ほめておばさん
「あたしのこと、ほめて。あたしのことほめて。」
出た出た。最近近所で評判のほめておばさんだ。
しかし、話には聞いたものの実際に目にするのは初めて。どこかうれしい自分がいた。
「いいですよ。よろこんで。まず、見た目がお美しい。声が透き通っている。それから・・・。」
僕は、とりあえず浮かんだことをスラスラといい始めた。いわゆるお世辞だが、それでもおばさんはうれしそうだった。
「うんうん。これくらいで結構よ。おばさん大満足。これ、あげる。」
おばさんは、小さな封筒をバッグから出して、僕に渡した。
中には千円札が一枚と、5円玉が1枚と1円玉が4枚入っている。
うれしいが、なんでこんな中途半端なお金が・・・?
読んでいただき、ありがとうございました。