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第14話:勝ち取った平和・Ⅱ

「戦いは終わった!!」


バーには、レジスタンスの参加メンバー全員が集まり、ちょっと手狭になっている。

今演説してるアンダリスさんの姿は、私の身長では見えない。


「支配された時期そのものはあまり長くはないが、それでも我々が受けた損害は大きかった!だが、それも今日で終わる!明日からは、また平和なストラド自治区が戻ってくるのだ!」


アンダリスさんの演説の度に、辺りの人たちが湧きたち、樽製のビールジョッキを高く掲げる。

一応、私もオレンジジュースが入っているグラスを掲げはするが、高さは足りない。

多分、オレンジジュース。味も色もオレンジだし。


私は一応、年齢的には成人してるけど、体は中学生レベルなのでノンアルコール。

まあ、この世界にお酒は20から、なんてルールがあるのかは知らないけどね。


あれ、マリナさんも持ってるの、ブドウジュースかな?


「マリナさんも、ビールとかじゃ無いんですね」

「ええ、聖職者として、一応、ね」


クスリと笑うマリナさん。

やっぱりシスターはお酒禁止とか、あるのかな?


「この支配と、戦いの為に散って行った民や、同胞達に恥じぬよう、この自治区をより相応しいものにしていく必要がある!それは当然、俺らレジスタンスのみならず、自治区に住む全ての人々と手を取り合っていかなくてはならない」


ヴェルス侯爵を倒し、この地を解放した。

私とマリナさんのやるべきことはこれで終わりだけれど、他に皆にとっては、寧ろこれからがスタートなんだなぁ、と思わされる。


「だが、今はこの勝利に酔いしれようではないか。我々の手によって掴み取った勝利、今後の士気の為にも今日は思いっきり盛り上がるぞ!!」


「「「おぉーーーー!!」」」


今日一大きな声が響く。

私が放つ雷と比べればまだマシだけど。


「ま、あの支配下で用意できた食材なんてたかが知れているが我慢してくれ!では、乾杯!!」


「「「乾杯!!!」」」


宴会が始まった。

皆、誰彼構わず身近にいた人とジョッキをぶつけ合う。

全員、名前は知らずともこの作戦を戦い抜いた仲間だし、絆で結ばれてるんだろうね。

実際、私もマリナさんも知らないレジスタンスの人と乾杯したし。

グラスが割れないように慎重にね。

そうして乾杯を交わし、マリナさんと一緒に会場をウロウロしていると、


「ああ、ユイさん達ここに居たんですね」


と、個人皿に山盛りの肉を持ったレイル君と、ほどほどな量のレウン君がやって来る。

手には、樽型のビールジョッキ


「乾杯しようぜ」


とジョッキを差し出してくる。


「あの・・・レイル君達はビール、良いの?」

「あ?ああ、別に酔いに弱くは無いしな」

「そ、そうなんだ」

「ユイさんはジュースか・・・酒、弱い方か?」

「え?あ、いやぁ・・・まあ、そんなところ、かな・・・?」


これ、お酒は20歳からのルール無いね?


そう思いながらレイル君やレウン君と乾杯していたら、後ろからマリナさんがポンポンと肩を叩いてくる。

振り向いたら、こっそりと耳打ちしてきた。


「因みにオルケス王国ではお酒は20からよ。でも、ここは違うようね」


ストラド自治区!?

それ本当に良いの!?


ま、まぁ、文化の違いに口を出すのは今更野暮だし、私は私で楽しもう。

ちょっとお腹も空いてるし、お料理を食べよう。


テーブルには、この戦勝会の為にこしらえられた様々な料理が並んでいる。

何の料理なのかはよくわからないので、マリナさんに聞きながら選ぶ。


「これは角牛の漬け煮ね。柔らかく煮てあるし、味も染みてて美味しいこの辺りの郷土料理よ」


「こっちは・・・カワアユの塩焼きかしら。ほら、ここに来るときにユイちゃんと捕ったやつね」


「これは猪の蛮族焼き。多分、ユイちゃんには硬くて食べにくいと思うわ」


「あら、アウフ鶏のスライム蒸し。珍しい料理もあるのね」



「なんか肉多くないですか!?」


テーブル見た限り、茶色率高い!!

もっとこう・・・サッパリしたものは無いのかな?


「支配環境の元だと、あんまり備蓄も出来ないしどうしても野生で棲息してる生き物を狩って調達することが多くなるのは、仕方ないわよね・・・」

「あぁー・・・そうですか・・・」


確かに、町をフラっと見た時にあった畑は、植えられてる野菜もだいぶ少なかった気がする。

御馳走は難しいのかもね。


「そっかー、お寿司とかあったらよかったんだどな」

「お寿司って?」


え?あぁ、お寿司って料理そのものが無いのかな。


「えっとですね・・・お寿司っていうのは、生魚の切り身を酢飯の上に載せて握って、醤油をつけて食べる・・・」

「今寿司って言ったか!?」


マリナさんに、多分上手く伝わってはいない説明をしていると、背後から威勢のいい声が響く。

振り向くと、アリッサさんが歩いて来る。

左腕には厳重に包帯が巻かれ、右腕には他の誰よりも大きいジョッキが握られていて、

酔った人特有の左右に揺れる動きで近寄って来る。

なんかすごい光景だ・・・


「え、ええ言いましたけど・・・」

「そうか、アタシ以外にもスシ知ってる奴が居たか!!」


アリッサさんはジョッキの中身を一気飲みして、ジョッキをテーブルに置いてから、私の視線に合わせてしゃがみ込んだ。

頭の高さが近くなったせいで、ダイレクトにアルコールの臭いが刺さる。


「って事はアンタ、ガカクの生まれだったりする?」

「が、ガカク・・・?」

「オルケス王国より遥か東、東方と呼ばれる地にある小国よ」

「い、いえ・・・違いますけど・・・」


マリナさんが補足を入れてはくれたものの、聞き覚えは無い。

お寿司は日本、元の世界の知識だし・・・

でも、アリッサさんの様子を見る限り、どうもこっちの世界にも寿司はあるっぽい。


「ふぅん、そっか。でも、寿司を知ってるってのは嬉しいねぇ」

「アリッサさんは、好きなネタとか、あるんですか?」

「アタシか?あたしは専ら鮪ばっか食ってたな。あぁ懐かしいな・・・親父は醤油を付けないで食うのが通!とか言ってたっけ。普通に付けた方が旨いと思うけどなぁ」


話が合う!

って事は、名前だけ同じの別の料理って訳でも無さそう!


「私はタコが好きでしたね」

「タコ?」


と思ってたら、急にアリッサさんの目が冷めた目になる。


「そ、そうか・・・レイフィールさん、タコ、好きな派なんだな・・・意外だな・・・」

「え?・・・いや、タコ・・・美味しいじゃないですか・・・え?」

「ああいや、否定してる訳じゃないからね?そう言う人も居るってのは知ってるから」

「・・・ちょっと、待って!なんか誤解が生まれてる気がする!!」


私が思ってるタコと、アリッサさんが思ってるタコ、なんか違う物の可能性があるよ!!


「ユイちゃん、タコ好きだったのね・・・うん。いつか用意してあげようかしら」

「マリナさんまで!?」


なんか致命的な思い違いが生まれてそう!!

この世界のタコ、どんな生き物なの!?


ただ、誤解を解こうにも元の世界のタコも、

"八本の触手があって、ウネウネしながら泳いだり物掴んだりする海の生き物"なんて説明したら絶対に気持ち悪がられるしなぁ。

それを補ってあまりある美味しさではあるんだけど・・・



とりあえず蛸の事は置いておいて、この場を楽しもう。

マリナさんは、

「ちょっとアンダリスさんと今後の事について話してくるから」

と消えて行ってしまったので、今はレイル君とレウン君と一緒に行動している。


「なんかさ、実感ないんだよなぁ」


席につき、各々取り分けた食べ物を食べていた時、レイル君が呟く。


「実感?」

「そ、この自治区を救って解放したっていうさ」

「今こうしてワイワイ出来てるのが一番の証拠じゃないの?」


もう外は暗く、昨日までは消灯令によって、宴会どころか明かりをつける事すら禁止されていた。

外を見ると、自治区は解放されたという情報が広まりつつあるのか、ぽつぽつと明かりのついた家がいくつか見える。


「そうなんだけどな・・・うーん、なんつったらいいんだろうな・・・」

「平和感が足りない?」

「そうじゃ無くて・・・あれだ、俺らがそんな大層な事成し遂げちまったって言う実感がまだないんだよなぁ」

「それはなんか分かるかも」


まだ気持ちがふわふわしてる。

あの光景は記憶に刻み込まれてはいるけれど、それはそれとして現実味があんまりない。

私なんかがあんなこと出来ちゃってよかったのかな?みたいな気分は無い訳じゃない。


「まぁさ、あの作戦はほとんどユイさんの魔力と結束の剣の力だったような気はするけどさ」

「そんなこと無いと思うけど」


実際、レイル君が要所要所で決めてくれたおかげで上手く作戦を持って行けた場面はいっぱいあったと思う。

化け物の隙作りとか、大樹に火を付けたりとかね。


それを言うなら、私だって戦略も何もなくただ魔力ぶっ放し係にしかなってないしね。

棒立ちで大量の魔力を使い続ける私を、他の皆がサポートする。

そういう作戦が延々続いてた記憶しかない。


「僕だって、最後以外は足手まといだったし・・・」

「私も、戦いっぽい戦いは全然できてないし・・・」


3人でテーブルを囲みつつ、ネガティブな事を吐いてから、


「「「やっぱりマリナさんか・・・」」」


と、共通の結論に至る。


「あの人が上手く俺らを繋いでくれてたな。うん」

「だよね、やっぱりマリナさんの活躍だよねアレ」


子供3人、大人の能力の高さに脱帽している。

あれだよね、周りに気を配るって事が出来ないよね。ああいう緊急事態みたいな状態だと。

ジュースを飲みながら、テーブルに合った煎り豆・・・多分これ、節分で食べる奴だと思うんだけど・・・

と食べてると、


「・・・んじゃあ、俺たちはレジスタンスの人に挨拶に行ってくるから」


と、レイル君とレウン君が二人でどこかに行ってしまった。

私一人になっちゃった。

急に心細くなるなあ・・・


むき出しのお腹が急に冷えていく錯覚がする。

もしかしたら飲んだジュースで実際に冷えてるのかもだけど。


なんか不安になって辺りをキョロキョロしていると、


「ああ、ユイ・リクエ・レイフィールさん、ここに居ましたか」


座っていた席に、ベルさんとアルさんがやって来て、さっきまでレイル君とレウン君が座っていた場所に座る。


「今回の作戦、本当にお疲れ様でした」

「あ、えっと、はい。アルさんとベルさんも、お疲れさまでした」


アルさんとベルさんは、以前のスパイみたいなピッタリしていた服では無く、

町の人たちも着ているような、シンプルで柔らかい、ゆったり目の服装をしている。

どちらも、上はポンチョのようなもので下はパンツルックなので、相変わらずどっちがどっちなのかはよくわからないけど・・・


「この地域を解放できたのは、お二人の功績が非常に大きいでしょう」

「重ね重ね、お礼申し上げます」

「い、いや、その・・・そこまで改めて貰わなくても・・・」


ザ・真面目、ザ・丁寧、な言い回しにたじろいでしまう。

この二人も、大きさ的に多分私たちと同年代の筈だけど、やけに大人びている。

諜報が得意とか言ってたし、もうすでに精神は大人なのかなぁ


さっきまで、子供が故の判断力がどうとか話してた私にとっては大変恥ずかしくなるばかり。

真面目、とまでは行かないまでも落ち着いた雰囲気になってしまって、チビチビとジュースを飲んでいると、二人のどっちかが聞いてくる。


「じつは、ユイ・レイフィール様に一つお聞きしたい事があるのですが・・・」

「はっ、はい」

「貴女様のお体からは今も、凄まじいエーテルがとめどなく溢れています。一体、これはどういう事なのでしょうか」

「見えてたんだ・・・」

「はい。バッチリと」


ごもっともな質問だった。

私自身は全然確認は出来ないんだけど、見える人曰くあまりに強力魔力の生成量に体が貯めこみ切れず、全身からバンバン垂れ流しになっているのが私の魔力らしい。

見える人から見ると、どういう姿に映ってるんだろう・・・


「失礼な言い方になってしまうのですが、その量はあまりにも多すぎると・・・」

「どうも私、感応器が暴走してて常にとんでもない量のエーテルを作ってるらしいんです」


むこうの丁寧な言い回しに、こちらも丁寧語になってしまう。


「暴走、ですか」

「はい、それで、体の許容量を超えた魔力が常に垂れ流しになっている、という訳です」

「なるほど、状況は把握いたしました。ありがとうございます」

「あ、いや。どういたしまして・・・?」


並んで深々と礼をする二人に、どうしていいか分からない私。

生徒会である程度活動してたけど、こういう生徒は居なかったなぁ!


「魔力の暴走・・・戦闘火力としては非常に大きな要素になりますが、恐らくデメリットも多いと推測されます」

「そ、そうですね・・・魔導具は一つ残らず暴走させるので基本は使えませんし・・・」


苦笑いして、笑い話のように話してみたら、いつもあまり表情を崩さない二人が、凄い勢いで目を丸くする。


「魔導具を?」

「それは・・・生活に支障をきたすレベルでは・・・」


「は、はい・・・そ、そうですね・・・」


やっぱこれ笑い話じゃないね。


「で、でも、今はマリナさんが色々やってくれるので生活はなんとかなってますよ?」


お風呂とかね。

・・・最近入れてないけど。

トイレは私が水属性使えるのが幸いして自分で何とか出来てる。


「あぁ、シスター・マリナですか。あの方と出会えたのは幸運でしたね」

「ですね。マリナさんと出会えてなかったら私は今頃・・・」


どうしていただろう?

死んでた?いやいや、流石にそこまでは・・・とも言いきれない。この魔力の暴走に適応できず蒸し死んでたかもしれない。


「ええ、保護者としてもそうですが、聖堂教会という立場が大きな役割を果たしていると推測します」

「それは一体・・・?」


少し気になるので、ちょっと話題に耳を立てる。

すると、アルさんとベルさんは、あまり表情を変えずとも分かる真剣なムードで話し出した・


「貴方の魔力の暴走は、我々のように見る人が見れば一発で分かるほど異常な物です」

「その力は戦術的価値は非常に高いです。恐らく並の一個騎士団以上の力を持つでしょう」

「そ、そんな程は・・・」

「あまり謙遜しないでください。貴方には実際に人の命を犠牲に放つ禁忌魔法を単身で扱えるほどの力があるのです」

「っ」


・・・人の命を犠牲に放つ・・・

思い出すのは当然結束の剣。

あれだって、本来は人の命を吸い尽くして圧倒的力を発揮する曰く付きの剣だった。

そしてそれを、私は私一人の魔力で全てを補ってしまった。

つまりは、そう言う事なんだろう。


「たった一人で、戦術も犠牲もなく盤面をひっくり返し得る力を持つ個人。それがどう言う事か分かりますか?」

「え、えっと、どういう事なんでしょう・・・」

「誘拐、あるいは抹殺のターゲットに非常になりやすいという事です」

「なっ・・・」


思わず固まってしまう。

誘拐?抹殺?

それは、ファンタジーの話?映画の話?

勿論、今ここで行われている、現実の話だろう。


「オルケス王国以外の国々にしてみれば、貴方という存在は非常に恐ろしい存在です」

「と同時に、その切り札を排除あるいは味方につけることが出来れば大きなアドバンテージになるでしょう」

「な、なるほど・・・そう言う事ですか」


少し前に、私の魔力はまるで兵器だ、みたいな事を思ったけれどあながち間違いではないのかもしれない。


「そういう意味では貴方の存在は非常に危うい訳ですが、そこをシスター・マリナが補っています」

「そうなんですか?」

「はい。聖堂教会は、この世界の最大派閥の宗教です。しかもビショップ級はその聖堂教会の序列5番目。知名度としてはあまりある物でしょう」

「そんな大きな力を持つシスターの直接の庇護下にある人間を襲おうと思う人間など、多くはありません」

「貴方の出生は分かりませんし、あえて問うような事もしませんが、シスター・マリナと出会ったのはそういう意味では正解だったでしょう」

「そうだったんですか・・・」


聖堂教会、ビショップ級。

それがどういうものかは分からないけれど、大きな影響力を持つ立場である事はハッキリと分かる。

そして、私が知らず知らずのうちに、その立場によって守られていたことも。


「ですがお気を付けを。いつまでもシスター・マリナの庇護下であり続けられるとは限りませんから」

「あ・・・そっか・・・」


そうだよね。

こういう、親子みたいな関係が永遠に続くとは限らない。

っていうか、マリナさんにはマリナさんの事情があるから、元の世界に帰るっていう私の目標に付き合わせ続けるわけにも行かないし、

ひっそりと計画してる、リズちゃん復活計画に至っては聖堂教会への敵対行為なので、この計画が進んで来たら多分、独立は必須だろうし。


「何にせよその溢れる魔力。新天地に赴く際は自衛手段を考えるか、悟られないようにするか、考えておいた方が無難かと思われます」

「あまりこういった場で話す内容では無かったかと思いますが、貴方の身を案ずるが故、と思い下さい」

「そ、それは分かってます。アドバイス、ありがとうございました」


結構貴重、というか大切な話だったしね。

二人は、そのまま席を立ち、


「では、私たちはこれで」

と並んで会場の奥へと消えて行った。


それを見送っていたら、今度はマリナさんが戻って来た。



「少し遅くなっちゃったわね。ユイちゃんは大丈夫だった?」

「ええはい。それなりにお話出来たと思います」

「そう?良かった」


まぁ、話してたのはユーリト兄弟とも、アル・ベルさんとも、

"マリナさん凄い"って話だったんだけどね。

・・・でも本当にマリナさんは凄い。その立場もそうだし、色々な実力や知識も、

きっと、ビショップ級という立ち位置も、なるべくしてなったんだろうなぁ、って思う。


そして、そんなマリナさんから離れて生きるビジョンがあまり見えない。

ローチェ村では、リズちゃんと二人きりの時が多かったけど、結局日没には宿に戻ってたし。


「あら、どうかした?」


じっと見てたら、ちょっと怪しまれてしまった。


「え、あ、いや、何でもないです」

「そう。じゃあ、私と一緒にまたお料理でも見ていきましょうか」

「はいっ」


まあでも、焦る必要は無いか。

まだこの世界に来て数ヶ月・・・多分、数ヶ月。

今はこうして、母親兼、保護者兼、世界の、魔法の、そして人生の先生として、その背を追っていけばいい。



・・・因みにその戦勝会では、とどめを刺した本隊の紹介などは無かった。

マリナさんとアンダリスさんで話し合って、

「この作戦に参加した全ての勇士が勇者であり、そこに差異は存在しない」

って結論になったからだって。


まあ、私としてもその方が気が楽だなぁ。

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