第六章:夜空の銃撃戦と最後の予言
充電器のディスプレイには、残り時間「100%」と表示される。しかし、太郎が外してきたバッテリーはわずか二つ。二人乗りの巨大ドローンを動かすには心許ない。
「これ、約5分しか持たない。」
太郎は、バッテリーの容量とドローンの燃費を計算しながら言った。花子は地図アプリを広げ、指で経路をなぞる。
「このコースなら、ギリギリ行けそうね。」
太郎は充電を終えたバッテリーを両手に持ち、足早に河原へ向かう。襲ってきたエージェントの一人を、花子が華麗なハイキックで倒し、二人はドローンに乗り込んだ。花子が操縦し、ドローンはまるで大型バイクのように軽やかに飛び立つ。
その時、背後からけたたましいプロペラの音が迫ってきた。また別のエージェントが、一人乗りドローンで追撃してきたのだ。体当たりを仕掛けようと接近した瞬間、後部座席の太郎の銃が火を吹いた。正確な一撃は敵ドローンのプロペラを捉え、プロペラが1枚弾け飛んだ。敵のドローンはバランスを失い、ゆっくりと夜景の中に消えていく。
バッテリーが切れかけ、ドローンはほとんど墜落するようにして神社の境内へと滑り込んだ。そこには、花子を追い、このマイクロマシーンを開発した**敵の親玉、桐生 隼人**が立っていた。
桐生は、先代の巫女と愛し合っていた。しかし、しきたりによって結ばれることができず、運命に復讐するためにマイクロマシーンの力を求めた。彼は巫女の儀式を受けたばかりの花子を強引に犯し、マシーンを得たが、彼の体は完全に適合することはなかった。
神社の境内で、太郎と花子は桐生と対峙する。太郎の銃撃は通用しなかった。花子は驚きもせず、桐生と向き合った。
「あなたとは、ここで決着をつけるわ」
「お前の力は、私のものなのだ。あの時のように、大人しくしていればいい。」
花子は怒りを込めて桐生と戦うが、実力は桐生がうわてであった。花子は次第に追い詰められていった。しかし、次の瞬間、桐生は突然激しく血を吐いて倒れた。
「おまえたちも、長くは生きられまい。」
最期の力を振り絞ってそう言い残すと、桐生は静かに息を引き取った。彼の顔には、愛する人と結ばれなかった悲しみ、そして運命に復讐しようとした男の執念が浮かんでいた。