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イチゴサイダー  作者: 南野 東風也
第五章
201/264

201.衝突期① 2つの指輪

「カガミさん!!感謝いたしますわ!!早速準備して今すぐに!!」

と焦るリエに隣でため息を付いたイノリさんは、


「待ちなさいリエ。最速で行くにはヘリを出してもらわないと、まずザディウスに交渉しなさい。」


「たしかに・・・。そうですわね。」そう言いながらリエは部屋の奥にある通信機器か何かで教皇ザディウスに交渉しようと足早に離れていく。

イノリさんは再度


「カガミ君、本当に行くのね?」と僕の意思を確認してきた。


僕は首を縦に小さく動かしイノリさんを見つめた。さらに大きなため息をついたイノリさんは

「私がハイドラで兵器開発を担当しているのはなぜか知ってる??」


やっぱりイノリさんが武器開発をしているって言ってた気難しい日本人なんだ!!


「存じ上げません、教えていただけますでしょうか?」とアークはそう質問し返した。



「ほろびのうたのサバイバーとして超感覚は発現しなかったけど知能指数が飛躍的に上がった私は、

徐々にモノのひらめきや効率の良さを身をもって体感したの。

武器開発なんて日本でしたことも無いのに今のポジションにつく事ができたのは、京介さんの残したデータのおかげなの。」



え?父さん??



「通信用のリング。あなたはもう使ったかしら?」


あっ、〔はい、あれもイノリさんが??〕僕はスマホを持つ左手を見てこの前までこの腕に通信用のリングが付いていたなぁと思いながら文字入力をして返事した。


「ええ。あれの段階では通信がメインでまだ弱い超音波振動ぐらいしか武器要素は無いわ。


私が作ったモノは私のアイデアでは無く、実は京介さんの案なの、どこかでサンプルを見たり聞いてきたかの様なアイデアが次々と。」


「今でも、」

ここで一旦イノリさんは唾を飲み、


「IQが上昇した今でも、私は京介さんにあらゆる考えが勝てるかわからない。あなたのお父さんは末恐ろしい方だわ。


まだ作れていないものの一つが太陽エネルギーを高出力のビームに変えて発射する✕バスターと言うものなんだけど京介さんはそれを

『正式名称 MK-17 コックバスター』と言っていたわ。彼はもしかすると、私に知り合う前にどこかで先端技術で作られた兵器開発に携わっていたのかもしれない。」

と深く考え込みながら話す。


違うんだ!考えすぎだよ!イノリさん!!それはコックマンXのゲーム上の設定だよ!

「えっと・・・。」ほら!アークも恥ずかしくって返事できてないじゃん!!



イノリさんはそのままの神妙な面持ちで

「あ、リングの話ね、あれは腕輪サイズだったけど最近やっと指輪サイズの試作品が出来たの。これをスマホの背面に固定しておいてアークと常時接続していれば使いやすいと思うわ。」


おぉ~アークが短距離通信機器にアップグレードされたぞ!!!


「ありがとうございます!」とアーク。これでいちいち腕輪をスマホに当てなくてもいいんだね。


「それとカガミ君にはココノエから聞いていた武器を用意したわ。」


「ココノエさん!!ツクモ ココノエさんはご健在なんですよね!?」とアーク。


「えぇもちろん。日本でお友達になってくれてたのね。感謝してるわ。あの子、不器用な所があるから同年代のお友達が出来るか心配だったのよ。」


「いえツクモさんは私達と出会った時、強く活発で目標を持ったイケメンでしたよ!誰かさんと違って。」


口を一文字に締める僕。一言多くないですか?アークさん。


「あら、息子の事を褒められると嬉しいわ!でもカガミ君、あなたはあの天道 京介の息子よ。

頭脳的に進化した私がまだ届かないと思えるほどの天才。その一人息子なのよ!顔なんて気にしなくてもいいのよ!」


ブサメンは否定しないんですね。天才も遺伝してないと思うし。・・・OMG。


「そのお子さんが天才かどうかなんてわかんないけど、京介さんの自慢話を聞く限り、カガミ君は進化よりも大事な物をたくさん持ってる。私も何だかそう思うの。洗脳されたのかしら??」


「あ、それバカでも大丈夫よって意味でしょうか?」と左のイヤホンで僕にディスりを入れるアークがいた。まじでそういう意味なんすか??


目を細めて猜疑心一杯にイノリさんを見つめてしまった。

「アハハハ!!都合の悪い解釈をすぐ考えるのも京介さんにそっくりね!!彼は最悪のパターンを知ってすぐ最良のパターンに修正するのが得意だったのよ。」とイノリさんは笑ってくれた。


いや、疑ったのはアークのせいなんだけど。


イノリさんは持っていた「これを。」と言って僕にお道具箱より少し大きいくらいの大きさの木箱を渡して来た。


「開けてみて、京介さんが考えたあなたへのプレゼントよ。当時そんな技術も無いのに設計図を書いて後世で作れることを確信していた。ね?恐ろしいでしょ??」


僕もアークも言葉が出なかった。


そして期待して箱を開けた瞬間、目を奪われた。それは2つの色。


青色に発光するの2つの指輪に、真っ白なナイフ。

ナイフの持ち手部分には透明な空間があっていっそう軽く見える。


キレイだな。ただそれだけを感じた。


スマホを傾けアークにそれを見せて感想を貰う。

するとアークがまたもや








「カガミさんまたです。ファイルの解凍準備がバックグラウンドで始まりました!」


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