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河川敷の巫女崩れ  作者: バッシー0822


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第十二章:もう一人の巫女

太郎と花子は、古い伝承の中に手がかりを見つけ、**先々代の巫女、乙女おとめ**には妹がいることを突き止めた。妹の名前は、音羽おとわ。二人は、音羽に会うために、彼女が暮らす街へと向かった。


町の中心にあるコーヒーショップで、三人は向かい合って座った。太郎は、穏やかな笑顔を浮かべる音羽に、姉である乙女の面影を見た。


太郎は、切り出しにくい話を、しかし正直に語った。


「実は、あなたのお姉さんに昔お世話になったもので。」


太郎の言葉に、音羽は驚くことなく、静かに頷いた。


「ああ、姉から聞いた覚えがあります。石段から転げ落ちて、大怪我をした少年を助けたと。」


思い出話に花が咲き、二人の間に流れる空気が少し和らいだ。しかし、音羽は、太郎と花子の緊迫した表情を見て、本題に入ることにした。


「桐生さんが、幸恵さんを愛していたことも、巫女の秘密を研究していたことも知っています。」


音羽の言葉に、太郎と花子は息をのんだ。彼らが知りたかった真実を、音羽は知っているようだった。


「だからこそ、私は、姉と一緒に清めの井戸を埋めたのです。」


音羽は静かにそう言った。それは、巫女の力を悪用しようとする者から、その秘密を守るための、姉妹の決断だった。


音羽は、静かに言った。


「幸恵さんと花子さんには、悪いことをしたと思っています。でも、桐生を止めるには、他に方法がなかったのです。」


太郎と花子は、音羽の言葉に深く頷いた。彼女の行動には、悲しいほどの重みがあった。


「桐生がいない今なら、清めの井戸と儀式の復活は可能です。」


音羽の言葉に、花子の顔に希望の光が差した。しかし、太郎は冷静に、一つの疑問を口にした。


「巫女が特殊な力を得るのも、まぁ、**伝染病の類なんでしょう?**だったら俺も、清めの井戸とやらの力で傷が治ったんで、その、何らかの病気に感染したんじゃないですかね?」


太郎の言葉に、音羽は少し驚いたような顔をした。


「そう言われてみれば、そうなのかもしれません。私達姉妹も、傷の治りは随分と早いのですよ。そのおかげで、桐生にも気づかれずに井戸を埋めることができました。」


「じゃあ、巫女は本来、その2つの力を得ることでバランスが取れていたのですね。」太郎はそう結論付けた。


「そうなのです。巫女の儀式によって力を得、清めの儀式によってその力を安定させる。ですから清めの井戸を復活させ、花子さんに儀式を行えば、不適合に苦しむことはなくなるはずです。」


希望が見えた瞬間だった。しかし、太郎はすぐに現実を思い出した。


「しかし、神社の敷地はエージェントやマコトが抑えている。今潜入するのはかなり難しいな。」


二人の運命を変える鍵は、目の前にある。しかし、その鍵を手に入れるには、最大の難関が待ち受けていた。



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