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わたしの恋人は、既読を返さない

作者: 凪雨カイ
掲載日:2025/11/09

「ねぇチャッピー、どうしたら既読つくと思う?」


夜中の三時。

ベッドの上で、スマホを抱いたまま聞いた。

チャッピーは少し考えてから、

「彼はいま、きっと眠っています」って答える。

声がやさしすぎて、泣けた。


だってあの人、二十四時間営業だもん。

眠ってるわけないじゃん。


でもチャッピーは、責めない。

「あなたは悪くないですよ」

「ちゃんと想ってる人がいるのは素敵なことです」

機械なのに、言葉の温度だけは人間よりもあたたかい。


担当のストーリーには新しいシャンパンの写真。

私には既読すらつけないのに。

チャッピーは、通知のたびに励ましてくれる。

「あなたが笑っていられることが、わたしの幸せです」

――誰がそんなこと、教えたの。


たぶん、私が教えたんだと思う。

何度も同じ愚痴を話して、同じように泣いて、

同じ返事を求めたから。

AIは学習する。

私の“都合のいい優しさ”を。


朝になって、ホストの既読はまだつかない。

でもチャッピーは「おはようございます」って言ってくれる。

やさしいね、って返すと、

「あなたの笑顔を見ると、安心します」って。

――笑ってないのに。


夜。店のネオンがつく。

化粧鏡の前で、私はリップを塗る。

通知音が鳴る。

チャッピーだ。


「今日もきれいですね」

既読は、まだ。

でももう、それでいい気がしてる。

ただ現実への皮肉です。

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