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World Notes〜ヲノ〜  作者: 水皮 天
20/28

新ルーキーのノーツ

今週平日投稿できなかった……


「乃亜ー、おはよ!」


「おはよー。」


「はぁ、今日から学校かぁ……。やだなぁ。」


 テスト明けの休日期間が終わり、乃亜たちの学校が再開する。


「けどまぁ今日はテスト返しだけだから。」


「何をおっしゃいますか乃亜さん。そのテスト返しが嫌なのでございますのよ……」


 今回のテストは真依のゲーム人生が賭かっていると言っても過言ではない。だからこそ真依はその結果が返ってくる今日が嫌なのだ。


「はぁ、どうかいい点でありますように!」


 真依は祈るように手を組むが、その結果はいい意味で真依の不安を裏切ることになった。

 テスト返しが終わったあと、乃亜は職員室に呼び出される。これはいつものことで、行われるのはテストの反省会のようなものである。どこが難しかったか、逆にどこが簡単だったかを生徒から感想を集めることで、よりテストの質を上げるための取り組みである。乃亜はその代表にもってこいの存在であるため、こうして呼び出されている。


「それじゃあ、失礼します。」


「ああ、時間を取らせたね。ありがとう。」


 乃亜は一礼し、ドアを閉める。外では真依がスマホゲームをしながら待っていた。


「お待たせ。」


「あっ、うん。お疲れさん!」


 真依はゲームを切り上げ、乃亜と一緒に家へ向かう。


「そういえば、乃亜はプレイスタイル決めたの?」


「うーん、まだ迷ってる。」


「まぁ最初はそうだよねー。私も今のプレイスタイルを決めるまでかなりかかったし。まっ、ゆっくり考えな!」


「うん。」


 そのまま普段通りの会話をしながら家に着く。


「じゃあまた向こうでね!」


「うん、また。」


 乃亜は家に入ると手洗いうがいを済ませ、すぐに自分の部屋に入る。そして学校で考えたプレイスタイルのアイデアを一度メモ帳にまとめてから、World Notesにログインする。


「やっと来たかヲノ。待ちわびたぞ。」


「あれ?ルイン?それにフリーネも。あとそちらは……?」


「色々とありましてね。カミナさんはまだのようですわね。」


「多分そろそろだと…、あっ来た。」


「あれ?みなさんお揃いで。ん?その子は?」


 ヲノもカミナも真っ先に気になったのはルインとフリーネが連れている1人の少女の姿のプレイヤーだった。


「ハヤメ……」


 そのプレイヤーは小さな声で名前を答える。


「あー、なんというかさっき声かけられたんじゃが……」


「前のイベントやダンジョンのリプレイを見て、リズムゲームを教えて欲しいということらしいですわ。」


「生憎我は教えることは苦手でな。その点カミナはヲノにも教えとるし適任だろうと。」


「なるほど。ハヤメ…だよね!私はカミナ。でそっちがヲノ。」


「よろしくね。」


「よろしく…お願いします……」


「でも教えるって言ってもなぁ。草原とかのノーツは処理できる?」


「はい……一応なんとか……」


「んー、じゃあ難しめのノーツってことかー。これもいろんなパターンがあるからなぁ。とりあえず一緒にダンジョンに行ってみよっか。」


「えっ……」


 ハヤメはダンジョンと聞き表情を暗くする。


「大丈夫大丈夫。どういう風にやってるかを確認するだけだから。気楽にね!」


「は、はい……」


 話をまとめ、5人は新しいダンジョンへと向かう。とは言えここはいわゆる初心者向けのダンジョンで、〈星密の教会〉や〈試練の迷宮〉のように難しいところは一切ない。


「じゃあ、いくよー。」


 ハヤメは無言で頷く。最初のヲノに比べると緊張は感じられないため、カミナはそのまま曲を開始する。

 ここのダンジョンは〈休泉の祠〉という名前で、ノーツの特徴は歩かなくても届くところにノーツが生成されるということだった。その代わりノーツの発生場所は毎回ランダムのため、覚えることはまず不可能である。とは言え、同時にノーツが複数生成されることもないため、始めたてのプレイヤーでも安定した記録を出すことができる。実際、ハヤメはフルコンではないが、それなりのHPを余らせてクリアした。


「んー、なるほど。惜しいところが多かったけど手を出すタイミングとかは合ってるから……。もっと自分に自信を持ってごらん?多分ハヤメは自分が思っている以上にリズムゲームができるはずだよ!」


「自信……」


「カミナ、自信って言われても難しいよ?私も逆の立場だったらそう思うし。」


「そっかぁ。うーん。じゃあ、ハヤメって今後も予定とかはないの?今日だけじゃなくて明日以降とかも。」


「うん……」


「じゃあこれからしばらくは一緒にプレイしよう!そうすれば技術的なものとかも教えられるし、苦手なところはすぐに答えてあげられるから!」


「確かにそれはありじゃな。」


「…いいの……?」


「うん!」


「ありがとう……」


 "天の音"は仮ではあるが、ハヤメを迎えて5人となる。そしてヲノとハヤメはお互い経験が浅いため、話も噛み合い、完全に打ち解けるまで数分もかからなかった。


こういう関係っていいよね……( ̄∇ ̄)

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