ログインのノーツ
正直今回のサブタイトルは適当。次回への繋ぎの話だからこれといったテーマがない!
「はぁ……、あと1日……。本当にピンチ……」
「そうですわね……」
「うん……」
"天の音"はイベント前日になっても人数は3人のままだった。このままではイベントに出ることができないため、全員に焦りが見られる。
「親密度も考えると遅くても今日の17時くらいまでには見つけないとなんだけど……。」
「あれ?フリーネさんはすぐに入ってたような……」
「あぁあれはゲーム機本体でフレンド登録しててその機能と連携してるから。専門用語でいうゲーマーフレンドね。」
「何気に長い付き合いですものね。」
カミナとフリーネの付き合いは、カミナが初めて出たゲームの大会からである。当時から有名だったルインというプレイヤーを除けばフリーネの実力は間違いなくトップと言えた。そこにひょっこりと現れ、フリーネに勝ったのがカミナである。それ以降、フリーネはカミナに対しライバル意識を持つようになり、カミナもフリーネにだけは絶対に負けたくないと思うようになったのだ。
「まぁそれはそうなんだけど……、実際に既に本体の方でフレンド登録してる相手でこの世界にいる人ってそういないからなぁ。」
『ピロンッ』
『ピロンッ』
カミナがボヤいていると、カミナとフリーネの元に通知が届く。
「えっと、なになに?ゲーマーフレンドのリストのプレイヤーがログインしました。あれ、フリーネのときは通知来なかったような……」
「多分私の方の設定ですわね。私の場合はゆっくりやりたいゲームもありますし、そのときは他の人とはパーティーとかフレンドとかは組まないので通知を送らないようにしてるのです。まぁ逆は来ますけどね。」
「あっ、なるほど。因みにプレイヤーは……」
カミナの言葉はそこで途切れる。一方でフリーネの方も真剣な表情で言葉を発しない。
「えっと、どうしたの?」
心配になったヲノは2人に声をかける。
「いや、これは……ねぇ……。どうする?フリーネ。」
「どうもこうもありませんわ。向かうしかないでしょうね。最初の街へ。」
「ヲノ、事情はあとで話すから急いで最初の街に行くよ!」
「う、うん。」
それから3人は駆け足で始まりの街へと向かう。
「えっと……、もういないかな……」
「どうでしょうね。あの人の行動は分かりませんから。ってあら?ヲノさんもいませんわよ?」
「えっ!?もしかしてはぐれた!?」
2人は慌てて辺りを見渡すがヲノの姿はない。フレンドリストから確認するとログインはしているため、メッセージを送る。
「これであとは返信待ちだけど……」
「肝心のルインさんはいませんでしたね。」
2人がここまで急いだ理由、それは先ほどの通知でログインを確認したプレイヤーはルインだったのである。ここまで人が集まらない状況であれば、ルインを知る2人が逃したくないのは言うまでもない。
『ピロンッ』
今度はカミナの方にだけ通知が鳴る。
「あっ、ヲノからだ。えっと、逸れちゃってごめん。今カミナとフリーネさんの知り合いっぽい人と一緒にいるんだけど草原まで来れる?だって。ん?それもしかして……」
「ルインさん…でしょうね、間違いなく。」
「急ごう!」
ヲノからメッセージを受けた2人は、また駆け足で草原へと向かう。
次回から本格的に登場します。




