…あの時の私おかしかった…」


あの時とはおそらく最初の時だろう。


【天美】「私…自分のことしか考えてなかった、 だから誰かを殺してしまった」


天美は泣きだしてしまった、 そこで俺が天美の肩をそっと抱いてやる。


【天美】「…颯太…くん?」


【颯太】「お前は人を殺した、 それはどんなに償っても償いきれない「罪」、 それを一生背負わなくちゃいけない。 でもな、 天美は俺にとって天美なんだよ」


【颯太】「お前がこれからさき、 人を殺したという「罪」を背負う覚悟があるなら、 俺もお前と一緒に背負ってやる」


【颯太】「それぐらいお前のことが今は好きだってこと」


【天美】「ありがとう…ほんとうに…」


そう言って天美は俺の胸で泣き出す、 俺はそんな天美の頭をなでてやった。


【颯太】(これから先…ずっと「罪」を償っていこう、 俺も一緒だ…)


………


……



俺は天美が用意してくれた朝食を食べ終わりケータイをいじる、 そして予言メールを受信したのだった。


受信時間AM12:00



Re:予言メール


本日予言死亡者


無望:望月 颯太


愛憎:神崎 天美


渇望:山口 洋司


ついに君たちの番が回ってきたようだな、 私は君たちに可能性があるのを知っている、 果たして君たちは運命を変えることができるだろうか。


ちなみにファイナルステージはPM13:00から始まる。


君たちの可能性に期待しているよ。


以上


……



予言メールには俺たちの名前があった、 この運命を俺たちは乗り越えることができるだろうか、 いや違うもう人が死ぬのは見たくない、 だれも死なないで生き残るんだ…絶対。


俺は天美にメールを見せた。


【天美】「私たちならできるよ…絶対」


俺と同じ気持ちだった、 それだけで安心できた。


そして俺は洋司を起こしに行く。


洋司にもメールを見せる。


【洋司】「生き残るぞ」


三人とも一緒の気持ちだった、 死の局面に立っているというのに俺は嬉しくて涙を流してしまった、 素晴らしい仲間に会えたこと、 それがどんな状況でもうれしかった。


そして13:00、 運命を変えに行く瞬間になる。


俺たちの準備は万端、 俺たちならできる、 俺たちなら……。


そして世界が反転を始める。


【洋司】「運命変えような」


【天美】「運命乗り越えよう」


【颯太】「あぁ!!」


ゲームが始まる前のあの時の紙今なら答えられる、 俺の望みそれは天美を守ること、 一生一緒にいること。


天美だけじゃない洋司も、 今この場所を守る、そしてこのゲームに生き残る俺はそう胸の中に刻んだ…。


そして世界は完全に反転し、 ファイナルゲームが幕を開けたのだった。


学校:国島 世界の破滅


どうやらファイナルゲームは13:00から始まるらしい、 メールにそう書いてあった。


俺は世界を絶対に破滅させる、 こんな腐った世界、 未来、 過去、 どうなってもいい。


俺の過去を思い返して見る、 俺の「家族」はいわゆる裏社会、 いや、 俺が殺したのだ。


家族といっても孤児院そこは親に捨てられた子供が住まう場所、 俺もその一人だった。


その孤児院ではみんなが「家族」、 いつだって協力し合って生きてきた、 小さな幸せもたくさんあった。


しかし、 俺たちのそんな些細な幸せは一気に奪われた。


先生たちが俺たちを売ったのだ、 つまり人身売買、 俺たちは知らない土地に連れて行かれた、 明らかに日本ではない場所だ。


そこではカジノが行われていた、 俺もそのカジノに参加した駒として…。


そのカジノは俺達孤児院の子供に殺し合いをさせて誰が生き残るかというものだった。


武器は自由どんな武器でも使っていい、 もちろん戦わなければ殺されてしまう。


そして狂った賭けが始まった。


みんな最初は殺しあわなかった…でも一人が一人殺し始めるとみんないっせいに殺し合いを始めた。


ナイフ、 機関銃、 火炎放射機、 まさにそれは惨劇だった。


俺はナイフを使った、 生き残るために、 襲ってくる「家族」を次々と殺していった…最後の一人になるまで。


賭けは終わらなかった、 知らない同じくらいの他の国の子供とも殺しあった。


そして、 俺は生きるために次々と殺していった…。


カジノは突然終わりを迎えた、 現地の警察に発見され検挙された、 そのあと俺が日本人ということもあって日本に戻された。


俺が日本で見たものは衝撃だった、 どいつもこいつも平和ボケ、 別世界だった、 殺した「家族」のことを思うと俺は胸が張り裂けそうになった。


そして俺はまた孤児院に預けられ現在にいたっている。


俺はこの世界が憎い、 とても、 とても、 だから絶望を望む…絶対。


そんなことを考えてるうちにもう13:00になってしまった。


そして世界は反転を始める。


俺は覚悟をきめた、 そして完全に世界が反転した。


Another school:主人公 天美 洋司 国島 その先にあるもの


俺たちが反転してついた先は体育館、 そこにはもう一人目の前に国島が立っていた。


【国島】「お前ら協力してんのか」


【颯太】「あぁ」


【国島】「ちょうどいい、 一斉にかかってこい」


【颯太】「俺たちはお前を殺す気はない、 説得を求めている」


【国島】「馬鹿じゃねぇのか? 俺は絶対に「罪」を手に入れるんだ!!」


そういって国島は力を発動させ襲いかかってきた、 スピードは俺の出せる速さを超えている。


俺達三人とも、 なんとか死に物狂いで回避した、 しかし国島が攻撃した場所はクレーターのようになっている。 当たったら完全に圧迫され死ぬだろう。 国島は説得できる状態じゃない、 こいつは覚悟を決めている、 自分が死んでもいいという覚悟、 そして他人を殺すという覚悟が。


【洋司】「これが国島の能力…」


【国島】「避けたか、 でも次は完全にとらえる」


国島は瞬間的に方向転換、 国島は天美をとらえた、 天美もすぐに能力を使い、 槍を盾に変形させた。


【国島】「終わりだ」


天美の盾は国島の拳に当たり砕けた。


【颯太】「まずい! 天美が!」


その時洋司が火の玉を国島に投げた。 しかし、 国島はそれにきずき火の玉を手で砕くかれる。

 とりあえず天美から引き離すことができた。


【洋司】「マジかよ…」


国島には火も武器も効かない、 非常にまずい状況だ。


俺も能力を発動させた、 そして国島に向い殴りかかった、 それに合わせるよう国島と拳とこぶしが俺の拳にぶつかった。


【颯太】「……ック」


こいつの拳は重い、 俺は壁まで吹き飛ばされる。


【颯太】「ぐはっ!」


壁はクレーターのように凹んでいる。

俺の体は強化していたおかげか軽傷で済んだ。 そのとき天美が自分の武器を槍に変形させ国島に向い投げた、 しかし回避されてしまう。

その回避した瞬間に洋司が火の玉でたたみ掛けたが、 国島の手に当たるがそれもほとんど効かなが、 瞬間的に国島のの体勢が崩れた。


【洋司】「今だ! 颯太!」


俺は国島に全力の力で腹に拳を入れた、 みぞおちにヒット、 あくまでも俺たちは人間だ、 もちろんみぞおちに当たった瞬間力が抜けるよう倒れた。


【国島】「…う…」


唯一俺の進化(リスタート)だけがこの戦いに対応できた、 おそらく俺とこいつの能力は対称的なのだ、 しかしあっけないものだった、 こんな簡単にこいつが倒れるなんて…、 もし洋司と天美でこいつに挑んでいたら負けていただろう、 だが俺の力でこいつに勝てた、 しかし予言メールには俺も死ぬはずだ、 運命を俺たちは打ち砕いたのか…?


そのとき国島が立ちあがった、 国島は腹を抱えてこの状況で勝てる状態じゃない、 だがその時国島の腕が変形した、 それはどこかで見たことがある能力、 それは明らかに工藤の能力だった。


【颯太】「どういうことだ!? なんでこいつが工藤の能力を使えるんだ!?」


【国島】「俺はお前以外の全員の能力を使える、 だから望月、 お前が一番邪魔なんだ」


【洋司】「じゃあお前俺の能力も!?」


【国島】「当たり前だ、 言っただろう、 俺は万能なんだ、 実は死んだ奴に治癒能力を持った奴もいてな、 だからお前らがいくら攻撃しても俺は回復する、 お前たちは俺には勝てない」


これが人間の原点、 原点からすべてが生まれる、 感情も、 願いも、 能力も、 すべてが万能というわけだ。


さらに国島は左手に火の玉を発生させた、 これは洋司の能力、 しかもその球はみるみるとでかくなり車と同じくらいの火の玉になった。


【洋司】「俺より、 使いこなしてんのかよ…」


【天美】「これじゃあ勝ち目がないよ!」


このままでは全滅する、 でも奴は俺の能力だけは使えない、 感覚神経を強化すればもしかしたら勝てるかもしれない、 だがそれにはリスクが必要だ、 強化に集中させるためには時間がかかりすぎる、 でもこれしか今思い付く方法はないのだ。


【洋司】「何か策でもあんのか?」きずいた様に洋司が聞いてくる。


【颯太】「今は出来ない、 とりあえずこの火の玉をどうにかしよう!」


国島は自動車ほど大きくなった火の玉をこちらに向けてくる、 あれに直撃すれば俺たちは明らかに結果は見えている。


【国島】「じゃあな」


そういうと国島は火の玉をこちらに向けて発射した、 俺たちによけきれるほどの力は持っていない。


【颯太】「もうここで、 お終いか…」


【洋司】「あきらめんじゃねぇ!! 最後までやりぬけよ!! お前がここで死んでどうする!!」


俺の目の前には洋司が立っていた、 あの火の玉を自分のできる限りの火の玉をぶつけている、 だが・・・力の差は圧倒的だった。


【颯太】「おっ、 お前…」


【洋司】「洋司君!」」


【洋司】「早く、 校庭に天美を連れて逃げろ…、 もうもたねぇんだよ!!」


【颯太】「お前を放っておくなんてできない!! だったら俺もここで死ぬ!」


【洋司】「お前が死んだら誰が天美を守るんだよ!! お前ならできる…だから早く!!」


その言葉が俺の胸に突き刺さった、 とても痛いくらいに強く。


天美もその言葉を深く感じ取った。


【天美】「行こう、 洋司君の気持ち無駄にはできないよ」


【颯太】「でも…俺は…」


そのとき、 天美に平手打ちを食らった、 今までのどんな攻撃より重い平手打ちだった。


【天美】「洋司君は本当に私たちに生きてほしいんだよ! 弟さんの償いだと思って今彼はここに立ってる! 私たちがそれを無駄にしていいの!?」


その通りだ、 弟のために…俺は決心を決めた、 絶対に「罪」を勝ち取ると。


【颯太】「短い間だったけど、 お前みたいに本当に信頼しあえる友達に会えてよかった、 じゃあな」


【洋司】「俺もだぜ、 お前とはこんなとこじゃなくて普通に出会いたかった、 生きろよ相棒」


【洋司】「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」


洋司は今自分の最後の力を出し切っていた、 俺たちは絶対に後ろを振り向かず体育館を出て校庭に向かった。


その時だった、 体育館が爆発した、 もうあいつは…。


俺は絶対に振り向かなかった、 それがどんなに胸が苦しくても…。


【颯太】「やっと校庭にこれたな、 大丈夫か天美?」


【天美】「うん、 それより洋司君が…」


【颯太】「あぁわかってる、 あいつの思い受け取ったよ」


まだ国島がこちらに向かって来るまで時間がある、 今のうちに目を強化しておこう…。


しかし、 国島は思った以上に来るのが早かった。


【颯太】「天美、 ひとつ頼みがある」


そして天美に強化のことを説明した、 時間を稼いでほしいということも。


【天美】「わかった、 その間絶対どんなことがあっても目開けちゃだめだよ」


俺はグラウンドの隅に隠れた、 そして気を集中させ、 目を閉じた。


【颯太】(持ちこたえてくれよ…天美!)


少しだがこちらに話し声が漏れて聞こえてくる。


【国島】「おい、 望月はどうした?」


【天美】「知らない」


【国島】「ビビっておじけずいたのか?」


【天美】「颯太君はそんな人間じゃない、 絶対に来てくれる」


【国島】「まぁいい、 とりあえずお前をここで殺す、 お前の能力で」


【天美】「私の能力は私が一番よく知っているだから、 あなたには負けない」


【国島】「それはどうかな」


国島は能力を発動させたのだろう、 天美の驚愕した声が聞こえてきた。


【天美】「どうして…!?」


【国島】「おしゃべりはお終いだ、 十二分に始末させてもらう」


戦闘が始まったのだろう、 武器をぶつけ合う音が聞こえてくる。


【国島】「遅いな」


何かに叩きつけられたような鈍い音が聞こえた。


【天美】「…負けない!」


天美の声は少しかすれていて、 押しつぶされかかった後のような雰囲気だ。


【国島】「まだあがくか…でもこれでもうお終いだな」


天美が捕らえられたような雰囲気、 早く行かないとまずい!


まだイメージがつかめない、 早くしなければ天美も殺されてしまう。


【国島】「結局来なかったな」


【天美】「そ…うた、 くんは…く…るよ…絶対」


【颯太】(イメージが大分つかめてきた、 天美もう少しだ!)


【国島】「まだそんなこと言ってんのか? もうこねーよ、 残念だったな見捨てられて、 じゃあ死んでくれよ」


その時俺の中で何かがはじける、 俺はまた新たな人類へと「進化(リスタート)」を遂げた。


【颯太】「うおぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」


俺は目を開け国島と天美のいる場所に向かう、 俺の今のスピードは普通の人間と桁離れしている、 視力も上がり国島が巨大なやりをもって天美を串刺しにする前の瞬間をとらえた。


相手はスローモーションに見える、 そしてどこからかわきあがるパワー、 国島の顔に拳を瞬間的に入れた。


【国島】「っぐ!!」


国島が面白いように吹っ飛ばされ校舎に激突、 激突した場所は穴があいている。


【天美】「颯太君!」


【颯太】「遅れて悪かったな、 怪我してないか?」


【天美】「なんとか大丈夫だよ、 それより、 その力…すごい」


【颯太】「あぁ、 俺の体を進化(リスタート)させた、 怪我も治ってるんだ」


もうこれで国島も戦闘不能になったはずだ、 おそらくもう立ち上がることはできないだろう。


【天美】「そ、 颯太君、 あれ!!」


天美が慌てて指をさした先にはもう立つことが精いっぱいに見える国島が立っていた。


【颯太】「ここまで来るともう執念だよな…」


しかし、 その時だった。


【国島】「オレハマケラレナイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


この世界に地震のような現象が起こった、 でもこれは地震じゃない。


俺が見たのは国島の「絶望」だった。


国島がまるで猿人のようになり巨大化してゆく、 おそらくこいつは自我が崩壊するまで能力を使ったのだ。


人間の原点、 これがそうなのかもしれない、 もう国島にまともな意識はない、 いやもう人ではないのかもしれない、 国島は自分を極限まで「退化(リバース)」させたのだから…。


そして国島は最大学校と同じ大きさまで変貌した、 姿形もかえて…。


俺はそれを黙って見ることしかできなかった、 俺たちは人類の原点に到達した国島に今の状態では勝てるわけがなかった、 ライオンと蟻と同じくらいの力の差、 こいつは自分より「罪」を選んだのだ。


目の前の猿人は俺たちの目の前で学校を壊してゆく…。


そして国島の目に映るのは破壊、 そして人間の真の絶望。


【天美】「私たち…出せる力は全部出し切った…、 なのに…」


そう言って天美は俺の胸にすがりついて泣いていた、 俺と天美はの勝利はもう絶望的だった。


【颯太】「結局…運命なんて変えられないのか…」


俺たちは運命にただ翻弄されて終わりを迎えるだけなのか…。


猿人は俺たちにきずいた、 恐らく逃げても殺される、 ここにとどまっていても殺される。


【颯太】「もう、 終わりなのか…」


短かったけど俺たちは心が通わせることができた俺はもうそれだけで十分だ…。


猿人の拳が俺たちに向けられている、 俺は強く、 天美を抱きしめた。


【颯太】「ごめんな、 俺無力で…」


【天美】「ううん、 颯太君は運命に最後まであらがった、 颯太君だけじゃない洋司君も私も、 だから言わせて…」


【天美】「今まで本当に…ありがとう」


天美がそう言った瞬間猿人の拳が放たれた、 俺の今の身体能力でも避け切れるスピードじゃなかった。


覚悟を決め、俺は最後まで天美を抱きしめた、 今出せる心からの力で…。


「ガガガガがガガガガがガガガガが!!!!」


その時だった、 猿人の手は俺たちの寸前で止まっている、 俺たちの前に洋司が体育館の時と同じ炎いやそれ以上の火の玉が俺たちを包み込むように守っていた。


それが洋司のものかはわからない、 でも俺にはそのとき声が聞こえた、 もしかしたら幻聴かもしれない、 でも聞こえたのだ。


【洋司】「颯太お前は愛する人を守らなきゃいけないんだ、 俺みたいになる前に後悔しないために…、 だからさ運命とかそんなふざけた幻想に負けんじゃねぇよ!!! 今だけお前に俺の力貸してやる、 だからさ目の前にある運命をお前の拳でうち砕け!!!」


俺の手にもう一つまた不思議なことが起こった。


その時俺の手が炎のようなものをまとっている、 洋司は最後まで俺を信じてくれるのだ。


だったら目の前の運命うち砕いてやるよ、 相棒。


【天美】「颯太君…それ…」


【颯太】「あぁ洋司が俺に力を貸してくれてるんだ、 じゃあ行ってくるぜ」


俺は飛んだ、 猿人と顔と同じくらいの高さまで。


そして俺は猿人に向けて一発顔にぶち込んだ、 しかし猿人にダメージは与えられたが倒せていない。


俺は空中でもう一度、 進化(リスタート)した。


今回の進化(リスタート)は明らかに今までの力を圧倒していた、 それは人を愛すること、 友を愛すること、 そこから出る力だった。


人間はどこまでも進化できる、 人を愛し、 人を信じ、 人と共闘、 することができるなら…。


そして最後の全力、 俺は今出せる最高の力で猿人の顔をぶん殴った、 それは俺だけの力じゃない、 友が俺に力をかしてくれたのだ。


【颯太】「いっけぇええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


俺の手は猿人の腹部をぶん殴った、 全力の「力」で。


しかしそれと同時に世界が反転ではなく崩壊する、 そして俺の力も限界に達していた。


そして俺たちは運命を打ち砕いたのだ。


そして俺は真っ白な世界に落ちて行った…。


???:主人公 神 意味


【???】「おめでとう、 無望の能力者の少年、 君は見事に運命に勝ち取ることができた…」


【颯太】「お前…誰だ?」


目を開くとそこはましろ色の世界、 この世界に来たのは二度目だ。


【神】「私は君たちの世間一般で言う神という存在、 君は「罪」を手に入れることができた、 君はこのゲームの勝者だ」


【颯太】「なぁ聞いていいか? 「罪」は願いをかなえるものなのか?」


【神】「いや、 違う「罪」とはまた別の存在だ」


【颯太】「「罪」って何なんだ?」


【神】「「罪」は今の君にはわからない、 君はまだ真の終着点についていないのだから、 ただしいていうと君たちの「罪」は人間らしさだ」


【颯太】「人間…らしさ?」


【神】「そう君たちは実に感情を槍に持ち、 感情を盾にしている、 君たちの人間らしさはまだ進化できる」


俺には何を言っているのかあまり理解ができなかった、 でも一つだけわかった、 まだこれからも人間は進化していくと…。


【颯太】「願いはかなえられないのか?」


【神】「罪は万能の存在、 おそらく君が願いはいくつでも叶えられるだろう」


今の俺には願いが二つあった。


【颯太】「このゲームで死んだ人間を全員生き返らせてくれ」


【神】「ほう…なるほど、 君は生き返らせてどうするつもりだ」


【颯太】「もちろん、 それだけだよ」


【颯太】「そしてもうひとつ、 俺たちのこのゲームでの記憶を全員から消してくれ」


【神】「君は自分の過去の大逆を思い出せた、 しかしまた神崎天美を苦しめることになる、 それでもいいのか?」


【颯太】「今度は俺が天美を守る番なんだ、 記憶は思い出せてもあいつへの気持ちは変わらない」


【颯太】「それに俺たち人間は弱い、 ほかの連中も人を殺したという「罪」を一生背負うことになる、 戻ってて覚えていたらまた同じことが起こる気がするんだ」


【神】「君はまだここが終着点ではない、 君とはいずれここでまた会う時が来るだろう」


【颯太】「どういう意味だ?」


【神】「もちろん、 この世界ではないまた別の世界で…」


そういうとこの世界は崩れていった、 静かに、 ゆっくりと……。


一年後 屋上:主人公 天美 あの場所でもう一度…


俺たちはとうとう三年になり今日が卒業式、 時が過ぎるのはものすごく速い。


三年では山口洋司というやつに出会った、 こいつはどこか懐かしさとか友情を感じられるやつだ、 もちろん親友と今は呼び合っている。


そして今日俺は、 自分が思いを寄せているある女の子に告白する、 なぜ屋上に呼んだのかわからないでもなぜかここは大事な場所のような気がした。


屋上のドアが開く音がする、 ある女の子、 そう天美が来てくれたのだ。


そして天美が照れたように俺の目の前に立ってくれた。


【颯太】「俺、 天美のことが誰よりも大好きだ!俺と付き合ってくれ!」


俺はそういい頭を下げた。


天美は泣いて俺に返事をくれた。


【天美】「いいよ…私も颯太君のずっとずっと好きだった…すごく…すごく…嬉しいよ…」


【颯太】「おいおい泣くなよ……泣く本番はこれからだよ」


そう、 これから卒業式が始まる、 俺は時計を見る。


【颯太】「うわっ!! 時間やべーよ! 早く行かないと間に合わなくなるぞ!」


【天美】「うん!」


天美はそう笑って返してくれた。 


【天美】「ねぇ颯太君…その…手つないでもいい?」


【颯太】「いいのか?」


【天美】「だって私たち恋人同士なんだよ?」


俺は少し恥ずかしかったが天美に黙って手を差し伸べた、 天美は俺の手をしっかり握ってくれた。


【天美】「颯太君の手、 やさしくておっきいね…」


【颯太】「ほっ…ほら早く行くぞ、 遅れちまうよ」


そうして俺たちは手をつないだまま一緒に体育館に向かった…。


そう、 俺と天美の物語はまだ始まったばかりなのだ…。


これからもずっとずっと二人で物語を築いていこう…。


END


ここまで読んでいただいた方本当にありがとうございました!

颯太は運命を変え世界を変えた幸せな記憶もまた幸せな記憶へと塗り替えていった。そしてこのせかいのお話はこれで終わり。しかし望月颯太という人間はほかの世界にも存在する。そしてその世界で何が起きるのか?episode2をご期待ください!

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