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イチゴサイダー  作者: 南野 東風也
第二章
52/264

52.夏休期② 最大値

父さんの動画が再び動きだす。


僕が唯一担当したアルビノの子はイチゴサイダーの中で一番始めに生まれた。普通の子は2歳で2語文、 例えば【ママ だっこ】とかくらい話せるんだけど、


その子は約1年後には3語文 話せる賢さを持っていた。が、感情が明らかに少なかった。


一年半を過ぎた頃、研究の中間発表をその子の両親にした際、言うかどうか迷ったが、酷な事を告げる決心が出来た。


面談の日


 あなたのお子さんは感情が幾つかと、感覚が1つ、

色に関しては3色、音階も2つ聴こえない。他の同じ病気の子らも、同じ様な結果です。

あらゆる物事において、


【研究対象の子供達みんな、、、能力の最大値が5個しかない。】

「そんな、、、最大値、5・・・。」言葉を反芻(はんすう)するように復唱したお父さんは、下を向いて愕然としていた。


自分の言葉にして他人に聞かせた時、僕はカガミを思い出して悔しくて泣きそうになった。

目の前のアルビノの子のお父さんの顔が僕と同じ悔しそうな色にかわった時、




隣に座っていたアルビノの子は




「さいだー? いちご??」




と言ったんだ。


お父さんと僕は目を点にして顔を見合わせ、2人同時に笑ってしまった。出ていた涙はお互い笑い涙に変わった。


なんて。なんて子供は純粋で素晴らしいんだ。 カガミの笑顔が一瞬脳裏をよぎったよ。


なんでこんなシリアスな場面で僕たちを明るくしてくれるんだ!

君が【君自身が笑う感情も無いのに】。


そしてその子から笑いと勇気をもらった僕の口からは大言壮語が出てしまったんだ。


「最大値が5個でも、きっと君には()()()()が待ってる!T-SADって名前は今日で終わりだよ!!明るくてポップで希望に溢れた君達は今日から病名、いや、カテゴリーは【イチゴサイダー】だ!」



アークの声で「映像を終わります。」と告げられた。




母さんは少し涙の混じった笑顔で

「アーク。ありがとね。」と言うと、

AIのアークは

「みかんさん。イチゴサイダーは京介さんの()()()()()だったんですよ。 ではまた、いつでも私をお呼びください。」と、本当に機械か?と疑うくらいの対応を見せて終了した。









僕は開いた口が塞がらなかった。


竜二は感銘を受けたのか生き生きとした目に変わって

「カガミのとーちゃんすげーな!!」

佐井寺兄妹も

うんうん!って頷いてくれてて、誰もダジャレがスベッてるって言ってこなかったからようやく安堵したよ。





 ジルさんが

「なるほどそういう経緯で。」と納得してすぐ


ヒカルが

「でも人間の感覚ってそもそも5個じゃないの??」って言ってきた。とーちゃんにチャチャ入れやがってヒカルめ!それに対してジルさんは


「竜二君や他の子の様に一部特殊感覚を持った子らもいるから、今考えると京介の脳内では人間の潜在的な感覚は6か、それ以上なのかも知れないね。」

と言ったんだ。


OBK(オービーケー)が見れる第六感は存在するのか!?見たく無いから竜二担当な。


「天道さんありがとうございました。それにしても凄いですねインターネットタイプのI-AMSを個人でお持ちだなんて。」と佐井寺パパは言ってネネちゃんも首を縦にブンブン振っていたが母さんはお茶目に


「内緒ね♪」と言ってたよ。

僕も後でログインしてみよう【アークさん】に色んなことを手取り足取り教えてもらうんだ。女の人の声だったから想像するとドキドキするなぁ。あ、でもこれ母さんと共有しててアークさんが同一人物だった場合、最悪母さんにチクられるんじゃ?? なんてことを考えてたら

ジルさんはまた話し出した。


「そうそう、あと一点だけ、9月以降、お子さん方の学校が終わった後のお時間を、自衛の為に使わせていただくことは出来ますか?今回も狙いは私でしたが、ハイドラはいつイチゴサイダーの君達を見つけて狙ってくるかわかりません。


念の為、犯人のスマホは一度国外へ出してGPSで泳がせ、セキュリティが一番高いカナダの本部で預かってもらおうと思います。【エーセブン】と言う大人と、【セビエド】と呼ばれる子供を本部で確保したように見せかける予定です。」


僕はその名前を聞いて数時間前の事が現実に起こった事なんだと再確認してしまった。

竜二は

「ボディーガードじゃなくって俺たち自身がきたえるのかよ~。」

って言ってたけど今回の様な事があって自分自身がもっと強ければと思う節があったんだろう、見まわすと僕も含め4人の意思はおそらく一緒だった。


大人たちの会話が終わり、そこで解散となった。


家に帰ると母さんは


「もー危険な事して!中学生の一般的な危険レベル超えてるんだけど!!バツとしてカガミには何も言いません!」

と言われちゃった。やっぱまだ怒っていた。


「母さん心配かけてごめんなさい。」とだけ言うと、


「これからもっと心配かけるんだから今日のなんてかわいい方よ。」とお茶目に笑った。


夕ご飯を食べおわり、食器洗いも済んでソファーに向かう途中、母さんは僕用の【I-AMS】のQRコード付きカードを渡して来た。


「これは私のじゃないから、カガミに渡すわ。あ、18歳以上かどうか確認されるかも知れないんだっけ??」


「母さん勘弁してよ!この前の花園の話は忘れてケロ。これがアークと繋がるんだよね?」


「そうよ試しにログインしてみよっか?」


母さんに促されるままQRコードを読み込んで、パスワードを【イチゴサイダー】と入力し専用アプリをダウンロードする。


暫くして立ち上がり、生体認証を登録した後、アプリ画面から母さんと一緒のアークが話しかけてきた。

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