妹とのひと時
今回は、家族の登場でした
「ふぁーあ。」
いつもと変わりないはずの朝なんだが、今日はやけに清々しい
「これもやっぱり、もう茜に振り回されなくて済むからかな」
俺はそんなことを思った。
前は朝4時に起きて、茜の弁当を作って、茜の玄関 で茜を待つ。それで茜と一緒に学校に行かされ、 感謝も何もなく、それが当然だ。みたいな態度で、
「なんか、改めて振り返ると、茜中心の生活で、俺自身は自由がなかったな」
(よし、もう俺は茜に解放されたんだ。これからは、自分の好きに生きて行こう)
俺は、そう決意した。
「はぁー。でも、長年にわたって染み付いたものは抜けないな」
そうなのだ。実は、昨日幼馴染の茜に対して絶縁し た後は、すぐに部屋に入ってそれから寝てしまって、 今に至るわけなんなんだが、いつものように4時に起きてしまった。
「まぁ、いっか。早起きは三文の徳って言うし、茜の弁当とか、茜を起こしに行かなくて済む分、俺の弁当と、家族の弁当をいつもより豪華にしてあげよう」
と、笑みが自然に溢れてきた。
「そうと決まれば顔を洗って、朝ごはんの支度もするか!」
それから俺は、朝ごはんを作り、自分の弁当をいつにも増して丁寧に作った。
「ふぅー。我ながら盛り付け完璧だな。いやー、それにしても、いつもと同じ行動のはずなのにこんなにも心が軽くて楽しいのは、久々だな」
俺が、そんなことを思っていると、家族が起きてきた
「おはよう。母さん、父さん、明里」
「んー。おはよう。翔」
「ふぁーあ。おはよう。翔ちゃん」
「ん。おにぃ。おはよ」
と、上から順に、父さん、母さん、明里の順でいってきた
ちなみに、明里とは俺の妹で俺とは1歳離れており、今年俺と同じ高校で、1年生になる。
「あれ、おにぃ、今日は茜さん《あのクソアマ》
のところに行かなくていいの?」
と、明里が聞いてきた。
(うん?なんか、茜さんのところ別の意味混じってるような?)
「あ、あぁ。あいつとは、昨日絶縁して、もう幼馴染でもなんでもない。ただの他人になったんだ。」
俺がそう言うと、何故か明里は嬉しそうに(といっても、あまり表情が変わらないが、長年兄をしてきたから分かる)こう言ってきた。
「そうなんだ。……ついに、この時がきた。やっとあのわがまま最悪幼馴染からおにぃが解放された。もう、わたしだけのおにぃ。誰にも渡さない。」
「うん?最後らへん聞こえなかったんだけど、なんて言ったんだ?」
俺がそう聞くと、
「な、なんでもない。それより、絶縁したならわたしと、今日学校いっしょに、いこ?」
と、コテンと、首を傾けて、言った
(う、実の妹でも明里は、俺とは違って綺麗なんだよな)
そうなのだ。明里は綺麗だ。。髪は、肩くらいの長さで、目は、二重で切れ長の目をしている。
鼻筋も通っており、さらに、あまり表情も変わらないので、人形のように綺麗だ。
そんな妹が小首を傾げたのだ。これは、何が何でも叶えてあげたい!
「あぁ。一緒にたまには、行くか!」
そう言うと明里は、嬉しそうに滅多に見せない笑顔を向けた
そんなことを話していると、母さんたちが、
「翔ちゃん。大丈夫なの?なるべく早く仲直りしなさいよ。」
「そうだぞ。翔。たったひとりの幼馴染だろ。」
と言ってきた。だから俺は、
「父さん、母さん。俺は、もう仲直りする気はないよ。俺は、ずっと我慢してきたんだ。もう幼馴染に戻る気は、ない」
そう言った。
それを聞いて、父さん母さんは、「はぁー」とため息をついたがそれ以上何も言わなかった。
「それじゃあ、父さん母さん行ってきます。」
「行ってきます」
と言って、いつもより遅くに家を出た
「「行ってらっしゃい」」
という声を聞きながら、学校に向かった
☆ ☆ ☆
家を出てから少ししてから俺が、
「そういえば明里と学校行くのは、久しぶりだな」
と言うと、
「ん。いつも、おにぃ早く行くから一緒に行けなかった」
と言われた
(そうだよなぁー。茜を起こしてからすぐ家を出て、茜を待ってたから明里と一緒に行く機会なかったからなぁ)
と思っていると、
「だからこれからは、おにぃは、わたしと一緒に学校行く。」
と言われた
「あぁ、まぁ毎日は無理かもだけど、出来るだけいっしょに行こう。」
そう言うと明里は嬉しそうに、微笑んだ。
そうこう話していると学校に着いた。
「じゃあな。明里」
と、明里とは学年が違うので下駄箱で、別れなければいけないのでそう言うと、
「ん。帰りも、一緒帰ろ。」
と、言われたので、
「あぁ、いいぞ」
といってから、自分のクラスに向かった。
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