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第13話:魔剣の勇者・Ⅲ

『生命の大樹ユグドラシルと一体化した私は、無限なのだよ!』


木でできた人型の本体・・・ああいや、本体でもないんだっけ。

・・・をくねらせながら高らかに笑うヴェルスの木。

それに追随するようにこのホールに広がる木々という木々がうねるのが本当に気持ち悪い!


これが映画なら私は迷わず視聴を止めているところだけど、生憎ここは現実。

うねる触手も、あいつも、本当に目の前に居る。


「・・・た、倒せない・・・?」


ガッツリ穴が開くほどの攻撃を喰らって尚、もう元に戻っているアイツを見て、

レウン君と私は茫然としている。

私とレウン君の戦力が頼りだ!

とか言われてこの作戦が始まったのに、いざこうして私が魔法をぶっ放したら再生された。


これ、対処法見つからなかったら詰みだよね?

案外この事実が精神的に効いてる。

こんなに気持ち悪い敵なのに!


こんな時、いつも頼るのはマリナさん。

マリナさんなら何か知ってる筈!

といつも甘えてしまう。

マリナさんの方を見てみると、


「生命の・・・大樹・・・ですって?」


と、深く何かを考えている。

そうそう、それ気になってた単語だよ。

ユグド・・・なんとかは多分元の世界でもゲームか何かで聞いたような気がするけど・・・


「あの・・・その生命の大樹って、何ですか?」


もしそれが、小学生でも知ってる単語だったとしても、マリナさんは私の事情を知ってるから笑わずに教えてくれる。


「生命の大樹ユグドラシルは、おとぎ話の中に出て来る伝説の木の事よ」

「お、おとぎ話、ですか」


なんか急にファンシーな話になって来た。

見た目は最悪のままだけど。


「そう。お話の中では、死んでしまった全ての生物の養分を吸い取って成長し、その木が付ける実は新たな生物を生む、と言われているわ」

「壮大ですね・・・」

「だから、ユグドラシルはあらゆる生物の生と死のサイクルを担う"生命流転の象徴"とも言われているの」

「・・・」

「勿論それはおとぎ話の話で、現実には存在しない筈。でも、もしそれが本当だとしたら・・・」

「本当だとしたら?」

「この城に居た人や、連れてこられた人々を吸収し養分にして、それで得た魔力で大量の魔族との契約を行う・・・この自治区で起きてきた色々な事に説明が付くのよ」

「ってことはもしかして・・・」

「ええ、彼の言うユグドラシルは、世迷言なんかじゃないのかもしれないわ」


冷静に、かつ落ち着いた雰囲気のマリナさんではあるけれど、視線の動きやまばたきの回数は増えてる。

多分、マリナさんにも焦りが見えてるんだと思う。


『ああそうとも!!ユグドラシルは正真正銘の本物だとも!!』


私たちの話を盗み聞きしてたのか、あいつはまた気持ち悪い声を上げる。

それだけならまだいいんだけど、


『生命の象徴に歯向かう気分はどうだ!?』


そう言いながら、地面に広がる根を槍のようにして一斉に突き刺してきた!


「ちょっ!?」


もう、反射的に張れるようになってしまったバリアーを展開する。

根の一つひとつは全然弱いものの、数が多く気を配る箇所が多い。

それに、間近でうにょうにょし続ける根を見るのは本当に嫌だ!


「何か、弱点とかは無いんですか??」

「元々生命の象徴として描かれた大樹よ。そもそも倒すとか弱るとか、そういうお話じゃないの」

「そ、そうか・・・」


そうだよなぁぁぁぁぁ、多分、おとぎ話じゃ味方というか、完全に良い奴扱いっぽそうだし、

それでも弱点とかはないのかな!?

あの愛と勇気のヒーローも水に弱かったりするし!


そうこうしている間に、根はバリアを破る事を諦めて、今度はそのバリアを取り囲むように周囲を這って来る。

うわぁ、余計キモチワルイ!!


「何か・・・何かないかな・・・」


無い頭で必死に考えていると、


「ふふふっ」


レイル君が笑い出した。

え、何!?おかしくなった?


「あー、そう言う事か!」

「ど、どう言う事!?」

「いやさ、何で気弱で先頭経験もないレウンがこの剣に選ばれたのかずっと疑問だったんだよ」

「まぁ・・・それは確かに、でもそれは、心優しいからって本に・・・」

「それだけじゃ根拠としちゃ弱かったんだよな。あの村に優しい奴なんていっぱいいたし」

「そ、そうなんだ・・・」


レイル君は、どんどんテンションが上がって行く・・・気がする。


「でもヴェルス侯爵の正体でようやくわかったよ」


他の3人は話題を差し込むこと無く、もう演説に近くなったレイル君の話を聞く。

・・・この間も私、バリア張ってるんだけどね?


「相手が木なら、伐採すればいいんだよ。だって、選ばれたレウンは木こりなんだからさ」


「・・・なるほど!!」

相手が木なら、その相手は木こり!

本当にシンプルな答えだった。

・・・あれはもう普通の木じゃない気がするけど、こっちもこっちで、普通の剣じゃなしね。


「その剣の伝承的には、城の屋根を突き破るほどの大きさなんだろ?だったら出来んだろ」

「・・・仮説としては、そうね。伝承としても、その時の悪を打ち破るに足る人物を選定する、とある以上、木には木こり、は理に適っては居るわね」

「や、やっぱり僕なんですね・・・」


でも自信無さげなレウン君。


「なに縮こまってんだよ。お前が一番相手にしてきた相手じゃねぇか」


ポンポンと肩を叩くレイル君の励ましでも、レウン君の態度はあんまり変わらない。


「で、でも、この剣は・・・」


レウン君は、いくらか光量を増したその剣を握りながら俯いている。

あぁ、そう言う事。

その剣が他人の命を吸う事、まだ気にしてたんだ。


それはさあ、もうあの日の夜に決着付けたじゃん。


「レウン君」


私は俯くレウン君の真正面に立つ。

身長的にはほぼ変わらない、というか私の方がやや低いくらいだから、しゃがみ込む必要は無い。


「あの時、私を信じて思いっきり戦うって言ってたじゃん」

「あ、そ、それは・・・」

「私はなんとなく感じてるよ。私の魔力の本気は、多分もっと上にあるって」

「っ・・・ユイさん・・・」


大半は勘だけどね。

でも一応、数学・・・いや、算数レベルでの根拠はあるよ。

さっき戦った上級魔族・・・だっけ?

あれはマリナさん曰くエリートが数十人規模で戦ってもある程度犠牲が出るレベル、らしい。

だったら、もし私の魔力600倍が全力で出せてたなら、もっと楽に勝てた筈。

多分、今使えてる魔力は、30人分くらいなのかもしれない。


「だから、私の魔力の本気と、レウン君の木こり力の本気で、あれ、ぶった切ろうよ」


言ってから気が付いたけど、木こり力ってなんだろうね。


「私なら、大丈夫だからさ」


なんてちょっとかっこつけて言った途端、


ピシィッ


と、バリアから嫌な音がする。


「・・・」


カッコ付かない!!

このバリアは私から出てるので、今バリアに起きている事は何となく感じ取れる。

これ・・・バリアを締めあげられてる・・・?


「ば、バリア、もうすぐ割れるかも・・・」

「「えぇ!?」」

「いやちょっと待て!?それ大丈夫なのか!?」


兄弟二人が慌て始める。

私だって緊急事態だよ!!


「だ、だからね、レウン君!早く覚悟決めて!!」


すっごい決まらない感じで覚悟を迫ってしまった。

でも実際危ないからノーカン!


「え?いや、・・・え?」

「早く!」


ビシィッ!!

と一際大きくて嫌な音が響く。


「わ、分かりました!やる、やります!!」


押し切られたのか、身の危険を感じたのか、レウン君は覚悟を決めた。

これ、決めたって言っていいのか微妙だけど・・・


「レウン君、それでいいのね?」

「・・・大丈夫です」


マリナさんの最終確認にレウン君は力強く頷いた。


「よし、それじゃあ決まりだ!レウンが結束の剣を解放して奴を切る。俺らはそれのサポート、だな?」

「ええ、レウン君もユイちゃんも、それでいいわね?」

「「は、はいっ」」


ハモってしまった。

ちょっと恥ずかしいけど、相性が良いって事にしておこう。


「レウン君が剣を解放しつつ前に出る。ユイちゃんはその剣に魔力を与えつつ、他皆はそれに襲い掛かる木の根を撃退。それでいくわよ」

「「「はい」」」


ヒビの入ったバリアの真ん中で4人で円陣を組む。

どの世界も士気上げでやる事は同じなんだなぁ、と思いつつ威勢よく声を上げる。


「絶対に勝つぞ!」

「「おーーっ!!」」


この体育会系なノリにマリナさんが付いて来てくれたのは意外だけど、一体感は出た。


「じゃあ、行きますよ!!」


全員武器を構え、いざ臨戦態勢!となったは良いけど、まずはこの根に囲まれた状況を何とかしないといけない。

両手を左右に伸ばし、T字のポーズになりながら周囲に張ったバリアに魔力を流す。

なんとなくバリア全体に魔力が通ったのを感じてから、


「やーっ!!」


掛け声と共にバリアを吹き飛ばした。

ハリウッド映画のように周囲を這う根が蔓が自分を中心にバラバラに散って行く。

バリア自体はほぼ透明なので、蔦が勝手に吹き飛んでいるような不思議な光景が広がる。


「さぁ、作戦開始ね!」


周囲に多数の光の剣を浮かばせたマリナさんの掛け声と共に、私達の本当の反抗作戦が幕を開けた。



------------------------------



「お願い、力を貸してください!!」


レウン君がLED照明のような光を湛える剣を縦に構え、一歩踏み出す。

剣はその掛け声に反応したのか、光が少し強まり、シルエットが一回り大きくなった気がする。

けれど、当然そんなものバリバリに目立つわけで、


『なんだ、まだ生きていたのか・・・』


ヴェルスの木はその蔦や枝のような手で、パチンと指を鳴らす。

その次の瞬間には、ホールの壁に生えていた枝という枝から一斉に花が咲き、花の中央が黄緑色に光り出す。

一瞬にして花畑とイルミネーションが同時に現れたような光景に感動して、思わず手が止まる。

・・・だって、めっちゃ綺麗だったんだもん。


でも、


「危ない!!」


マリナさんの声で我に返る。

だよね!これがただのイルミネーションなわけないよね!?

そう思った次の瞬間には、金色の粒子が私達を覆い隠すように広がった。

これはマリナさんの・・!


直後、花の中心の光が、弾丸のような勢いで私たちに殺到する。

数は・・・もう数えられない!

とにかく、前後左右全ての方向から無数に光の弾丸が襲い掛かって来た。


「っつ・・・!」


無数の弾丸と、光の粒子がぶつかり合ってはじけ飛ぶ中、いくつかは防ぎきる事が出来なかったのか、その内のいくつかが私の二の腕やくるぶしを掠め熱い皿に触ってしまったような痛みが走る。

その跡を見る余裕は無いけど、掠めた後も鈍い痛みが残ってるから、傷にはなってると思う。

直撃したらどうなったのかは想像もしたくない。


撃った途端花は枯れてしまって、幸い連射は出来なさそうな感じだけどその隙を根や蔦の直接攻撃が埋めてくる。

当然そっちの量も圧倒的。


「ふざけた攻撃しやがって!」

「剣の解放に集中できない・・・!」


弾丸は私の魔力が、蔓や根はマリナさんの剣やレイル君の魔法弾が食い止めているけど、この物量に襲われ続けて居る状態じゃあ、レウン君は剣の解放に集中出来ていない。

私も魔力を送ってあげたいけど、頻繁にやってくる攻撃を捌くのに精一杯で、全然そっちに気を配れない。


「この物量と魔力、捌き切るにも無理があるわね・・・」

「いや、今装填が終わった」


嵐のように光の剣が飛び交う中、難しい顔をするマリナさん。

そして、持っていた銃に何やら大きい槍の先端のようなものを沢山付けているレイル君。

・・・今までそんなもの無かったよね?


「こういう使い方は想定してなかったけど、状況的にはピッタリだ!」


レイル君は今まで片手で使えていたそれを、重そうに両手で番える。


「植物にはこれだ!!燃え尽きろっっっ!!」


バスンッッッ

なんて、今まで聞いたことも無いような重い音を立てて、銃に付いていた槍の先端が一つ飛んでいき、そのまま外壁の枝の一本に刺さる。

直後、壁に刺さったそれがいきなり発火して、それが一気に周囲に燃え広がる。

レイル君は、その槍をホールの至る所に叩き込み、ホールが一気に火の海に変わる。

ただ枝葉が燃えてるんじゃない・・・気がする。


「油を充填した矢だ。再生し続けるんなら、その先から燃やしてやるよ!!」

『無駄な事を・・・我の生命力は無限だ!!』


ここ室内だけど!?

あたり一面植物に覆われたホールについた火は、少しづつ燃え広がっている。

ただ、やっぱりあっちもあっちで、燃えた先から再生していって、焼き払う、とまでは至っていない。


「これでアイツの手は弱まるはずだ。ただ、油が切れれば元通りだ。今のうちにケリ付けるぞ!」

「わ、わかった・・・!」


思わぬ一手で苦境を一時的にも脱した私達。

多分、これがホントにホントの最期のチャンス。


一歩前に出て剣を構えるレウン君の剣により一層魔力が集まる。

決める所は、今しかない!

私はレウン君の方へ駆けだしながら、他二人の方を見た。


「マリナさん!レイル君!」

「何、ユイちゃん!」「な、なんだ!」

「防衛、二人に任せても良いですか!!」


その問いに二人は、


「え、任せて」

「ああ、問題ない!」


快諾してくれた。


「分かりました!私、一歩も動きませんからね!」


予め宣言して、レウン君のやや左後ろ辺りに移動する。

流石にこの距離まで近寄ると、緊張してそうなレウン君でも気が付く。


「あ、ユイ、ユイさん!」

「今から全力で魔力を送るから、分かってるよね?」

「わ、わかりました・・・!」


私の声を受けて、レウン君は剣を強く握りなおした。

それを見届けてから、私は集中モードに入る。

自分の魔力と対話する為に。


・・・多分、まだ私は自分の魔力を引き出し切れては居ない。

体内を流れる魔力の流れ、感応器が生み出す魔力のエネルギー、体外に漏れだす余剰魔力。

今まで魔法を使う時は、心臓辺りから感じる力を感じ取って、それを両腕に送る形で魔法を使ってた。

でも、今までの知識を考えると、魔法の元になるエネルギーは、心臓の部分から以外でも出せる筈。


・・・それを感じ取れれば・・・!

今回は私がそれを魔法に変換する必要は無い。ただ、外に出して、レウン君の剣に送れればいい。


身体の力を抜いて、エネルギーを感じなきゃ。

耳からはドスンバコンと凄まじい戦闘音が聞こえてくるし、

周囲は蠢く根や蔓と、光の剣や火の矢が飛び交っている。

凄まじい光景だけれど、私とレウン君に届くものは一本もない。



ドクン、ドクンという心臓の鼓動。


・・・それに連動する血流の流れ。


・・・身体の芯から溢れる暖かいエネルギー・・・


・・・ふともも辺りに感じるなんかこう・・・前に友達に借りた低周波マッサージ器みたいな感触。


もしかしてこれ?

・・・なんでこんなピリピリする感触なの・・・


あ、もしかして、巻きついてきた蔦を焼き切る時に自分も感電したから!?

ま、まあそれはそれでいいんだけど・・・


そう思うと、なんか全身色んな所がうっすうまだ痺れてるような気がしないでもない。


まあいいや!

とにかくこれを意識して、これを強めれば・・・!


「痛たたたたたたっ!!」


突然全身に強烈な刺激が走り回り、

私の意思とは関係なくビクビクと痙攣しだし、

身体からバリバリと激しい音を立てる。


「ちょ、ゆ、ユイさん!?」

「ふぅー・・・ふぅー・・・だ、大丈夫、ちょっとミスっただけだから」


レウン君を手で制しつつ、大丈夫の意思を伝える。

また感電した!

全身の痺れる感じをそのまま増幅したから、多分雷属性で放出したんだこれ・・・


これじゃ私の身体が持たないし、なんとか変換前の・・・えーと、エーテルの状態で出さないと・・・


痺れてるのは、放電した時の残りかすだから、今痺れてる部分から純粋な魔力が出せる筈・・・

集中、集中!

あんまりモタモタしてるとマリナさんとレイル君に負担がかかるし。


目を閉じて、痺れているその後ろを感じ取る。

集中してみれば、確かに心臓の部分で感じたような温かいエネルギーがある。


これを・・・



全力で・・・



解き放つっ!!!


体温が急激にスッと下がるような感触がした瞬間、


ぶわっ!

と強風が自分中心に巻き起こり、スカートやケープ、髪の毛、あらゆるものが激しく揺れる。

間違いない。

これこそ純粋な魔力の塊のハズ。


多分、これだけの魔力を解き放てば・・・!


「わっ、ユイさん!来ました!!!」


レウン君が持つ剣は激しい音を立てて、まるで噴水のように光が噴き出し、

そのまま勢いが増し続けて先端がホールの天井すらぶち抜いて視界から消えていく。

もう、剣と言うより光そのものを持っているようにしか見えなかった。


「よ、良かった!」


あまりの光景に、私は見ている事しか出来ない。

一度剣が認識すれば後はもう自動なのか、私の身体からはもう、私が何もしなくてもどんどん魔力が吸われて行くのがありありと分かる。

体内から満ち溢れるパワーが、皮膚の辺りから猛烈に流れ出ていく。

なんというか、未知の感覚で・・・不思議な気分。


「これが・・・結束の剣の力・・・」

「・・・伝承なんかより断然すげぇな・・・」


ヴェルスの木の猛攻を退けながらも、いきなり現れた光の柱に、マリナさんもレイル君も立ちすくむ。

あの二人に特に異常が無いという事は、きっとあの二人に魔力の強制吸収は起きてないと思う。

・・・良かった。


『その光・・・!まさか!?』


未だ所々鎮火してないホール全てを照らす圧倒的な光に、こちらもあちらも動きが止まる。

今がチャンス!


「レウン君!今のうちだよ!」

「いっ、行きます!」


レウン君は、垂直に持っていた剣を更に握りしめると、腰を落として、

野球のバッティングフォームみたいな構えを取る。


「これでも・・・喰らえぇぇぇ!!」


ここ一番の大声と共に、レウン君は剣を振りかぶり、木の幹を真横からぶったぎる勢いのフルスイングを放つ。

天井を貫くその一撃は、天井をかき混ぜるように破壊して、壁を滑らかに輪切りにし、私たちの少し上を爆風を纏いながら通り抜けて、

ホールに根付く大樹の一番太いところに襲い掛かる。

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