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World Notes〜ヲノ〜  作者: 水皮 天
18/28

装備のノーツ

うっかりしてました、すみません(>人<;)

 乃亜は目を覚ますとすぐにWorld Notesを起動する。


「おっ、入れた。メンテナンスはもう終わったのかな?」


 念のためヲノはメッセージリストを確認する。現在溜まっている未読メッセージの数は4つ。内2つはイベント関係のもので、残り2つはヲノにだけ届いた、【鏡対】の修正についてである。ヲノは最初にイベントに関するメッセージでイベント報酬を受け取る。本来ならパーティー部門のみの報酬であるが、初回イベントということもあり、個人部門上位10名には特別な報酬が渡された。


「あとはこれか。【鏡対】の修正内容。」


 ヲノは恐る恐る修正の詳細を確認する。その内容は、ヲノが想像していたよりも遥かに上を行った。


「【鏡対】の消去って……。流石にひどくない……?けど他のプレイヤーを考えると仕方ないのかなぁ……。とりあえずもう一件も確認してみよう。」


 落ち込みつつも、もう一件のメッセージを確認すると、そこには『【鏡対】消去のお詫び』と書かれていた。


「お詫び……?なんだろう。早速確認してみよう。」


 ヲノはお詫びを受け取り、早速使用する。その瞬間、ヲノの外見がガラッと変わる。雰囲気は和服に近く、ルインと似ているようにも思える。色は赤ベースで黒いラインが入っており、カッコいい感じの衣装になっている。


「おー、なんか派手……。これって装備…なのかな。」


 ヲノが確認するとそれは装備で、《和姫》という名前のものだった。


「けど装備って修復とかしなきゃいけないんだよね……?詳細は確か……」


 以前にカミナからもらったメモを思い出しながらヲノはパネルを操作する。そして装備の詳細を確認する。



装備:和姫

特性:永久耐久



「特性永久耐久?えっと効果は耐久値が無限……、無限!?」


「んー、なにが無限なのじゃ?」


「あっ、ルイン。それが……」


 ヲノは遅れてログインしてきたルインに事情を話す。


「なるほどの。急に見た目が変わったと思ったらそういうことじゃったか。ふむ、我と少し似ているの。まぁ我のは装備ではなく根本的な外見じゃから、全くの別物ではあるがな。」


「けどこれも特性は永久耐久みたいだけまから、衣装と変わらない気が……」


「いや、それはないじゃろ。恐らくじゃがヲノに持たせていいものを調整中なんじゃろ。何しろお主はデータが少ないからの。まぁここまで個人に集中させる運営は珍しいがな。」


「え?そうなの?」


 現に被害を受けているヲノはキョトンとする。


「なにせ今回のお主のパターンは目立つからの。それで個人に対策を専念すれば自然と周囲のプレイヤーからの評価も落ちる。何しろ元を言えば運営側がしっかり予測しておけばこうはならんかったからな。けどこれで放置というわけにもいかないのが難しいところじゃな。」


「なるほど。」


『ピロンッ』


「ん?なんか通知……。えっこれって?」


 ヲノはルインにメッセージの確認をとる。


「ふむ、《和姫》に特性【神楽】を付与しまた、か。その【神楽】とはどういう感じじゃ?」


「えっと、ノーツの自動処理…だって。どういうことだろう。」


「自動処理か。考えるのはいくつかあるが試すのが早かろう。ダンジョンにでも行ってみるか?」


「うん、そうしてみる。」


 ヲノとルインは〈星密の教会〉へと向かい、【神楽】の実験をする。


「ではゆくぞヲノ。」


「うん。」


 ルインが開始させると、ヲノは自分とは考えとは違う動きをする。その動きは今までの硬い動きのヲノとは違い、明らかに流れを持った動きになっている。


「こ、これどうなってるの?動こうとしてないのに自然と手足が動く!」


 ヲノは勝手に動く体に戸惑いつつも、それを楽しんでもいる。しかし、唐突にその動きは止まる。


「えっ、嘘。間に合わ……」


 ヲノが慌てて身を投げ出すとその勢いからは考えられない速度で、そのノーツに近づきコンボに繋ぐ。


「え?」


 思いもよらぬ出来事でヲノはフリーズする。そのため他のノーツは取り損なってしまい、ヲノのHPは0になる。ルインは今回はクリアが目的ではないため、続きをプレイすることなくリタイアし、ヲノが転移した街へと戻る。そこには、2人がダンジョンにいる間にログインしていたカミナとフリーネも一緒に待っていた。


「なるほど、そういうことがあったんだー。でも急加速があったてことは特定範囲内のってことになるのかな。」


「あとトラップノーツも処理するかが気になりますわね。」


「ん?もしかしてこれってトラップノーツにも反応するとしたら装備解除しなきゃいけないの?」


「んー、そうなるね。」


「まぁ前回みたいなイベントには有利かもしれぬな。持っておいて損はないじゃろ。」


「そうですわね。」


「けどあまりそれに頼りすぎないようにね!いざっていうとき困るから。」


「うん、気をつけるよ。」


 こうしてヲノはスキルと引き換えに、初の装備を獲得した。

この装備、実は………

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