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日常は非日常へ…

俺には夢が無い


夢がなければ望むものもない


そんな俺が夢をかなえられるとしたら何を願うのだろう


そんな事ばかり考えていた


たぶん俺の願いは夢を見つけることだろう


そうしたらどんなに生きることが楽しいか…


生きる意味でさえ分からない俺に見つけられるだろうか


そんな不安がいつも頭の片隅に入っていた


いや、 きっとできるさ…俺たちなら…


月曜日 部屋:主人公 起床


ガン!


【颯太】(イテぇ! …頭に何かぶつけたかな…)


目を開くと俺は見事に頭から布団に落ちていた。


【颯太】「あんまいい目覚めじゃねぇな…」


俺は低血圧のせいで朝が弱い、 だから普段はたいてい幼馴染の神崎天美に起こしに来てもらってる。


俺の両親、望月健吾と望月亜里沙は仕事で世界中を回っている、高校生の俺も何の仕事をしているのかよくわからない…。


神崎家は古くからおれたち家族のことを知っており、 なぜかうちの両親が心配だからという理由でうちのカギを預かっている。


まぁそのおかげで毎日起こしてもらったり、 朝ごはんを作ってもらったりしていのだ、 そのおかげで一人じゃ何もできない俺もかなり楽させてもらってる。


【颯太】(起きるか…)


俺はベットの掛け布団を直し、 うちの一回のリビングへと向かう。


リビング:主人公 天美 朝ごはん


【颯太】「おはよー」


そう言いながら俺はリビングに入る。


朝ごはんをキッチンで作っていた天美がこっちを見て


【天美】「!?」


今こっちを見て驚いた黒髪のツインテールのかわいらしい女の子が神崎天美だ、 性格も活発で俺とは正反対です。


【颯太】「どーした?宇宙人が地球に攻めて来たみたいなかおして」


【天美】「すごいよ!三年八か月二十四日目以来だね!」


【颯太】「お前よく覚えてんな…」


【天美】「ちょっと待ってて!今すぐごはん持ってくるから!」


なぜか、天美は俺が自分で起きたことがうれしいのかテンションが高い。


【颯太】(なんかおれ馬鹿にされてね?)


そう思いつつ居間のテーブルに座る。


【天美】「できたよー!」


天美がキッチンから朝ごはんをお盆に載せおれの目の前に置いてからおれの前の椅子に座る。


【颯太】「おっ!今日は俺が好きな海老フライが朝からあるじゃん!」


【天美】「だって颯太くんが朝自分で起きたんだよ!すごいよ!」


【颯太】「いや、今日はたまたまだし・・・・てかばかにしてるだろ!」


【天美】「そんなことないよー、私だって寝坊しちゃうときあるもん」


こいつのいう寝坊はたぶんいつも5時30分に起きるのに今日は35分まで寝ちゃったとかいうんだろうな…。


【天美】「昨日なんて恥ずかしいから言いたくないけど5分も多く寝ちゃったんだー」


【颯太】「やっぱりな…ってか食べていいか?」


【天美】「うんうん!冷めないうちに早く食べて!」


俺は海老フライに最初に手をつける。


【颯太】「もぐもぐ・・・ん!」


【天美】美味しくなかった!?」


天美は心配そうにこちらを見つめる。


【颯太】「いや、 なんだこれ超うめぇ」


【天美】「本当!ありがとう!」


そう言いながら俺の前でガッツポーズをとる。


【颯太】「そういや、朝ごはんくってきたのか?」


【天美】「うん、もう一時間前に!」


【颯太】(一時間前って今からで言うと6時か…はえぇな)


【颯太】「ほかのも食べていいか?」


【天美】「うんうん、 どうぞどうぞ!」


もぐもぐ、 さすが天美だ、 すべてのおかずがうまい。


しかし…。


【颯太】「なぁ、 天美、俺の顔になんかついてるか?」


【天美】「えっ、あぁ!なにも付いてないよ!」


【颯太】「なぁ天美、悪いが食事中はガン見しないでくれ、 かなり食べずらい…」


【天美】「あっ、うん、 ごめん…」


そういうと天美はちょっと残念そうに俺が食べ終わった食器をキッチンに洗いに行った。


まぁチラ見してるのもバレバレなんだけどな…。


俺は、朝ごはんを残さず食べ、 天美の食器洗いを手伝いにキッチンに向かう。


【颯太】「手伝うよ」


【天美】「これは私の仕事だから!」といって俺を引き止める。


まぁこういう時の天美はなにいっても聞かないからな…。


俺はしぶしぶ居間に戻る。


それから天美が食器洗いをすべて終わらせ少し休憩。


【颯太】「そろそろ、 学校行こうぜ、もう8時だし」


【天美】「うん!」


そういって天美と一緒に家を出た。


これが俺の何一つ変わるようがなく、 幸せでつまらない日常だ。


俺と天美は桜田高等学校の二年生。


基本的に俺んちからも天美んちからも歩いて十分もかからない距離にある。


俺と天美は部活動には入っていなく朝連がないので余裕をもって家を出られる。


そもそも俺は部活やるようなタマじゃないしな…。


天美とたわいもない雑談をしてるうちに学校に着いてしまった。


学校:主人公 天美 日常


【天美】「今日もぴったり時間どおりだね!」


【颯太】「そうだな、 まぁまだ時間はあるんだし余裕持って教室まで行こうぜ」


昇降口で上履きに履き替え天美と一緒に教室に向う。


天美と俺は同じクラスだ、 なので教室で俺はクラスメイト全員の敵になる…。


まぁそれは教室に行けばわかるだろう。


そして俺は教室の前で立ち止まる。


【颯太】(あぁ…ついに教室の前に来てしまった…)


【天美】「どうしたの? 立ち止まって?」


【颯太】「なぁ天美…時間差で教室入ろう」


【天美】「どうして?」


【天美】「私と教室一緒に入るの嫌?」


【颯太】(うぅ…答えずらい…)


【颯太】「それはだな…たまには二人じゃなくて一人ずつ入ったほうが新鮮だろ?」


【天美】「昨日もそんなこと言って一緒に入ってないよ!」


【颯太】(たしかに昨日は俺がわざと教室入る前にトイレ行くって言って天美に先教室にいってもらったな)


【颯太】「と、 トイレ行ってくるわ」


【天美】「えいっ!」


腕をつかまれ無理やり教室の中に突き出される。


【颯太】「うおっ!」


【颯太】(やっぱな…)


教室に入ったとたんクラスメイトの大半から睨まれる。


続いて天美が教室に入ってくる。


その瞬間みんなが俺が入ってきたときとまったく違う雰囲気で、 天美に対し「おはよー、天美さん」や「今日もかわいいね神崎さん」など天美に対して喋りかけていた、中には俺の悪口をこそこそ話していた連中もいた。


そのしゃべりかけに答えるように天美は元気よく「みんな、おはよー!」と大声で言った。


天美はこの学校のアイドル的存在だ。


簡単にいえば、天美は勉強もできるしスポーツもできる、なんていったってルックスや全体が可愛い、そんな奴が俺みたいな根暗で人付き合いが苦手な奴と毎日登校していてそいつの家に天美は、 毎日早く起きて朝ごはんを作りに行っているのだ。


実際に俺をマジで嫌ってる男子は多い、 大体この学校の半分くらいはそうだ。


女子に関しては根暗というイメージがついていてよく女子の悪口の的になっている。


俺は三号車の一番後ろに恐る恐る向かう…。


とりあえず机にバックを置き、俺定番の机の中チェック。


【颯太】(はぁ…飽きねぇなぁ…)


机の中には「死ね」とか「消えろ」とか書かれた紙が数十枚入っていた。


【颯太】(いつもどうりっちゃいつもどおりだな…)


天美はモテる男子や女子数人につかまっている。


【颯太】(こんなの天美に…見せらんねぇよな)


誹謗中傷が書かれた紙の中に一枚違う雰囲気の紙があった。


【颯太】(なんだこれ…)


「日常を壊したくないか?」


俺は鳥肌が立った。


なぜなら俺の願いをあたかもしってるような文章だったからだ。


【颯太】(一体…誰が……何の目的で?)


キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン


チャイムと同時に担任の先生が入ってきた、 それと同時に俺の目も覚める。


【颯太】(……こんなのただの偶然だ誰かがいたずらで入れたに違いない)


俺はその時間自分に言い聞かせた。


そこからはほとんど覚えていない、 朝HRが終わるまでずっと手紙のことを考えていたからだ。


【天美】「難しい顔してどうしたの?元気なかったよ?」


天美が俺の席の前に中腰になって立つ。


【颯太】「ん、あ…ちょっとな…」


【颯太】(さすがにこんなことで天美に相談する必要はない、 変な誤解うけて心配させたくないしな)


【颯太】「なぁ天美、お前夢とかあるか?」


【天美】「うん! あるよ!」


【颯太】「へぇ、どんなの?」


正直こいつの夢にはすごく興味がある、 まぁ幼馴染だしな。


【天美】「そんなの恥ずかしくていえないよぅ…」


天美は顔を赤らめてそういった。


【颯太】(俺の…ことかな…、 いやまさかな)


【颯太】「ほら、もう授業はじまるからせきつけ」


天美は「はーい!」というと席に戻った。


キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン


いつの間に授業は終わっていた、 それどころかもう12時半、つまり昼休みになっていたのだ。


他の生徒は購買やら学食で、 もう教室には数人(お弁当組)しかいない。


【颯太】(寝てたのか?…まったく覚えてねぇ…)


机の片隅をみると弁当が置かれていた、おそらく天美だろう、 天美はいつも昼食に朝作った弁当を渡してくれる。


【颯太】(あぁ、 寝てたのか…)


おそらく天美は俺が寝ていたことに気をつかってくれて弁当を置いてってくれたんだろう。


番頭の横には書置きが置いてあった。


【颯太】(どれどれ…)


【天美】「友達と学食に行ってきます、 しっかり食べなきゃだめだよ!」


それは実に可愛らしいというか天美らしい文章だった。


【颯太】(そうだ、 一応ケータイに礼のメール入れとかなきゃな)


俺は自分のバックからケータイを探す。


【颯太】(あれねぇな…しまった今日忘れてきちゃったよ)


ケータイといっても俺のケータイは役割を果たしていない。


実際にアドレス帳には両親と天美しか入っていない、両親からはほとんどメールは来ないし、天美は一緒にいる時間が長いのであまり使わない。


【颯太】(まぁいいか、後で言っとけば…)


【颯太】(5分無駄にしたな、 さっさと飯食うか…)


【颯太】(うっ!?)


なぜだかわからないが自分の視界が反転し始めた。


【颯太】(俺、 疲れてんのかな・・・)


「ガガガガ…」何かが砕けたような音がして「それ」は起こった。


別世界:主人公 ??? ゲーム始動 


そして俺の視界の世界は180度世界が変わった。


そこは俺がいつも見ている風景とあまり変わらない…。


しかし「そこ」はいつも見ている風景が同じでも明らかに違うものだった…。


「そこ」は俺がさっきいた学校と姿形は同じ、 しかし俺にはなんとなくわかった。


ここは「終わっている」それだけが正直に思ったことだ。


空は赤く地も赤い、 それはまるで「終わってしまった世界」のようだった。


でもなぜか懐かしい感じがした、 なぜ懐かしいと思えるのか俺にはそれがよくわからなかった。


教室には誰もいない…。


確かにさっきまで弁当組がいたはずだ…。


【颯太】(なんだんだ…ここ…)


【颯太】(いや、またきっと俺をいじめようと教室を出たんだな…、今頃みんなで食堂にいるんだろう)


俺は信じられなかった、 今現実かもわからない世界に放り込まれたのが。


俺は慌てている、怖がっている、怯えている。


俺は全力疾走で食堂に向かった。


しかし、食堂には誰もいない。


なんとなくわかっていた。


「ここ」は特定の奴しか入れない「世界」


なぜかそんなことを知るはずのない俺が知っていた。


【颯太】(そうだ! 天美は!? きっとどこかにいるはずだ!」


俺は全力で校舎を探し回った。


天美は見つからない…、 しかし人がいた。


それは2号棟の図書室だった。


人がいるのはわかったがそれが誰なのかわからない。


どうやら椅子に座っているようだ。


【颯太】(どうする? ここで行くべきか?)


俺は図書室のドアの前にいた。


すりガラスで小さい窓からは少ししか相手が見えない。


【颯太】(もし、 こいつが俺と同じ境遇なら…)


俺は少しの安心感と恐怖感がまじりあった状態のままそのドアを開けた。


【???】「颯太くん!」


いきなり前から思いっきり抱きつかれた。


しかし俺にはそれが誰かすぐにわかったのだ。


【颯太】「天美! 無事でよかった!」


天美はいきなり俺に抱きついたまま泣き始めた。


【天美】「グスッ…怖かったよぅ…」


【颯太】「天美が無事で本当によかった…」


俺も天美がいたおかげで少し安心することができた。


しかし…どんどん謎が深まってくる。


この世界には俺と天美しかいないのか?


それともほかにいるのか?


なぜこの世界に来たんだ?


【颯太】「でも今は天美が無事でよかった…」


【天美】「わたしも颯太くんが無事でよかったぁ…」


「ババーン!!!」その瞬間一号棟の一階のほうから爆発音がした。


【颯太】「!?」


やっぱり、ほかにまだ人間がいるのか?


まだ爆発音が聞こえている。


確かめなくちゃいけない……そんな感じがした。


しかし天美をここに残しておくわけにはいかない。


それに天美は女の子だ、 今だってこの世界が怖いはずだ。


今はここにとどまってるのが先決か…。


そう思ったとき天美が口を開いた。


【天美】「見に行こう」


その時の天美はさっきの泣いていた表情とちがくまるで何かを期待したような感じだった。


【颯太】「え?」


俺はこの言葉が理解できなかった…。


普通の女の子ならおそらく俺とここに残ることを望むだろう。


しかし天美は違ったのだ。


自分からまだ何もわからない危険に踏み込むことを恐れないのだから。


まるで天美自身何か「特別な力」を持ってるように感じる。


すると急に天美が俺の手をつかみ爆発音が聞こえた方向へと走り出した。


俺は何も言えなかった。


ただそのとき俺は、 天美の背中を見て走ることしかできなかった。


そしてそこは惨劇…・、 だった。


場所で言うと3ーA


何か小型の爆弾を大量に爆破した後のようだった。


そして俺は、 かなりショッキングなものを見てしまう…。


それは…死体だ。


同学年だろうか…全身がすべて焼かれており顔も見えない状態…。


俺は、 その場で立ち尽くした。


「それ」を見て吐いて、吐いて、吐いて、吐いて、吐いた。


しかし、 天美は違った。


この「惨劇」を見て平然としていた。


そして天美は微笑みながら俺にこう言い放つ。


【天美】「死んでくれて本当によかった」


俺には到底この言葉が理解できない…。


【颯太】(何言ってんだこいつ!、 目の前で人が死んでるんだぞ!)


俺は怖かった。


この世界は狂っている。


この世界だけではない、 俺の隣にいる天美も、 さっきまで生きていた生徒をこんなになるまで殺したやつも。


【颯太】「天美、 これ見て何も…思わないのか?」


俺は天美に反論するように言った。


しかし天美はこう答えた。


【天美】「颯太くんこそ嬉しくないの?、 だって一人消えたんだよ」


【颯太】(嬉しい?、 一人消えた?、 やっぱりこいつらはおかしいよ!!)


【颯太】「天美…何が嬉しいんだ?」


俺はもう一度反論してみた、 何故嬉しいのか教えてほしいただそれだけの理由だけで。


そうすると天美は驚いた顔をしていた。


それは朝俺が早く起きてびっくりしていた表情と変わらなかった。


【天美】「颯太くん、 今日携帯は?」


携帯?、 それが何に関係あるんだ?


【颯太】「いや、 今日は家に忘れたよ…」


【天美】「じゃあ…何も知らないんだ!」


知らない?何を?


【天美】「そうだね!、 今日颯太くんも帰って携帯見たほうがいいよ!」


【天美】「それにもう終わりの時間だしね!」


【天美】「メールを見たらきっと颯太くんも人を殺したくなるよ」


俺が…人を殺す?


なぜ?


【颯太】「お前は、 人…殺せんのか?」


【天美】「うん!、 颯太くん以外なら誰でも!」


ははは……。


徹底的に狂ってんな…。


【天美】「あっ質問はもうここまで!」


【颯太】「じゃあ…最後に一つだけ…、 天美は何で人を殺せるんだ?」


そういうとこの世界に来たみたいに世界が反転を始める。


【天美】「それはさ、 この世界に来たみんな一緒だよ…」


【天美】「願いをかなえ…」


その時完全に世界が反転した。


教室:主人公 帰宅


そう、戻ってきたのだ。


このありふれた「日常」に…。


あの世界は何だったのだろう…。


はたしてあれは現実なのかウソなのか…。


そして今俺は、 さっきまでいた教室にいる。


しかし驚くべきことに時計は午後3時半を回っていた。


三時半は桜田高の授業終了時刻だ。


HRが終わり、 みな部活に向かっている。


【颯太】(あれは…夢だったのか?)


【颯太】(そういえば天美は?)


あの世界にいた天美ならあれが現実かわかるはずだ。


しかし、 俺はあれが本当なら天美とはもう関わりたくない。


それに、 あの最後の言葉は…。


おそらく願いを叶えるためだろう。


もし本当ならそんなことができるのか?


【颯太】(いや、 とりあえず今は天美を探そう…)


教室を見渡す。


天美はいない。


【颯太】(いつもなら一緒に帰ってるはずなのに…)


【颯太】(今日は…たまたまだよな…)


そう自分に言い聞かせ教室を後にする。


下校中、 あいつの言ったことを思い出す。


「あのメールを見れば人が殺せる…」


もしそのメールが本物ならおそらく、 あの世界あったことは事実なのだろう。


俺はその時、 正直半信半疑だった。


自宅:主人公 ルール


【颯太】「ただいまー」


俺は不安の押し殺すようにそう言い家の中に入った。


そして、 ケータイの置いてある自分の部屋に向かった。


そしてあのメールが本当のものかすぐにわかった。


メール内容がこれだった。


受信時間AM:12:00



Re:選ばれし者


君たちには叶えたい夢、 願い、 欲望があることを私は知っている


あるものはあるものすべてを壊し、 あるものは大逆を背負っていることを


私は君たちに挑戦権を与える


君たちに「罪」を巡って欲しい


おそらく君たちは「罪」の意味がわかると思う


君たちは、 不規則存在(イレギュラー)と呼ばれる存在だ


そして君たちの願いはさまざまだ


そう、 君たちは「感情」によって生きている


君たちには、 特別な力を与えた


それは、 君たちの思いの強さによって武器になり時には癒しになるだろう


そう君たちの武器は「感情」なのだ


君たちが強く思う感情に武器は現れる


このゲームの参加者は全部で13人


そして君たちの感情を公表する


希望:永井 裕治


絶望:国島 豪


無望:望月 颯太


正義:羽田 秀


破滅:鳩羽 美羽


愛憎:神崎 天美


革命:加治 結城


堕落:宮原 麻美


渇望:山口 洋司


非情:花山 涼香


無常:工藤 洋介


嘘:神山 良助


偽:水鳥 姫


以上がメンバーだ


ただし力は「Another school」でしか使えない


そしてこのゲームは4日間に及んで行われる


ファイナルゲームで生存者が二人以上いる場合、 より強い「思い」を持ったほうに「罪」を与える


このゲームで勝ち残り「罪」を勝ち取るのは誰か


期待しているよ


そしてこのゲームを存分に楽しんでくれ


以上



……


俺はわけがわからなかった。


神?ゲーム?罪?無望?不規則存在?感情による力?Another school?


いまいち信じることができない。


【颯太】(夢!?、夢だろ!?…)


いや、 夢ではないだったらあの別世界をどう説明する?


俺はあまり人とかかわりが持てないが知っているこの中に名前が3つあった。


まず俺、その次に天美。


そして工藤。


工藤は俺達のクラスの担任だ。


どうやら教師まで参加しているらしい。


それよりいくつか気がかりなことがあった。


何故俺は参加している?


俺には夢がないはずだ。


そして俺は恐らく誰よりも「日常」を望んでいる。


【颯太】(それに無望って何も望まないってことか…?)


違う、 俺は夢を望んでるんだ。


なのになぜ・・・?。


それともうひとつ気がかりなことがあった。


【颯太】(今日の死体、 あれは感情の力で殺されたのか?)


そう思うと全身鳥肌が立った。


つまり、 人が望めば望むほど強くなれる。


それは限界がないってことだ。


人の欲望は無限大。


いや、 もしかしたら人じゃなくなるのかもしれない。


そんな不安が頭の中をよぎっていた。


しかし…。


俺はもう引き返せないといころまで来ているのだろう。


【颯太】(戦うしかないってことか!?俺は生きるために誰かを殺すのか?)


やっぱりこのゲームは狂ってる。


自分の目的のために他人を殺すなんてことはただの殺人だ。


このゲームに参加してる連中はそれを受け入れてやっているのか?


いやちがう、 絶対に誰か俺と同じ境遇の奴がいるはずだ。


俺はそう言い聞かせた…。


「ブーブーブー」、 持っているケータイが新着メールを受信した。


俺はすぐそのメールを開いた。


受信時間PM4:00



Re:ファーストゲーム


本日の脱落者


革命:加治 結城


非常:花山 涼香


残り11人


以上


【颯太】(どうゆうことだ!?、 俺たちが見た死体の他にもう一人死んでたのか!?)


俺たちが見た死体…、 あの死体は全身が焼けていて性別がわからない状態だった。


【颯太】(おそらく…もう一人は確実に俺たちが見た死体を殺した人物ではなく…他者だ)


不安が的中した。


このゲームに参加している連中はこのゲームを受け入れている。


受け入れると同時にこいつらは人を殺せる。


つまり、 だれも信用できない。


【颯太】(自分の目的のために人を殺せる奴なんか信用できない!!天美も、 ほかの連中も!!)


【颯太】(生き残るんだ、 絶対…誰も殺さずに…)


しかし、 俺は自分の感情能力を知らない。


おそらく、 生き残るためにはその力を使わなければ死ぬだろう。


もしかしたら明日、 能力を使わないうちに殺されてしまうかもしれない。


でも、 俺は人を自分が殺されてもいいと思った。


俺には人を殺す罪を一生背負いたくない。


だったらいっそ死んだほうが楽…。


しかし…今日は疲れた。


時計を見ると午後5時ジャスト。


眠い…。


そう思うと俺は衝動的にベットに潜り込み、 深い眠りについた。


火曜日 主人公 部屋 起床


【颯太】(ん、 んん…朝か…)


【颯太】(制服のまま寝ちまったか…)


いつもと変わらぬ朝が来た。


しかし、 俺にとってはもう「いつも」じゃないのかもしれない。


俺は「非日常」の中に放り込まれた。


こんな、 何気もない朝も幸せだということに気づいた。


俺は今生きるか死ぬかの瀬戸際なのだ。


昨日の疲れもこんなに寝たのにとれていない。


とりあえず俺はリビングに向かった。


リビング:主人公 朝ごはん


そこにはいつもいる天美の姿はなかった。


少し、 さびしかったが今天美のそばにいるのは危険だとわかっていた。


俺は、 冷蔵庫の中のまかないもので朝ごはんをすました。


今日は少し早く家を出た。


天美のことが心配になったからだ。


学校に行けば天美に会えるかも知れない、 そんな気がした。


昇降口、 まだげた箱には上履きが入っている。


俺は天美の下駄箱を見る。


【颯太】(!?)


上履きがなくその代りに靴が入っていた。


つまり、 天美は学校にいる。


俺は教室まで全力疾走で走り抜けた。


教室:颯太 ??? 対面


【颯太】「誰だよ…お前」


身長が俺とは変わらない男が教室に立っていた、 同学年だろうか。  男だが女々しい顔立ちをしている。


【???】「まぁー、 警戒すんなって、俺渇望の能力者、 山口洋司ってもんだ、 あんた望月颯太だろ?」


【颯太】「天美はどうした?」


俺は身を構える。


【洋司】「あーあのかわいい子ね、 あの子だったら職員室の前で工藤と話してたぜ」


【颯太】「……何故?」


【洋司】「多分俺と一緒の目的だと思うけどね」


【颯太】(目的…?)


【颯太】「要件は何だ?」


山口は少し微笑みながらこう言った。


【洋司】「俺と組まないか?」


【颯太】(なるほどね…、 ってことは天美は工藤と組むのか)


【颯太】「残念だが断らせてもらう」


【颯太】「俺は誰も殺さない、 殺さないで生き残る」


【洋司】「お前…望みがないのか?」


【颯太】「いや、 あるさ俺は夢を見つけることだ」


【洋司】「っはははっはっはっはははは!!」


見下すような目でわらった。


【洋司】「いや、 お前みたいな馬鹿がこのゲームに参加してるなんてな」


【洋司】「そうか…だからか…、 確かに面白い!」


【洋司】「お前さっき誰も殺さないって言ったよな」


【颯太】「あぁ」


洋司の顔は急に険しくなった。


【洋司】「死ぬよ」


その言葉は俺の胸に深くささった。


でも…。


【颯太】「誰かを殺すんだったら死んだほうがマシだ」


俺は言い放った。


【洋司】「やっぱりお前も不規則存在(イレギュラー)だな」


そういうと洋司は俺に背を向る。


【洋司】「じゃあな、 おもしろかったよ」


【洋司】「あと、 加治結城お前らが見た死体は俺が殺った」


【颯太】(やっぱな…)


薄々は気づいてた、でなければ俺に接触して来ないだろう。


こいつは最初から裏切る目的で俺に接触したんだ。


やっぱり誰も信じられない、 信じてはいけない。


そう言い残し洋司は教室を去ったのだった。


その時、 世界は反転を始める。


【颯太】(反転はいつ起こるのかわからないのか?)


そして何かが割れたような音、 完全に世界が反転した。


【颯太】(…Another school、これがこの世界の名前なんだな)


やっぱり、この世界は紅一色以前同様血塗られたような世界だ。


そして懐かしい感覚。


そして今俺、いやここにいる全員が感じている殺気。


こうしてセカンドゲームは始まったのだった。


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