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イチゴサイダー  作者: 南野 東風也
第二章
95/264

95.会遇期⑩ 模擬戦7

「何でそんな事わかるんだよ!」


エーコは笑い声で

「言わないよーだ!」って言ってきて、右だけグローブのボタンの様なものを押したんだ。僕は思った。

しまった!あの素手を守るグローブは


「ビスケットかっ!!!」

右のグローブが侵食される様に金属に覆われていき、ヤバめの拳というか、もはやハンマーを持った凶悪な女の子が目の前から直線的に走ってきた。

「アーク!!タイマーオン!!」「了解しました。」



あーマントで受けても吹っ飛ばされるビジョン!

や、硬化マントの性能テストだな!あえて受けて受け身で立て直せるか?

うん!ビジョン的には大丈夫だろう。こい!パワーを測定してやる!


僕は見たことないけど、かつてゲームセンターで置いてあったと言われてある『パニックブラストマン』と言われるパンチングマシーンの打たれる側の気持ちになってパワーを測定する為、硬化マントを起動した。


ちなみにスーハミに移植されてパンチングマシン的な要素は無くなり横スクロールアクションになったけど、ビット化されたブラストマンは見た目が結構ダサかった。



エーコちゃんの硬化した右ストレートはマントの中心僕のコアを真っ直ぐに狙ってくる!!

当たった瞬間、あ、やべー。ってなった、

フワッと浮いて数メートル飛ばされた気がした。頭を守ってゴロゴロ転がり受けた衝撃でむせる。


こいつはなんてパワーなんだ!もう受けたくない!

「ゲホッゲホッ!」


「女だからって甘く見た?」


「いや、ゲホッ。ごめん正直甘く見過ぎた玄白。ゲホッ。」

「あー面白くないんだけど。」だよね。


エーコちゃんはゴリ先よりパワーが強かった。

ゴリ先の本気を喰らった事はないけどね。


そろそろ遊んでないで戦うか!


木剣を構えると


「君も使いなよ。木剣。ビスケットでしょ?」と言われた。

僕は時間制限のあるビスケットを先に使った方が不利だもんな、と考えての発言だと判断した。

正直に言おうか

「そういう機能無いんすよ。ちょっと前まで〔しゃもじ〕だった。」と言うとエーコちゃんはお腹を押さえて


「しゃもじ!?あははは!!」

と笑われた。


くそー!!僕は反撃に出た。木剣の攻撃はパンチで躱され木が折れるかも?と思って次はキックを加えた攻撃をエーコちゃんのマントに入れた時、防御されて後ろにズサーっと滑って一旦離れたんだ。


そして彼女はこう言った。

()()()()()()()()()()()の木剣なのね。じゃあ実力的にあなたには勝てないわ。またね♪」


と言って引いてくれた。そそくさと帰って行くエーコちゃんを見て僕は、呟いた


「どういう事だ??」


取り残された僕は仲間の二人がツクモを撃退して戻ってきてくれるまで頭の上にハテナが浮いてるような気分だった。





「おつかり~っす。」竜二とヒカルが帰ってきてこっちの会話と状況を話すとヒカルは


「ツクモもビスケットを出さなかった。こっちが2人で互角だったんだよ?使えるなら出し惜しみしないでしょ?むしろ持ってない可能性の方が高いよね?


要するにうちのカガミ同様、武器らしい武器を持たせたくないくらい強いんだよ。あいつがカガミに勝てるかはわかんないけど体術で勝てる気がしなかった。」


竜二も「おお。デカいし早いし強い、棒を持ってるけどキックの軸に使ったり牽制に使ったりもするし基本行動は足技だった気がするな。あ、そうそう!!ゴリ先にはこの前まで『靴ベラ』使わされてたって言ってたぞ!スゲーな! 【しゃもじvs靴ベラ戦争!!】」


「誰得の映画なんだよ!見ねーよ!」このお題でヒット映画作ったらもはや天才脚本家だよ!


「とりあえずエーコちゃんのビスケットは一回使い切ったハズだからあと一回分あるか無いかじゃないかな?そう何個も持てないでしょ?いや~~そっちはそっちで大変だったんだねぇ~。」


「ゆるいなぁ。相変わらずだわカガミは。うらやましいぜ。」


「よっし!向こうの攻撃は凌いだ!相手のもう一人が気になるけど次こそ僕らのターンだよ!」ヒカルは次に攻撃を仕掛ける時間を決めて一旦休憩に入る提案をした。


「じゃ俺見張ってるわ!二人は寝てて!」

「竜二大丈夫か?まあ遠慮なく。寝よっと。」

「竜二ありがと!なんかあったらすぐ呼んでね!」

「はいは~い!あ、ヒカル、寝てるとこわりぃんだけどリンクライン持ってきたから索敵のリンクさせて~。」

「いいよ~。」

そう言って僕らは防衛を竜二に任して睡眠することにした。



深夜2時、時間的に考えて最後のちょっかいを出すことになった。スタミナ管理ができてる僕が足を運んだんだ。ハーフラインまで攻めて誰もいないから初めてその先に進んだ。ほとんどみんな睡眠をとっていたんだと思う。

そしたら向こうから待ってましたと言わんばかりの感じで出てきたのは棒を持ったツクモだった。


「よぉ!ドスコイ!メソメソしてた頃を考えると見違える程、成長した顔してるな!」

「あぁ。ツクモには感謝してる。」木剣を握るも攻撃されるビジョンが浮かばない。


ツクモはいつものように唐突に話し出した。

「ここで模擬戦の模擬戦するか!1対1でノーカウントの遊びだ。お前と戦いたい。」

「いやだね!メリットが無い。」

「んじゃ勝ち負けは無いから俺の()()()()をしてやるよ。面白いぜ!」


悩んだあげく僕は誘惑に負けた。だって面白いって自分でハードルあげたんだよ?


「わかった。3分だけだ!これによって勝敗は決めない事、リタイヤはしない・させない事。この条件だ。」

「OK!乗ると思ってたよ!」



やらなくてもいい戦いが今、幕を開ける!!やっぱツクモってめんどくせ~!

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