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イチゴサイダー  作者: 南野 東風也
第五章
202/264

202.衝突期② ファイル7

イノリさんの用意してくれた武器を見たアークは

「カガミさんまたです。ファイルの解凍準備がバックグラウンドで始まりました!」と言ったんだ。


出たな父さん!今回は武器関連か!!楽しみ!!


「ナイフはココノエがカガミ君の趣味と傾向を悩みに悩んで決めたの。」

ツクモいいセンスしてるぜ!って事は指輪が父さんからか!



すると「超圧縮データ セクタ別解凍準備完了。条件を満たしました。ファイル7再生しますか?」とアークが言ってきた。


〔もちろん!!〕


そしていつもの如く父さんの動画が始まった。


「カガミ!イノリさんか誰かがお前に協力してくれたようだな。

その設計図は父さんの世代じゃ作れない。今お前の年齢が何歳かわからないが

今からする話が理解に苦しむ場合は知識のある信用できる人と聞くことをお勧めする。まぁアークがいるなら大丈夫かな。ハハハ!」


僕はイノリさんをちらっと見てそのまま視聴することを選んだ。


「人間の脳は情報伝達の為に絶えず電気活動していることは知っているか?

脳の情報ネットワークは電気が通る神経細胞を通って情報をやり取りするんだけど


その神経細胞と神経細胞の()()()()()()()()()()()


理科の実験でやってるかもしれないけど電気が流れない場所があると電池と繋いでも豆電球は光らないよな?あ、今の時代、発光ダイオードが主流で豆電球じゃないからそうゆう授業ないかも。まぁいいや。


じゃあ電気が流れない部分があるのにどうやって情報を伝えるんだろう?


と思ったかな?そう思ったらここまでの話は理解できてる。」


イノリさんは軽く首を傾けて

「わかる??カガミ君」と聞いてくれた。僕はなんとなくだけどわかったから首を縦に振って続きを聞く為スマホに目をやる。


父さんの話が再開する。

「神経細胞とのつなぎ目、【シナプス】と呼ばれる部分が【神経伝達物質】と呼ばれる化学物質を放出して情報を伝達している。」


いや~ちょっとむずい。一瞬で知らない言葉が多すぎた玄白。


てへぺろ的な顔でイノリさんを見ると、そうよね〜って苦笑いの顔で簡単に説明してくれた。


まぁ要するに電気とは別にシナプスってとこから出るナニカで脳は情報をやり取りしてるようなそんなお話。


父さんは

「実はイチゴサイダーの全員にこのシナプスの()()()()が見られた。

まぁ異常と言ってるんだけど悪い意味じゃないよ。安心していい。


それを部下の垂水と目の当たりにして

「この子らは賢くなるんじゃないか?」と予測と期待をしたんだが、逆に

アティウスには報告するべきか悩んでしまった。

そうでなくてもホルモンによって状況に応じた薬剤が作れるイチゴサイダーの子らをアザレア教はもちろんの事、知識の向上を好むアティウス医療財団に晒されるようなことがあれば全員が狙われかねない。


結果、【イチゴサイダーは結構(けっこう)アホ】。そういう形で本部に提出した。やりすぎたかな(笑)」


恐ろしい事に父さんその報告・・・僕だけ適応されちゃってるんだけど・・・あわわ。



「設計図の話に戻そう。父さんの作りたいものはカガミにとって必要な物なのかわからない。ただ技術力があれば活用はできるかなと思って考えたんだ。


恐らく今、必死になって作っても大きさだけで結構邪魔になる装備。しかも大した能力もない。はっきり言ってそんなものいるか?っていう装備だけど、技術が絶え間なく進歩し続けていればかなり小さいサイズにまで縮小化できる。


目標は指輪サイズだ。


ロープレの指輪枠の装備って案外ピンポイントで必要になってくる事って多いよな?」


わかる!!わかるぜトーチャン!!!絶対に石化なんかしないって思ってても良い所で石化して戦況が崩れる事はRPGやSRPGで何度も教わったよ!!その時、石化耐性しかない指輪装備をつけて難を逃れた事も!!


「京介さんってたまによくわからないこと言うわよね?」とクエスチョンが浮かぶイノリさんを無視して動画の続きを見やる。


「1960年代。アポロ計画、つまり地球から月へ行く様に視野を大きく広く地球規模で考える人がいる中で逆に視野を小さくミクロのその先を見据えて電子機器を発展させようとする奴らが集まった。


まぁ結構昔だ、俺も生まれてない。そんな昔に半導体の集積率が1年半で2倍になると予測づけた奴がいた。俺はこいつが偶発的に自然発生した超先行視覚保持者だと睨んでいる。まぁそれは余談なんだが、


そいつの発したムーアの法則ってやつが正しいなら集積率が膨大になって高性能機器を果てしなく大きくして商業化するよりも簡単に多くの人が使える形、つまり小型化の技術革新も当然並行して進んでいるだろう。


カガミが大きくなってこの設計図通り1ナノ以下の微細な半導体技術が可能になれば装置を指輪サイズにして装備することが出来るんじゃないか?と思って考え付いたんだ。


色んな技術者に頼りまくってかなりトリッキーな発想が出来たと思う。自分で作ったモノじゃないが俺の仲間が作ったプレゼントだ受け取ってくれ。」



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