始まりのノーツ
だいぶ遅くなりました、第二作。キャラ設定は一応前よりはしっかりしてるつもりです!前作同様、多少強引に感じる箇所はあるかもですが、気軽に読んで頂ければ幸いです!
「乃亜ー!」
1人の少女が勢いよく少女に駆け寄る。
「ねぇ!今日新作出るらしいからいつものところ寄ってもいい?」
「うん、いいよー。」
「ありがとう!」
親友である小村真依に声をかけられた少女、天坂乃亜は机に伏せていた体を起こす。そして机横にかかった鞄を手に持ち、教室を後にする。学校からの帰り道にとある店へと寄るのが2人の日課である。
「いらっしゃませー。」
「すみません!World Notesってありますか?」
真依は入るや否や、店長に目的のものの在庫を確認する。
「おー、運がいいね!ちょうど残り2つだよ。」
「あっ、プレイするのは私だけなので1つで大丈夫です。」
「おや?そっちの子はやらないのかい?」
「はい…ゲーム機も持ってませんし……」
「そうなのかー。うーん…なら!」
その店長は何かを考えつくと、店裏の倉庫へと向かった。そこから帰っきた店長の手には、新品のVRゴーグルが入ったケースがあった。
「はい、これ。」
「えっ。」
乃亜は突然差し出されたゲーム機とソフトに戸惑う。
「まぁ残り1つになるのも味気ないし、なによりもゲームは誰かとやった方が楽しいからね!」
「う、うーん……」
急な展開に、乃亜はますますどうすればいいか分からなくなってしまう。そんな彼女に、真依は誘いの言葉をかける。
「いいじゃん、乃亜。こんな機会滅多にないよ!確かに私も乃亜とやってみたいし!」
親友であり、幼馴染みである2人は随分と長い付き合いになる。しかし、共通する趣味というのは全くと言っていいほどない。例えば真依の方は、ゲームにおいて多くの大会で好成績を残している。一方乃亜の方はゲームに関しては無頓着である。
「でもお金もないし……」
乃亜がゲームをやらない理由のひとつは金銭的な問題である。学生にとってのゲームの出費はかなり痛いものである。ましてやVRゲームとなるとその額は更に跳ね上がる。だが、この後店長は驚愕の発言をする。
「あー、お金はいいよ。ちゃんと遊んでくれるならね。」
「えっ!?」
普段は落ち着いてる乃亜でも、その言葉には声を上げざるを得なかった。
「でも、それ大丈夫なんですか?色々と……」
さっきは勧めた真依も、疑問を抱く。
「本来ならやっぱりダメなんだけどねー。けど最近転売とかが流行ってるせいで、こっちも商品を出しづらいんだよね。このまま残しておいて転売されるんだったら、純粋に遊んでもらえそうな人に譲った方がゲームが好きで売る側としては気持ちがいいんだよ。」
店長の言葉で、迷いながらも乃亜は答えを決める。
「うーん…じゃあせっかくなのでいただきます。ただお金はちゃんと払います。やっぱりタダっていうのは悪いので……」
「あはは。しっかりしてるね!まぁ今すぐにじゃなくてもいいから。ゆっくり待ってるよ。」
「はい。ありがとうございます。」
少し戸惑いながらも、乃亜はゴーグルとソフトを受け取る。それから普通にソフトを購入した真依と一緒に店を出て、家へと向かう。
「細かい設定とかはさっき話した通りだから。あとは向こうで実際に教えるよ。」
「う、うん。ありがとう。」
乃亜は必要最低限の設定の方法だけ真依から教わり、家に帰る。それから夕食などを済ませると、すぐにゲーム機本体とソフトを取り出しセッティングを始める。
「えっと、ここをこうして…これでいいのかな?よし、起動。」
乃亜にとって初めてのゲーム。少しの不安と未知に対するワクワクを胸に、World Notesの世界へと潜り込む。
果たしてWorld Notesとはどのようなゲームなのか…