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ざんれんっ!  作者: 恋熊
1章 恋は突然に
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【プロローグ】恋はいつだって告白から始まる

 



 俺、姫島明継ひめじまあきつぐは学内でもちょっとした有名人だ。


 2年の同級生達が知っているのは勿論のこと、先輩にも後輩にも、些細な噂程度ではあるが名前が知られている。


 とはいえ、めちゃくちゃイケメンで学内1の人気者だとか、優れた才能があるとか、人望に厚いとか、そういう類の話ではない。


 むしろ、俺は後ろ指を指されるとか、近くにいたら遠ざけられるとか、そういう類の人間だ。


『で?いつまで“自称不良”を続けるの?』


 いつもやる気のなさ気な雰囲気を感じさせる友人の花房智紀はなぶさともきにはそんなことを聞かれたことがある。


 自称不良、なんて心外にも程がある。

 何故なら俺は正真正銘の不良だから。


『いやいや。こんな善良な生徒しかいない様なそこそこ頭も育ちもいい人ばかりが入る高校来といてなに言ってるの?』


 正真正銘の不良と返した時に智樹に言われた一言である。

 不良が頭が悪いと思わないでほしい。


『それに明継のやる不良っぽい行為ってアレでしょ?主にサボりでしょ?しかも学校には律儀に毎日来てるし、サボるって言いつつ学校からは出ずに鍵掛かってる屋上とか何か理由ないと休めない保健室には行かず、隠れられそうな場所で息を潜めてじっとしてるだけでしょ?』


 う、うるさいな!

 兎に角俺は不良なんだよ!


 というかなんで回想と会話してる感じになっちゃってるんだよ。

 回想は大人しくしてろ。


 まぁ、なんだ。

 つまり俺は周りから疎まれる様な不良なわけだが。


 そんな俺によくわからない事態が起きている。


「ずっとお慕いしていました。お付き合いを前提に友達になってください!」

「好きです死んでください」


 前者は緊張しながらも勇気を振り絞ったという面持ちで、後者はゴミを見る様な目でこちらを見る。


 正直意味がわからない。


 状況を整理しよう。



 俺は現在、2人の女性に告白された。

 意味のわからない言葉付きで。


 その2人は、実はある理由で俺が知っている女の子達だ。

 1人は一方的に。

 もう1人はお互いに。


 まず、俺は「お付き合いを前提に友達になって」と言った方を見る。


 身長は女性にしては少し高めくらいで、スラッとしたモデル体型だ。

 ……胸はないけど。

 色鮮やかな金髪は腰あたりまで伸びていて、オシャレなのか首元で黒い布で一纏めにしてある。

 顔立ちは整っている、なんてレベルじゃなくまるで芸術品でも見てるんじゃないかというレベルで完成された顔をした女の子。

 今も緊張と不安を浮かべながらも向ける笑顔は可愛いとかそういう次元を超えている。


 因みにこの感想は俺個人の感想ではなく、彼女とすれ違った街中の人10人に聞いたら10人共似た様な感想を漏らすくらいに、彼女の外見は完璧なのだ。

 ……胸を除いて。


 彼女、水戸藍莉みとあいりは俺と同じ学年の、言わば“学園のアイドル”だ。


 彼女の外見の美しさもさる事ながら、成績優秀、スポーツ万能、茶道華道なども完璧にこなし、誰とでも仲良くなれるコミュニケーション能力を持ち、常に誰に対しても配慮を欠かさない。

 彼女の評判はざっとこんなものだ。


 学内の人間に聞けば皆が皆、彼女のことを女神様の様に語る。

 好かれる要素こそあれど嫌われる要素なんてどこにもない、そんな女神様だからこそ、俺も彼女の噂は耳にしていたし彼女を遠目で見たことはあった。


 しかし彼女は俺のことなんて知らないはずだ。

 もし知っていたとしても不良として覚えられているはずだから好かれるとは思えないんだが……。


 とりあえず俺は水戸さんに声を掛ける。


「あの、水戸さん」

「はうっ……!」


 はう?

 はいじゃなくて?


 水戸さんは顔を覆ってふるふると震える。


「こ、こんな近くで生声が聞けるなんて……」


 何を言っているんだこいつは。

 いけない。

 心の中とはいえ思わず初対面の人をこいつ呼ばわりしてしまった。


 声を掛けただけで震え声で感動したっぽい発言をされて呆然としてしまった。


「水戸さん」

「は、はいっ!」


 もう1度声を掛けると、今度は緊張した面持ちで即座に気を付けの体勢を取る。

 どれだけ緊張してるんだよ。


 とりあえず俺は1番気になっていた事を質問する。


「どうして水戸さんは俺に告白を?」


 彼女ほどの美少女かつ有名人が俺を選ぶ理由がわからない。

 とりあえずは直球で聞いてみる。


「え、ええと……」


 水戸さんは恥ずかしそうに自分の人差し指を合わせる。


「以前、下校中にたまたまあきーーーーーーー姫島君をお見かけ致しました」


 丁寧な口調で語る水戸さん。


 というか今俺の名前言い直さなかった?

 別に俺は下の名前で呼ばれようが気にしないが。


「姫島君は雨の中傘も差さずに道端に座り込んでおりました」


 話を聞くと、どうやらうずくまってる先に猫か何かいて、優しくしてるみたいな話だろうか。

 なんか普段不良な奴が優しさを見せると惚れられるみたいな話だな。


「姫島君の目の前にはダンボールの中に入った猫がいらっしゃいました」


 やっぱり思った通りのーーーーん?なんか身に覚えがある話だ。

 まさか……。


「姫島君は猫に傘を差してあげるでも餌をあげるでもなく、ニヒルに笑い語りかけました。『お前も、1人か?』」

「やめろぉぉぉぉおおおおおおおお‼︎」


 思い出した!

 去年帰り道に猫を見かけたから突然そんな風に気取りたくなったんだ!

 今考えると猫を助けるでもなく語りかけるだけってめちゃくちゃ恥ずかしいから記憶の奥底に封印してたんだ!

 周りを見て誰もいないと確認したはずだったのに!


「そうしたら、ひょこっともう1匹後ろから出てきまして」

「やめて!お願いだからやめて!」


 そこを勘違いしてたのもめっちゃ恥ずかしかったんだから!

 すごくいたたまれなかったんだから!


「そうしたら姫島君はフッとニヒルに笑って『なんだ、2人か』って」

「やめて!お願いだからやめて下さい!」

「そして猫から離れたかと思えば、また猫の近くまで歩いて行ってまるで今猫に気付いたみたいに振り向いて」

「ぎゃあああやめてやめてやめて!」



「『ーーーーお前も、2人か?』って」



 死にたい!

 出来るだけ周りに人がいない所に行って穴に埋まりたい!

 なんだこの公開処刑!


 水戸さんはうっとりとした様子で呟く。




「めちゃくちゃ可愛くないですか?」




「どこが⁉︎」


 普通、こういうのは俺の魅力を教えてくれるところのはずなのになんで俺の黒歴史を熱弁されなきゃいけないんだ。

 拷問かよ。


 しかも隣のもう1人の告白した女の子が軽蔑した様な目で見てくるし。

 おい、お前も俺に告白したんだろうが。

 気持ちはわかるけども。


「それからというものの、ついつい姫島君の事を目で追ってしまう様になりまして」

「どうしてそうなった」


 話の前後って繋がってますか?


「寝ても覚めても姫島君の事ばかり考える様になりまして、そして遂には四六時中姫島君を視界に入れる様にしまして」

「ちょっと待て」

「それからはもうすごく沢山姫島君の可愛い姿を拝見出来る様になって姫島君の事しか考えられなくなってしまったんです!」

「だから待って!」


 今ストーカー宣言しなかった⁉︎


「明継きゅんはたまに授業を休むんですけど、その間別に保健室とか屋上とか外とか行くわけでもなく、体育館の倉庫とか見つかりにくい場所でうずくまってひたすら過ごすんです!その間つまらなそうにジッとしてる姿が惨めで可愛くて胸の奥にきゅんきゅん来てしまいまして!あとあと、下校中に誰もいない事を見計らって急に踊り出しまして!それが踊ったことのない完全な素人の動きなんですが、本人はドヤ顔で!すごくすごく愛らしいです!あとあと、授業中に居眠りをしてしまい、起きた時に寝惚けてたのか、目の前に来た先生をお母さんと呼んで!しかも男の先生なのに!はぁぁ明継きゅん可愛い……!」

「ぐがごごごご!」


 幸せそうに悶える水戸さんとは対照的に恥ずかしさの余り悶える俺。


 殺せ……!

 いっそ殺してくれ……!


 というか今の説明だと完全にストーカーだぞ。

 クラスも違うのに授業のことわかるなんて。

 というか心の中で“明継きゅん”呼ばわりしてたのかお前。


 なんということでしょう。


 学園1の完璧美少女が実は俺のストーカー。


 嬉しくない。

 全くもって嬉しくない事実だ。


「わ、わかった」

「わかって下さいますか!」


 俺が返事をすると水戸さんは嬉しそうに明るくなる。

 その仕草は可愛いんだがな……。


「水戸さんのヤバさは十分伝わったから、とりあえず置いておこう」

「ヤバさ⁉︎」


 水戸さんがショックを受ける。


 しかしとりあえず置いて、次は隣の女の子だ。


 肩あたりまでの髪はクセが効いていて波打っている。

 子供の頃からの天然で本人は正直コンプレックスらしいが、俺は全然似合っていると思っている。

 以前それを口にしたら1ヶ月ほど口を聞いてくれなくなったのを覚えている。

 気だるそうにした目はつり目がちで、表情は感情に乏しいため、初対面の相手は大体彼女のことを「気難しい人」だと勘違いする。

 実際は世話焼きで面倒見のいい奴だ。

 そして身長は女性の平均くらいであるものの肉付きが良く、特に胸は同学年の女子と比べはるかにたわわに実っている。

 中学の時、胸が大きくなり始めた時期にませたばかりの男子に「乳神様」というあだ名を付けられたが、その男子は数週間後には常に顔面蒼白でガタガタ震える様な奴になっていた。

 ちなみに俺の好みの太ももをしている。


「変態」

「俺の心を読むな」


 ゴミを見る様に蔑視されたため、俺は誤解を解くため弁明する。


「別にやましいことは一切考えていない。お前について考えてただけだ」

「太ももを凝視しながら考え事なんて最低」


 うん。弁明する余地がない。


 とりあえず弁明は後回しだ。


 彼女は秋津川美智あきつがわみさと

 俺の幼稚園からの幼馴染であり、隣の家に住むご近所さんだ。


 だから正直驚いている。

 彼女に告白されるとは夢にも思わなかった。

 だって彼女はーーーー。


「つぐの目は未来永劫抉り取るべき。これからのか弱い女子の貞操を守る為にも」

「俺のこれからの視力も守られるべきでは⁉︎」


 俺のことが死ぬほど嫌いだから。


 小さい頃からこの調子だ。


 俺が何かする度に蔑む様な目を向けてくるし、俺が何か話しかける度に嫌そうな目を向けてくる。

 そんな風でありながら俺から距離を取ったことは一度もなく、話も最後まで聞いてくれるところは世話焼きだなと感じている。


 ちなみに俺のことは『つぐ』と呼んでいる。


「そもそもお前の太ももがエロいのがいけない」

「……うわ」

「うわとか言うな。事実だ」

「事実だろうが他人の身体的特徴を貶すのは最低の行為」

「貶してないから!褒めてるから!」

「それで褒めているならつぐは真性の変態」

「いやいや、健全な男子高校生なら普通だよ!」


 とまぁ、いつもこんな感じである。


 置いてけぼりの水戸さんがキョトンとしているが、わざわざ説明する必要もないだろう。


「というか、なんで告白してきたんだよ」


 俺はとりあえず1番の疑問を訊いた。


 そもそも美智は俺のことが嫌いなはずだ。

 なのに告白してくるなんて、罰ゲームでも受けたんだろうか。


「……」


 中々言いづらそうにしている美智だったがやがて口を開いた。


「恋は惚れた方が負けだと言う」

「ほうほう」


 確かにそういう話は聞いたことがあるな。


「つぐに負けるのはしゃく

「つまりどういうこと⁉︎」


 今いきなり話が飛ばなかった⁉︎


 ええと。

 もう一度最初から考えよう。


 恋は惚れた方が負け→美智は俺に負けるのが嫌→俺を負けさせたい→俺を美智に惚れさせたい。


「つまり俺を性奴隷にしようと」

「死ね」


 ゴミを見る様な目で見られた。

 何が間違っていたと言うんだ。


 呆れた様な声で美智が答えてくれる。


「私はつぐが好き」

「……!」


 驚くべき事実だった。

 俺は正直、美智には嫌われていると思っていたから。


 別に俺は美智のことが嫌いではないが、美智が俺のことを嫌いだから苦手意識があった。

 でもまさか、美智が俺のことを好きだったなんて。

 まさかツンデレとかいうやつだろうか。


「しかしこんな残念男を好きになるのはかなり屈辱的」


 どうやらツンデレではない様だ。


「デリカシーはないわいつも不意に変な行動取るわスケベだわ肝心なところで挙動不審だわこだわりや観点がおかしいわで、いいところが一切ない」

「追い討ちやめろ」


 こいつは本当に俺のことが好きなのかってくらい貶してくる。

 俺だって傷付くんだぞ。


「憧れてるのか知らないけど不良を気取ってるし」

「気取ってない不良だ」

「そのくせ悪い事する度胸はない」

「う、うるさいな」

「え?そこは可愛いところではないですか?」


 いきなり水戸さんが口を挟んでくる。

 びっくりした。


「とにかく惚れる要素がない」


 美智は残念そうに俺を見る。

 そんな目で見んな。


「だけど好きになってしまった」

「なるほど……なるほど?」


 あれだけ貶しておいてどこに惚れる要素があったんだ?


 俺は懸命に頭を回す。


「つまり、嫌いなはずなのに理由もなく好きになってしまった、みたいな感じか?」

「その通り」


 こくりと美智が頷く。


「それがすっっっっごく癪だから、告白した」

「……自分だけ惚れてるのに、俺の方が呑気にしてるのがずるい、と?」

「そう」


 なんとなくわかってきた。

 つまり美智は、好きだから告白してきた、というよりも、俺のことが一方的に好きという事実が屈辱的だから、せめて両想いにして溜飲を下げたいと。


 なんというか理不尽だ。


「それで、どうでしょうか?」

「告白の返事」


 2人が同時に訊いてくる。


 ……どう、と言われても。


「告白を受け入れたら、付き合うということになるのか?」


 さっき変な言葉付いてたから念のため聞いてみる。


「はい。いずれはお付き合いさせていただきます」


 水戸さんが気持ち良い笑顔で答える。


「大変遺憾ながら。そういうことになる」


 美智がすごく苦々しい顔で答える。


 つまり、どちらかと付き合えばーーーーー。



 ・公式に俺へのストーカー行為が認められてエスカレートする。

 ・嫌いな奴のそばにいることでストレスMAXな美智に死よりも恐ろしい目に遭わされる。


 どっちに転んでも地獄しかないや。


「ちなみに断ったらーーーー」


 思わず口に出してしまった。


「仕方ありませんが、わたくしはおそばで見守り致します」


 水戸さんが気持ち良い笑顔で答える。


「……」


 美里が苦々しい顔で何も答えない。


 ……うん。つまり断った場合。


 ・断られたことによって俺へのストーカー行為がエスカレートする。

 ・嫌いな奴に告白を断られたことでストレスMAXな美智に死よりも恐ろしい目に遭わされる。


 どっちも同じじゃねえか!

 断ってもOKしても結局同じじゃねえか!


 どう答えても恐ろしい結末が待っている。


 どう答えればいいんだ。

 考えろ。

 考えるんだ。


 そして、考え抜いた結果ーーーーーーーー。




「結論、少し待ってもらっていい?」




 保留という、ヘタレな答えを出したのだった。




 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 明継は告白の返事をした後、すぐにその場から去ってしまった。

 とんだヘタレである。


 そしてしばらくしても、告白した側である2人は身動きが取れなかった。


 そしてお互いにお互いを見る。


「「…………」」


 2人共同じ人物に告白をしたのだ。

 気になるのは当然のことだ。


(たしか、秋津川さん……でしたか)


 藍莉は同学年の生徒の名前はクラスメイトでなくても覚えている。


(さっき……明継きゅんとすごく仲良くしてましたよね……)


 藍莉は先程の2人の言い合いを思い出す。

 藍莉には2人は息が合っていてとても仲が良さそうに見えた。


(それにあのスタイル……)


 美智の体型は太っているわけではなく肉付きがいい。

 特に胸などは藍莉よりも遥かに大きい。


「くぅっ……!」


 思わず声が漏れる。


 先程、実際に美智が明継をメロメロにした(?)瞬間を目撃しているため、藍莉としては自分の方が勝っているなどとは到底思えない。



 一方で。


 美智はマジマジと藍莉を見る。


(まさかつぐが告白されるなんて……)


 自分もしてるだろう、と突っ込まれそうではあるが、美智としては明継に魅力を感じる様な女性などいないと思っていたし、ましてや告白をする女性など自分以外にいるはずがないと考えていた。


(しかもそれが水戸さんなんて……)


 水戸藍莉の顔と名前は当然美智も知っている。

 彼女はそれくらい学園で有名だしこの街内でも有名な美少女なのだ。

 告白されるなんてことは当たり前で、彼女の場合はむしろ水戸藍莉のファンクラブが藍莉を気遣い告白に制限を設けているという噂があるくらいだ。

 ちなみに藍莉はファンクラブがあることも知らない。


(つぐもデレデレしてた)


 戸惑いなどの感情も確かに見られた。

 途中からは困った様な顔もしていた。


 しかし美智から見れば、明継は藍莉に告白されてまんざらでもなさそうにしていた。

 自分の時とは違って。


 それを思い出すとムカムカとしてくる。


 しかし自分には藍莉と違い内面的にも外見的にも女性的魅力がないのは事実 (と美智は思い込んでいる)。


「はぁ……」


 美里は相手との絶望的な戦力差に戦意を喪失してしまう。



 お互いがお互いを見て思う。


かないそうにありません……。どうしてこの様な方とお慕いする方が被ったのでしょう……)

かないそうにない……。どうしてこんな人と好きな人が被ったんだろう……)



「「はぁ……」」


 2人は同時にため息を吐く。


 しかし2人は同時に思う。



(しかし、あんなにもひどく罵って嫌いと告げた方に告白するなんて、かなり特殊な性癖の方ですね……)

(しかし、尾行とかまでした上にあそこまで細かく見て興奮気味に好きな人の行動をつぶさに観察して語るなんて、かなりヤバい人だな……)


 どっちもどっちである。






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