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花降る日。








title:《花降る日。》













雲の中に渦巻く螺旋階段はひやりとしていた。





階段は白い大理石の支柱にリボンのように巻きついて上にも下にも長く続いている。


ぼんやりと淡く光るそれは頭の上もそのずっと上も、足の先もそのずっと先も、白いひだのぐるぐるとした連続だ。

それ以外何もない。

どこまでも吹き抜け。



足元が歪む。



銀杏のように扇にそろった形の一段に足を乗せるたびにそれが絨毯のように沈んだかと思えば、足元の空間自体がぐにゃりとひしゃげる、ように思えた。

気をつけなければ足がもつれてしまう。

アタシを取り巻く全てが揺らいでいた。

支柱の白壁に手を軽く突いて、一歩一歩階下に進む。




酷い眩暈だ。

世界が透明な見えない誰かの手でゆっくり攪拌されているように見える。

歪み、ひしゃげ、混沌と混ざり合っていく白い空間。

頭の上に分不相応に大きな王冠を乗せているみたいに重く窮屈でそれに気を取られて注意力が散漫だった。

視界が、狭い。

何で、自分はここにいるのか、

何時の間にこに辿り着いたのか、

ここはどこなのか、

自分は誰だったのか、




もはや分からなくなってる。

ただ深く深く白い空間を下っていく。




カツン、




慎重に足を運んでいがヒールの音を高く響かせて足を止めた。


ふと、辺りに花びらが降っているのに気付いたからだ。

降っているというか、先端の赤から白に変わる花びらが風もないのに漂っている。


ふわりふわり、と。


手のひらを開けると降りてきた花びらはアタシの手の表面をかすって空中で舞っている。

決して下に「落ちない」。

漂い続けている。

それを見てアタシは妙に静かな心持ちで悟ったのだ。


『あぁ、ここにいたらずっと階段を下り続けなければならない。この花が地に付くことなく漂い続けているように』


この空間は始まりもなく終りもないのだろう。

ずっとそのまま。

上も下も先も後ろもなく同じ状態を保ち続ける。

時間は進まず止まったままだ。

完全な永遠、の空間。

変われない恐怖、終われない恐怖。

螺旋の旅を永遠に続けるのはとても怖い。

それは自然に反する事だからだ。

存在する以上、変わるのがまたは朽ちるのが自然の摂理。

もしも永遠が常で未来も過去も同じであればそれは意味のないことだ。


物質的に有り得ない永遠とは、諸行無常の事実を背負う人間にこんなにも恐怖を与える。

まるで誰かが仕掛けた「永遠」という名の罠にはまったかのようだ。

アタシは俄かに焦り始めた。




この螺旋から、メビウスの輪から外れる方法は?




戦慄し思わず、首から提げているもはやお守りと化した銀色の鍵に触れた。

すると鍵は呼応するように輝き出した。



スウェードの黒の華奢なブーツは白い空間とのコントラストは綺麗だが踵は細くて安定は悪く足は痛かった。

多分、中は靴づれを起こしている。


吐く息が白い。


それと同じぐらいに寒さで自分の手も白い。

巻いた髪が頬に触れるのが鬱陶しかった。

相変わらず眩み具合は酷い。自分の着ているジュエルのような釦がついたピンクのワンピースの裾が漣立って見えるぐらいに。


既にこんなに満身創痍だ。

それでも扇の階段に座り込み下を覗き込む。


下は白く濁った雲と漂う花びらが邪魔をして何があるのか見えない。

時折雲の水蒸気が反射してきらりと光るだけだ。

階下の世界は空かもしれないし地面かもしれないし町かもしれなかった。


耳の飾りのひと粒のパールを外して空に落とした。

耳を澄ませたが一瞬輝いて空に吸い込まれていっただけで何かにぶつかる音も反響もない。

やはり底は知れないようだ。



『アタシは誰かの手の内で転がされてるような状況は嫌いなんだよね。…永遠を続けるよりはいいだろう?』



至上最高レベルの天邪鬼は鼻で笑って心の内で問いかけると鍵が応えるかのように瞬いた。



「…よし」



小さく頷く。



スカートを払って立ち上がった。

風が吹いてパニエをはいているみたくスカートを膨らませる。

爪先を大理石の階段から空中へ変わるぎりぎりのところへぴたりと合わせ、

深呼吸をして目を瞑った。

そしてせーの、で思い切り前へ踏み出す。



アタシは胸元で輝く鍵に後押しされるように雲の中の限り無しの螺旋階段から身を躍らせた。


落ちていったひと粒のパールみたいに。










覚悟したほど落下感は無い。



それどころか、ふわりふわりとゆったりとした奇妙な浮遊感を伴って下に舞い降りて行った。


あちいらこちらに漂う花びらと同じように。


























「どこの花の砂糖菓子が落ちてきたのかと思った」






耳元で皮肉に口を歪めて笑ったのは死神だった。

ぼろぼろの白いTシャツに破れたジーンズ姿、その上から黒い暗幕のような布を纏っている。

相変わらずの恐ろしいほど精巧で美しい造作の顔。

金の髪に青い瞳。


気付くとアタシは死神の腕に抱え上げられていた。


彼は偶に目にする幻のようなもので、何かと忠告しに来たりちょっかい出したり鼻で笑われたり……と厳しい小姑と嫌味な兄貴と高慢な悪友を足して蝋で固めたかのような目障りな存在だ(-_-)(どうなのよそれ?)

アタシの「内側」「裏側」と自称する彼は

平凡日本人顔代表のアタシと外見は百億光年ぐらいかけ離れているが中身はアタシに似て皮肉屋でふざけた兄ちゃんだ。

何の冗談か時々オプションで大鎌を所持していたりするのでアタシは「死神」と呼んでいる。





アタシが落ちて行き着いたところは暗くて周りは何も見えない。



ただ、暗闇に死神の姿と自分の輪郭だけがぼんやりと浮かび上がっていた。そんな中で光を紡いだような金糸の髪が輝きいつも最高に小汚く凄絶に綺麗な死神は肩を竦めた。

アタシは子どもがお父さんにされるみたいに腕に抱えられて心底嫌そうに声を上げた。



「砂糖菓子~?モロゾフとかのシュガークラフト??食い物じゃなくて『やぁお姫様みたいだね☆』ぐらいの台詞が言えなのかこのヒヨコ頭が(←金髪だから)」




「HAHAHA!!モロゾフ??そんな高級な顔か己は。あれだあれ、『モロゾフ』というより『シャトレーゼ』、『お姫様』というより『おしめ様』だろ」



再会して早々人を大量生産菓子及びパンパース呼ばわりする狼藉者の死神はシニカルに笑った。

「砂糖菓子みたいというか人形みたいというか…甘い格好だな。胸焼けしそうだ」とアタシを抱え上げたまま眺めて顔を顰める。


アタシは今日は巻いた髪を白い花のコサージュであしらい半分アップにしていた。

バルーンスリーヴで胸元につやつや光る金の縁取りの釦があるモーヴピンクのワンピース。

首にはいつもの鍵とパールのネックレス。

耳もお揃いでひと粒のパールをつけていた。

見せるために作られた細い踵のニーハイブーツ。


甘く優しい色使い。

コンセプトはコンペイトウの精でクローゼットの前で鼻歌交じりで選んだお洋服だったのだが、その狙い通りの方向性に見えるらしい。

ふわふわの、白いクリームの上に乗せられた、繊細な、

『砂糖菓子の花』。



「……中身は激辛ハバネロ唐辛子十万倍せんべいのようなお子様だがな。どっちにしろ害を為す」



ぼそりと添えられた言葉にアタシはむくれて「一言多いんじゃ」と死神の頬をつねった。





すると、どこからか深い声い笑い声が響いた。



「死神に抱えられた砂糖菓子とはまたけったいな取り合わせだな」



その台詞が合図になったかのようにほのかな橙の灯りたちが点り、アタシを取り巻く全貌を幻想的に浮かび上がらせる。


アタシと死神がいる場所は天井がまあるく膨らみドームみたいな場所だった。

植物が静かに息づく温室のように全てガラス張りだ。

外は暗くすでに夜の帳は下りていた。珠のような雨が降っているのに月は深く暗い空にかかっている。

硝子の向こうは満月の顔と満天の星に囲まれていてこのドームが星月同様に空に浮いているような錯覚に陥る。

いや、本当に浮かんでいるのかもしれない。

硝子についた雨の雫たちが月光で煌いていた。


高い天井からはありとあらゆる物が吊り下げられている。

割れた鏡。

穴の開いた帽子。

トランプのジョーカー

首の取れたクマのヌイグルミ。

それから無数の時計、時計、時計。

大きいものから小さいもの、優美な天使の飾りのついたものから無骨な木で彫られたものまで。


シュールで、少し気味の悪い場所だ。

それに相変わらず花びらは落ちるでも昇るでもなくひらひら漂っていた。

建物の内側を縁取るかのように床には赤、黄色、緑、群青、様々な色の様々な形のランプや蝋燭がぐるりと置かれ灯りが揺らめいている。

そんな建物の床のモザイクタイルに敷かれた白いカーペットの真ん中でアタシは死神に抱えられていた。



目の前には猫科の金色の生き物が優雅に寝そべっている。

笑い声の主。


ヴェルヴェットのような毛並みの、

大きな、

百獣の王。


長い煙管を器用に肉球のある前足で掴んで燻らせ、足首に金色の細い鎖のアンクレットをつけていた。


ぴんと張った髭も硬そうなたてがみも濡れた鼻も茶色く透けるビー玉みたいな瞳も本物のライオン。

あばらがなぞれるお腹を上下させて息をしている様が置物でない事を実感させる。

僅かに見える牙からたてがみの先まで本物で未知との遭遇に慣れているアタシでさえその命の「本物さ」加減に絶句する。

ランプの揺らめく明かりが作る陰影は百獣の王の存在に奥行きを与えていた。



人外とはまっこと突拍子なくて不思議な風体で現れるのでその奇妙さや多彩さにアタシは毎回感心させられ、そして驚かされる。




「今日はよく花の降る日だと思えば面白いお客だね。……まぁお座りよ、座らないと調律できないよ言霊使い」


促されるままに百獣の王の前にアタシは座り(…良家の子女にあるまじき胡坐で…当然死神は渋い顔で頭を掻いていた)アタシは首を傾げた。


「調律…?ここは楽器を修理するところなんスか?」


「あぁ。調律師の住処だからね」



調律とは何だ。

何を調律するのだ。

アタシ自慢ではないが楽器は持っていない。

ピアノも小学五年生で始めて五年生で終わるという記録の持ち主で今では母親がピアノの管理をしており全く宝の持ち腐れ状態を体現する三日坊主の見本のような乙女だ。〇| ̄|_


アタシの頭の中の疑問を見透かしたように百獣の王は表情豊かに牙を見せて笑った。

……ほんのちょっと食われそうでナチュラルに怖い。(-_-;)


「私が調律するのは何も楽器だけじゃない。ありとあらゆるものを調節し律する。例えば人の心、例えばその関係性、例えば、時を刻む『時計』」



「時計…」


天井から吊られている無数の時計を眺めた。

それらの短針や長針は様々な数字で微動だにしない。

アタシが吊られている時計の一つに手を伸ばすと、調律師は煙管を振って制止した。


「触らぬ方が良いよ、言霊使い。それらは時を止めたものだ。未だに時間を刻むお前さんが触れたら自分の時間を吸い取られる」


何だか分からないが恐ろしい事を言われたような気がしたので慌てて手を引っ込めた。



「お前の時計も随分と狂っているよ言霊使い。だから『限り無しの螺旋』なんぞに迷い込むんだ。しかも時を進まそうと無理矢理突っ切ってきたね」



「…?アタシは時計なんか持ってませんが?(@_@;)」



「いいや、時は人それぞれの速さで流れている。どこぞの戯曲作家もそう言っているだろう?誰でもひとり一つずつ自分の時を刻む時計を持っているんだよ。…体内時計をね」


百獣の王の調律師は煙管をひと吸いして火花と共に煙を辺りに吐き出すと揺らめいていたランプの明かりは一掃され、月明かりだけが部屋を満たした。


黄色く柔らかい月の光は座っているアタシを照らし白い床に影を映し出す。

巻き髪の上にはコサージュの輪郭を乗せ、ワンピースを着た黒いシルエット。

漂う花びらの中に浮かぶ影。


「あ」


アタシは身を乗り出した。

同じように前屈みになったその影の左胸辺りにぽっかりと穴が開いていた。

三日月型の穴。

それは不思議と鈍く白く不規則に点滅していた。

まるで弱々しい鼓動のように小さな三日月は瞬いている。



「ほら。これがお前の体内時計だ。くすんでリズムも一定でない。今日はあの空に架かる月と同じようにお前の月も丸々と輝いていなければならないのだがね……どれ、少しせっついておくよ」




そう言いアタシの影の胸の三日月を煙管でコンコン、と突付くと三日月は一瞬紅く輝いて鼓動を早めた。




「それが体内時計か。はじめて見た」と物珍しそうに覗く死神に調律師は目を細めて笑う。



「『オンナノコ』という生き物は誰でもこの月形の体内時計を持っている。私らにとってはそう珍しいものでもないがお前さんたちはそう目にする機会はないんだろうね」




隣に立つ死神は「…お前気をつけろよ」とアタシの頭を叩いた。


「体内時計を狂ったまま放置するとそのまま自分の時間は停止するぞ。そうなった物の末路はこれだ」



天井から吊られている静かな時計たちを死神は指差した。

動かず、

永遠に黙する時計たちを。

その佇まいはぞっとするほどひっそりしている。



「大体俺がお前と顔を合わすこと自体もう警告灯が点滅したようなもんだからな。『表』が危ないから『裏』の俺が出てくるんだ。表裏一体、どちらかが滅べば自動的にもう片方も消える。一蓮托生なんだよ」



大きな溜息をつく死神は人外のクセに実に人間臭かった。


座り込んで自分の影を見つめていると少しずつ三日月は膨らんで半月ぐらいに成長していく。

輝きも増してきた。



首に下げた銀の鍵がそれを知らせるようにしゃらしゃら鳴る。



「時間が正常に戻りつつあるね。さあお帰りの時間だ」


調律師は煙管を燻らせてゆったり笑う。


鍵が首元で揺れる。

光が零れて眩しい。


漂う花びらの中に立つ死神は真面目な顔で目を眇めて忠告した。




「…気をつけることだな言霊使い。無茶のしすぎは命取りだ」



























ぱんっ






耳元の破裂音に思わず飛び上がった。

驚いて持っていた本を取り落とす。



「こら。やっと見つけた。もう会えないかと思ったよ」



アタシの耳元で両手を叩いたのは待ち合わせ場所が分からず迷ったアタシを探し回った友人だった。

見上げると黒いコートの背の高い友人は冗談半分で半眼で眉を顰めて仁王立ちしていた。


クリスマスリースが掲げられた通りは様々な人々で賑わう。

ヒイラギの緑に赤のリボンが目に楽しい。

「サンタが町にやってくる」が流れ、街は浮き足立っていた。

ファーのマフラーを巻き恋人と楽しそうに歩く女の子や家族連れなどの邪魔にならないようにアタシは端の百貨店のウィンドーにもたれていた。


大阪駅周辺は広く田舎出のアタシはその巨大迷路さながらの複雑さ加減に太刀打ちできず見事に遭難した。


「にょ~~~!!!このままでは子ウサギちゃんのようなあちきは一生この迷宮から出られない!!いたいけなウサギを見殺しにする気か!!動物保護団体から避雷針に逆さ吊りにされるぞ」と携帯で助けを求めた(意味の分からん脅しではないか…)のはリサとガスパールがショウウィンドーの中で物語を展開している阪急の真ん前でだ。

「そこを動くな(-_-;)!!」と厳命され手持ち無沙汰に持っていた本を読んでいたのだ。


友人はアタシが落とした本を拾った。



「…有元利夫?画家??あぁこの絵見たことある」


開いていたページの絵を指差した。


ひび割れくすんだ独特の渦巻く石の塔のはじめに髪の長い女性が立っている。

あたりに漂う花びらを受け止めようとするかの如く布のようなものを広げている。


紅い背景には光が差し歪みひび割れ風化したその絵のキャンバスの質感は何ともいえぬ存在感がある。


そのひっそりとしたでもいつの間にか心の隙間に住んでいるかのように印象的なタッチの、絵。



「この絵の題名、『花降る日』っていうの」


頷いて小さく呟いたアタシに何か感じたのか友人は暫し黙った後、「アンタまた『どこかに飛んでた』ね?」と苦笑した。


そして本と一緒に拾ったアタシが落としていたらしい耳飾を付けてくれる。


「いいよ許したる」



「え?」


アタシは身体を動かさないように目だけを自分の耳たぶに触れてる友人に向けた。


「今日の格好、可愛いから許したる。よう似合ってるよ。あれやな、こないだ観たマシュー・ボーンのバレエ舞台『くるみ割り人形』に出てきてたPrincess Sugarみたいや」


そう屈託なく笑って「さ、出来た」とアタシのパールの飾りをつけた耳を突いた。




全く、優しい人だ。

アタシの悪い癖を心配はするが言及しない上にきちんと感想めいた素直に信じてしまいそうになるお世辞も言ってくれる。


それがとても嬉しい。


アタシも微笑んで本を鞄に仕舞った。


何だか浮かれた気分だ。


あの『限り無しの螺旋』でも『調律師の住処』でもずっと舞っていた花びらのように昇ったり降りたりしながらふわふわ浮かんでいる気分。


楽しくなって顔を上げるとクリスマスのデコレーションがなされた街にもたくさんの花びらが漂っていた。


ショーウィンドーの前にも、雪の結晶のオブジェの周りにも横断歩道を渡る人々の間も駅に続く連絡遊歩道の上にも混雑している陸橋の上にも。

ここにも、あそこにも、決して落ちない花が舞っている。

イルミネーションのように街に、景色に、空気に溶けている。



みんな浮かれているんだ。

この花びらのように。










「はっしーもそれ新しい眼鏡?カッコいいね。バカ殿を密かに操る老中みたいにインテリで素敵に悪役っぽいよ★」



「それ褒めてんのか??」



「褒めてる。褒めてる。手放しで褒めてる」



友人の腕を取ってリサとガスパールの前から離れる。

花びらが街を彩るクリスマスデコレーションされた通りを、砂糖菓子のお姫様(中身は激辛ハバネロせんべい)は足取り軽く歩き出した。


そして12月限定のおもちゃ箱みたいになっている浮かれた町中の仲間入りをする。




止まっていたアタシの時間は進み始めた。

力のある絵画や美術品はそれに引き込まれてしまい出られなくなる。それらが持つ世界の時間にアタシは引き込まれていまい、自身の生きる時間を狂わしてしまうのはアタシの常だった。



それでもそういうものに惹きつけられるのはアタシのどうしようもない性か。










「取り合えず、アンタは大阪駅周辺ぐらい覚えなさい!!」と諭され「無理です★☆」と街中で大声で威張るアホ娘…。。。


誰か案内してくれ…(@_@;)

分かれば色んなものがあって楽しそうだがあちき独りでは確実に目的地に辿り着けん!!

遊べるところいっぱいやろうになぁ…。。。

HEPにプラザにディアモール大阪に…一日大阪巡りやってもいいなぁ★…地図の読めない女は遭難すること間違いなしだが。












2×××年/12月9日/花降る雑踏の中で。





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