パーティーのノーツ
会話が多い……。文を入れるタイミングが分からん!
「うーん、ぱっと見変化はないけどなにが変わったんだろう?」
「メンテナンスとアップデートは違うからなぁ。どっちかって言うと不具合の修正の方がメインだと思うよ。」
ヲノとカミナはメンテナンス明けのWorld Notesに入ると、その内容を確認しようとする。本来であれば公式サイトやお知らせの欄に記載されるが、運営側の手付かずでその情報はまだ公開されていなかったのだ。
「まぁ可能性としてありそうなのは、難易度とかの修正か、判定の再チェックとかだと思うよ。周りのプレイヤーの反応だと私だけ飛び抜けてるから、運営側もおかしいって思ったんじゃないかな。」
「なるほど。でもカミナってゲーム界じゃ有名なんだよね?それだったら普通に流石ってなるんじゃないの?」
「さぁどうなんだろ。大会とかは出てるけど毎回1番ってわけじゃないし……。けど知ってる人は知ってるって感じじゃないかな。」
実際には過去に出場したとあるゲームのイベントでカミナの知名度は上がっていたが、本人は周囲を気にするタイプというわけではないためそれに気がつかなかった。
「でもまぁどっちにしても今はメンテナンス内容だよね。ヲノ、ちょっと確認したいことあるから草原行かない?」
「うん、いいけど……。そこで何か分かるの?」
「ちょっとね。」
それからヲノとカミナは草原へと向かい、様々なことを試す。ひとつは判定のチェック。手段としてはカミナが色々なタイミングでノーツの処理するというシンプルなものである。結果としては以前とは変化はなく、判定調整の可能性はなくなる。
「次はどうするの?」
「うーん、迷うなー!私的には判定が1番ありそうだったんだけど……。それともダンジョンの判定だけ調整されたのかな?でもそれだと分からないんだよなぁ……」
カミナは以前のダンジョン攻略では全てexcellent判定、最高の判定でクリアしている。そのためそれ以下の判定を知らないのである。かと言ってそれらの判定を経験しているヲノでは違いを理解するのは難しい。
「じゃあ周りのプレイヤーに聞くとかは?もしかしたら見つけてる人いるかもだし……」
「そうだねー。とりあえずテンザに聞いてそれで分からなかったらあとは……」
『ピロンッ』
「?」
「?」
メッセージの通知に2人は首を傾げる。
「なんだろう?」
「さぁ、とりあえず見てみよっか。」
2人はメッセージを確認するとそこにはこう書かれていた。
『親密度が上がりました。』
「親密度?ってなに?」
ゲームでは聞き慣れない言葉にヲノは疑問を持つ。一方でカミナの方は納得したような様子だった。
「なるほどなるほど……、親密度っていうのはまぁそのままだよ。私とヲノがフレンドになってから一緒にプレイしてる時間が長いから、仲良くなりましたよってこと。多分これが変更点だろうね!こんな機能なかったはずだし。」
「親密度が上がるとどうなるの?」
「基本的には何か特典があったりするよ。たとえばプレイヤー同士で制限されているものが解除されたり、親密度が高ければ協力プレイの時のポイントが上がったりとか!この場合は……、パーティーが組めるんだって!早速やってみよう!」
カミナはフレンド機能に増えたパーティーという機能を使い、ヲノを招待する。ヲノも迷わずパーティーへの加入を承認し、少人数パーティーが完成する。
「えっと次はパーティー名か。ヲノ、何がいい?」
「パーティー名……。うーん…、分からない。」
「まぁだよね。じゃあ"天の音"で!」
「天の…音……?」
「そう!なんかかっこよくない!?」
「うん、かっこいいはかっこいいけど……。そんな適当でいいの?」
「まぁ意外とそういうもんだよ。下手に考えすぎても仕方ないしね!」
「確かにそうかも。じゃあ"天の音“で行こう。」
「よし!パーティー"天の音"、結成!」
パーティーかぁ。ゲームのパーティーとかギルドとかっていいよね。