77.振返期② ぺったん
「ち、ちなみに・・・何で90点も頂けたのでしょうか?ネネ様。」
ネネちゃんは
え?違うの?って顔をして
「液体金属のビスケットと 【えっ期待】を掛けたんだよね??」
「・・・そうそう!!無回答はダメだもんね!」
2人にじーーっと見つめられる。流れる冷汗!
「すいません。偶然の産物でございます。」
2人に甘んじて叩かれましたとさ。その程度ならよけれるんだからね!!
「そもそもネネちゃん!液体金属のビスケットってどう言う意味なんだ??」
「僕も聞いてなかったんだけど。」竜二もヒカルもネネちゃんに質問したが、僕はお手つきで質問権は無かった。
「お兄ちゃんにも機密事項なんだから言うわけないじゃん!昨日許可貰ったんだよ!ツクモ副所長に。」
「ツクモ?」 ん?なんか聞いた事あるぞ。副所長?父さんの後釜か!?
「うん!津波の【津】に空の【雲】で津雲だよ。」
「津雲さんと言うと、以前、アティウスになる前の旧遺伝子研究所で京介さんの下で働いていた臨時職員の夫婦ですね。」とアークが言うと
「夫婦なの?ネネは男の人しか知らない。」とネネちゃんは返事した。
僕は、へ~会って見たいなぁ。父さんとどんな感じで仕事してたんだろうなぁ~って考えてたけど、同時に頭の片隅で茶髪の兄ちゃんの【ツクモ】って名前の知り合いを思い浮かべてて見かけはチャラい研究員なのかなぁとも思ってた。中身は良いやつだったんだけどね。
「どんな人なの?新しい所長さんは、あ、アティウスと統合したから副所長だっけ?」と竜二
「えっと、厳しい人だよ。自分にも部下にも。でね、ハイドラをすっごい毛嫌いしてる。京介さんと垂水さんの命を・・・奪われたからかな?」ネネちゃんは僕に気を使ってかややトーンを落として話してくれた。
「僕達の中でその人と会った事ある人いる??」と周りを見回しながらヒカルが聞くと
「いんや、名札見てるけどそんな珍しい名前の先生やスタッフさん見た事ないぞ。」竜二が答えた。
「僕もない。」多分竜二と同じ理由で僕も結構スタッフさんの名札見るもん。頭ぶつけて忘れてしまわない様にカワイイ看護師さんの名前なんかはクラウド管理したいね。
「おかしいわね。カガミ君のお父さんみたいに血縁関係者が誰かいる訳じゃないんだから、副所長の立場で研究対象と会わないとかあるのかなぁ? 私には優しいし、子供慣れしてそうだよ。マテリアル部門の新しく来た解析班の人たちも若いけど仲良くやってるように見えるし。」
「マテリアル=ホルン!!」突然声を出した僕に
「どうしたんだカガミ!急に!」ヒカルが心配する。
すると思いもよらぬ人物からまさかのツッコミが返って来た!
「マテリアル=ホルン。メイルと言う少女が主人公のゲーム【ほっぷる!】というアクションRPGに出てくるキャラクターの一人です。マテリアル自身はハゲおやじですが、主人公メイルはハイレグ姿で素足だったのでおそらくカガm>>>。」
声の持ち主は僕がゲームマニアに魔改造したアークだった。
僕は急いで音量を下げてアークをサイレントにしました。
続きはWEBで。
竜二が「あ!スーハミのあれね!カガミんちあったわ!!やった事ねーけど。アークの解説最後まで言わせてやれよ!」 解説は終わってたぞ!既に推察に入ってたよ!!
「僕も聞きたかったよ。」とヒカルめニヤけやがって。お前と感性が近い事はもう解ってんだかんな!
「・・・。」ネネちゃん一番なんだよ!そーゆ―所で一言も言わないのが一番傷つくんだよ!!
「あ、あの、あれだね、アークもたまには、や、休ませないとね。」
その時、だれも僕を信じてはくれない目をしてたんだ。
「マテリアルってのは材料とか素材だよ!解析班のマテリアル部門は物質の組成を解析したり再現できないか試行錯誤してる人達を言うの。
もともとアティウスメディカルセンターには国の遺伝子研究部隊しか入ってなかったから、ジルさんが津雲さんと話し合って解析できる人を国が手配してくれたの。」
「なるほど~。ネネ、その津雲さんに子供がいるか聞いてみてくれないか?もしかするとネネの言う血縁関係者が残りのイチゴサイダーでいるかもしれないし。」とヒカル。
その時僕は、僕の知ってるツクモは関係ないなと思った。
イチゴサイダーは僕らと同年齢だし、一緒に走ってるツクモは高校生だから、万が一関係あったとしてもイチゴサイダーの『兄ちゃん』って可能性はあり得るけど、イチゴサイダー本人では無いだろと思って少しほっとした。
今度 兄弟がいないか聞いてみよう。
「その線はありえるな。津雲さんかぁ、で結局ビスケットって何なんだ??」竜二が聞くと
ネネちゃんはメガネをクイッと上げ、楽しそうに説明しだした。
「【ビスケット】は、水銀をベースに、状態変化させたビスマスとニッケルとコバルトの合金なの!磁性が強いそれに電磁石装置で、ある一定の磁気を帯びさせると強固に結合して恐ろしいほど硬い金属になる。
あの日、エーセブンが長いモノサシみたいなプラスチックにトロトロ液体金属をかけたじゃない?その後プラスチックに付けてた装置が剣の柄であり、電磁石装置だったの。そこには刻印で【ビスケット】って書かれてたんだよ!」
「しかも解析したら、何でもないプラスチックにも剣として形が整うようにあらかじめ磁気が帯びてた。」
「ええ~~プラスチックにも磁性って持たせれるんだ!?」
「そうだよ?新聞読んで無いの?」無いよ!中学生だよ!?
ネネ様クラスだと普通の話なのね。
「凶悪なのにえらい可愛い名前だけどなんでなんだ??」と竜二。
僕は話途中で置いてかれそうだったんだけど。。。竜二!そこはわからないんだ!?
話聞いてたら名前の由来わかるでしょ!?その前に電磁石装置ってなんなのよ?
「たぶん金属の組成にちなんで付けられたんじゃないかな?【ビス】マス ニッ【ケ】ル コバル【ト】」ネネちゃんは要点をアクセントをつけて言い放った。
「「あぁ~。」」 「なるほどね!」ヒカルと竜二が納得。
僕も【モジぺったん】ってゲームで語呂合わせは得意な方だったからそれくらいはわかってたけどね!!
「あのぉ。電磁石装置って何?んで何でまた元通りに液体に戻ってたの?あの時確か、『硬化時間が切れた』ってネネちゃん言ってたけど。」僕は疑問を解消すべく質問させてもらった。
「電磁石知らないの?!硬化時間切れってのは意味わからないと思ったけど。」悲しい目で見ないで。
「ネネはあの時、その場で想像がついてたのか?」とヒカル
「まぁね♪」
周りを見渡すと竜二もヒカルも口を開けていて
進行形で得意げな顔でぺったんこなムネを張るネネちゃんにビビっていたのは、もはや僕だけでは無かった。




