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プロローグ:夢現の分水嶺

私の名前は六依 由依(りくえ ゆい)。高校生。





中学卒業直後に事故に遭って数年間眠ったままだったり、

そのせいで記憶喪失になって昔の記憶が無かったり、

その後遺症で体が全く成長しなくなったり、


目が覚めたら20才になってて5つ離れた妹と同級生になってたりしたけど、




・・・入学から一年経った今は、普通の高校生だ。




普通に登校して、普通に授業を受けて、普通に休み時間に駄弁って、普通に生徒会活動をこなす。

そんな、どこにでもいるかはわからないけど、

どこかにはいる一般生徒の一人。

それが今の私。








----------------------------







放課後。


五月の、ほんのり暖かい日差しを浴びながら、私達は歩く。

今日は私が所属している生徒会の活動もなく、

妹や友達が所属している部活動も無いので、

久しぶりに皆で早く帰れる日だ。



妹や友達と、私合わせて計四人でだらだらと話をしながら校舎へ向かう階段を上っていると、ふと妹が、

「あ、そうだお姉ちゃん」


と急に振り返って来た。


そして、その振り返る遠心力の勢いで飛んできた鞄にぶつかって、

私はバランスを崩してしまう。


「あっ」


ここは階段。

まだ下の方とは言え、こんなところで体勢を崩したら・・・


ヤバいと思っていても、立て直す余裕は無く


離れていく皆を見ていることしかできな

「うっ!」



ゴッ、という音と共に、視界が暗転する。

お尻と背中と頭に、鈍い痛みが走る。


頭の中で音が反響して、周りの音も聞こえにくいし、

視界も黒い靄のようなもので覆われてよくわからない中、

なんとか手探りで体を起こす。


が、全身に感覚がいきわたらない。

むしろ、ふわふわと、着地感の無い絶妙な違和感が駆け巡る。


それもつかの間。

今度は、反響する音が遠くなり、視界も波紋が静まってゆくように、黒く沈んでゆく。

意識もはっきりしてこなくなった。





そうして私は、なんの抵抗も出来ぬまま、


深い、深い意識の底へと落ちて行った。

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