悔しい!頂点に立ちたい!
執筆活動も15年近くやっていますと、いつの間にか焦りが生まれてきます。
最初は執筆が楽しくて、自分の頭で繰り広げられる物語が楽しくて文字にするのにワクワクし、それだけで幸せだったはずが、いつ頃でしょうか、謎の焦りを覚えるようになってしまったのです。
サイトに投稿し、読者や感想が増えていくと、自然と上を目指したい、頂点に君臨し、その景色を眺めてみたいという強い好奇心が生まれるようになりました。
1位を夢見ながら、何度も何度も挑戦しては坂から転がり落ちる日々。
自分はこのままでいいのだろうか?
他の年下の作者がどんどんデビューしているじゃないか。焦らないとダメだ。
いや、焦りは最大の敵だ。ゆっくり自分なりの作風を築き上げよう……
執筆をしていますと、色々な感情に飲み込まれそうになります。
素晴らしい作品を極めたい気持ちと、栄光を掴みたい自分。そんな自分に自己嫌悪し、否定する毎日が続いていくのです。
人気が欲しいという気持ちと、自分の作風を極めたい気持ち。プロ、素人に限らず創作をしている人間は多かれ少なかれ、このふたつの悩みを抱え、バランスをとることに苦労されていると思います。
妥協点といいますか、自分にとってちょうどよい立ち位置を見つけるのは本当に難しいものです。
何より、心の底から悔しさがこみあげてくるのです。
15年書いているのに、成長が見られない。作風も進歩があまりない。
他の作者を見返したい、悔しい。絶対に見返してやる!
どうも身体が小さいということが影響しているのか、私はものすごく負けん気が強く、プライドが高いです。
何度も自己否定し、自分には才能がないのだからと心に言ってなだめようとしますが、結局、自分の「才能がある」という根拠のない自信を否定できないのです。
ならば、自分より二回りほど上の実力者を見れば考えがかわるかといわれると、違うのです。
才能あふれる人を見ると、燃えるのです。
コイツには負けん。負けてたまるか。私が勝つ! 絶対に勝つ。今に見ていろ。
言葉にするとこんな感じですが、強烈な対抗意識が芽生えます。
書籍化やアニメ化をしている作者さんだけではなく、歴史に名を遺した文豪たちに対しても同じ感情を抱くのです。
悔しい、悔しい。自分も同じ土俵に立って、真っ向から戦ってみたい!
正確に描くと小説界の世界チャンピオンと戦い、気持ちの良い敗北がしたいのです。
それが私の夢ですが、いまのところなかなか叶いそうにもありません。
それでも、執筆をやめることはないでしょう。
大病になるか、パソコンが壊れるかしない限りは……書かないと気持ちが悪くなるのです。
ごはんを食べないと吐き気がして気持ち悪くなる時があると思いますが、あれと同じです。
なんやかんや言い訳をしながら、私はずっと書き続けるんだろうなぁと思っています。