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1.プロローグ
「ねえねえ、れいちゃんは僕のこと好き?」
それは
もう忘れてしまいそうな記憶
「好きよ?でも、どうして?」
でも
忘れられない記憶
「じゃあさ、おっきくなったら僕と結婚してよ!」
そんな記憶が
今も一番輝いていて
「じゃあ、しゅうくんが、私よりおっきくなったらね?」
今の俺は
なにか輝いているのだろうか。
「??おっきく?そんなのすぐさ!」
忘れてしまいたい約束
「身長じゃなくて、中身の話よ!」
でも
やっぱりその約束は忘れられなくて
「??取り敢えず、僕頑張ればいいんだね!?」
そんな約束に
まだ縛られている
「…楽しみにしてるよっ、゛しゅうくん゛。」
動けない俺は
最高に弱虫だった
――――――――
「なぁ、どうしてだよ、…゛ゆう゛」
その日は雨で
傘なんか持っていなくて
「お前の"ために"俺はこんなに…」
徐々に
体温が下がっていく
「うっ…うぁぁあぁぁっ…」
また、こうして俺は苦しむ