空の話
世界観の設定みたいな話です。
話ですらないかもです。
この世界には魔力が存在し、魔法は身近なものであった。
その根源たる魔力の源として挙げられるのが太陽、月、星。空に輝くものたちである。全ての魔法は輝くものたちから生まれるものであり、魔法とはこれらの力と名を借りて行使されるものである、というのが通説だ。
ある時、一人の人間が太陽と契約し、その力を我がものにした。その者は太陽の魔法使いと呼ばれた。空は翳りが多くなり、太陽の魔法使い以外の人々は、太陽の魔力を扱いにくく、恩恵は届きづらいものとなってしまった。やがて世界は太陽の魔法使いの支配下に置かれてゆき、太陽の魔法使いは月と星の力も手に入れて、世界を我がものにしようとした。
それを阻止したのが、月の魔法使いと星の魔法使いだった。
月の魔法使いは月を我が身に取り込んで月の魔力を操り、星の魔法使いは空に瞬く全ての星と契約して太陽と月と同等の力を手に入れた。
三人の魔法使いが熾烈な戦いを続けている間、空からは太陽も月も星も失われ、世界は暗黒に包まれた。
月と星の魔法使いは力を合わせて太陽の魔法使いを打破し、太陽の魔法使いと太陽との契約を破棄させて、太陽の恵みが再び世界に遍く届くようにした。人々は大いに感謝した。
しかし、月の魔法使いと星の魔法使いはそれぞれの契約を破棄できぬまま、姿を消した。
それから二百年、今も夜空に月と星が昇ることはない。
お読みいただきありがとうございました。
ちょっと伝わりにくい設定かもしれないです……。
太陽や月と契約することは、並みの人間にはできないし、できたとしてもやろうと思わないようなことです。みんなが電気を使っていて、独占されたら困ると分かっていてもいっぱい使いたいからって発電所ごと自分のものにしてしまう…みたいな感じでしょうか。ちょっと違うかも。
太陽と契約すると太陽の魔力だけでなく太陽の日照までコントロールできるので、みんなはめちゃくちゃ困りました。