トッププレイヤーのノーツ
いよいよ出てきます。作者がこういうこと言っちゃダメだろうけど現在この作品にいる中では一番好きなキャラ。その上にもう1人いますが…(^◇^;)
「おーい、ヲノー!」
「あっ、カミナー。」
数分もかからずに3人は合流する。
「で、そのプレイヤーは?」
「あそこで遊んでるけど……」
カミナとフリーネはヲノが指さす方向を見る。そこにいたのはやはりルインだった。
「ほう、カミナにフリーネ。フリーネの方は久しぶりじゃな。」
合流した3人に気づいたルインは、3人の元へ駆け寄る。
「えぇ。」
「ねぇカミナ、この人って……?」
「ヲノ、前に説明したすごいプレイヤーって覚えてる?」
「えっと、確かルインさん……?」
「そう。この人がそのルイン。」
「え、えー!?」
「なんじゃ、気づいておらんかったのか。」
「いや、だって前に……」
「うん、私もそう思ってたんだけどねぇ。で、どうしてルインがここにいるの?」
カミナはフレンドリストで名前を確認したときから抱いていた疑問をストレートにぶつける。
「どうしてもなにも、ゲームである以上、我がやらぬ理由はないぞ?お主らもそうではないか?」
その言葉にカミナとフリーネは呆気に取られる。ルインの桁外れな実力を目にしてきていたため、根本的なところを見落としていたのだ。彼女もまた、ひとりの純粋なゲーマーであることを。
「ときにカミナ、我からもひとつ尋ねたいのじゃが……。その子は誰じゃ?」
ルインはじっとヲノを見つめる。はっきり言ってヲノは、今の実力だけで見ればカミナが認めるほどではない。だからこそ、カミナやフリーネと一緒にいることが不思議に感じていた。
「あぁ、この子はヲノ。私のリア友で、今日で始めて1週間とちょっと。」
「よ、よろしくお願いします。」
「なんと!始めて1週間!」
今度は驚きを見せるルイン。今のヲノはカミナたちに比べれば圧倒的に劣るものの、同じ歴のものたちを並べれば右に出る者はいない。今でこそ上級者のカミナも、今のヲノの実力になるまでに1ヶ月ほどかかっている。
「ふむ。気に入った。オノと言ったな。フレンド登録をしておくぞ。」
ルインはカミナと全く同じ勘違いをし、フレンド登録に時間をかけた。
「まさかオノではなくヲノだったとはな。失礼した。」
「いえ、紛らわしいのにしたのは私ですし……」
「あぁそうだヲノ。我に敬語は不要だ。」
「あっ、私も敬語なしでいいですわよ。」
「いやでも……。」
「ヲノー、こういう場では敬語じゃない方が好印象になることもあるんだよー。」
基本的に真面目な性格のヲノは戸惑うが、カミナがアドバイスとして耳打ちする。
「じゃあ……、よろしく……。」
「ふむ、まだ固いがよいだろう。」
「あっそうじゃなくてパーティー!ルイン、私たちのパーティーに入ってくれない?」
「お主らのパーティーに?しかしこの3人が集まったら他との実力差がまずいことにならぬか?」
「それはそうなんだけど……、でも他にいい人いないんだよね。」
「カミナさんは結構人を選びますからね。」
「うん、確かに。」
「ふむ。たまにはこういうのもいいか。」
"天の音"はルインが加わり、完全に他を寄せ付けないパーティーとなる。
「とは言え、少しはここに慣れておかなければな。」
「じゃあこれからダンジョンにでも行く?」
「ほう、それは面白そうじゃの。」
「なんだかんだ私もあまりプレイはしてませんものね。賛成ですわ。」
「でもダンジョンってどこにするの?この前のところだと4人じゃ狭くない?」
「一応あの教会がいいかなー。今ならヲノも倒れることはまず無いだろうしね!」
「大丈夫かなぁ……」
トラウマとも呼べる〈星密の教会〉での出来事を思い出し、不安がこみ上げる。
「なに、どのくらいの難易度かは知らんが今はお主ひとりではない。それに固くなってると余計にできなくなるぞ?」
「まぁでも本当に今のヲノなら大丈夫だよ!ルインの言うとおり、今回は1人ではないし!」
「うん、そう…だよね。」
なんとか自分に自信を持たせたヲノは、3人と一緒に〈星密の教会〉へと向かう。
「なるほど、いかにもって感じじゃな。〈星密の教会〉か。」
「つまりはノーツが多い系ですかね。名前だけならですが。」
「まぁこの世界にしてはそこそこかな。」
「では腕試しに入ってみようかの。」
ここまで来るとヲノは会話が理解できなくなる。特にダンジョンの名前だけで特徴を捉える2人には、本当に自分が同じ場所にいていいのだろうかと考えさせらる程だった。だがこの後、ヲノは更にとんでもない光景を見せられることになる。
果たして実力はいかに……




