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本当に間に合いませんでした。ごめなさい
「行くぞ!30254回目のトライだ!今回こそは必ずや光の中へ!」
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」
また、俺たちの光への挑戦が始まる
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俺達は脱出路探索隊、親の親のもっと前の代からこの洞窟に囚われている。
一年に一度ほどのペースで行われるこの脱出路探索隊には15歳から志願することができる。
今回はその第30254回目の探索だ、俺は15歳、初めての探索にな…
「おい!フラジル!ボサッとしてんな!アルファに連絡!」
「は、はい!」
記念すべき俺の初の探索だが、残念なことに俺はセンスとして探索系のものは持っていないので探索の花形ともいえるアルファ隊には属していない、が、通信系のセンスがあるためベータ隊にいる。
「えー、こちらベータ隊、アルファ隊先頭の様子は?」
「こちらアルファ隊、探索は順調。前回第30253回目の探索を元に行動中」
「了解」
「隊長、探索は順調なもよう!」
「うむ、アルファにエアーを使ってさらに探索を進めるように」
「了解!」
エアーっていうのは探索系センスの1つで、空気の流れを読み取りその道に先があるかを調べるものだ。
また、新鮮な空気を産み出すこともできるため洞窟の中で暮らしている俺たちには必須のセンスでもある。
「こちらアルファ隊只今より未探索エリアへと突入する!」
「隊長!」
「ああ、ここからだ」
そうか、ここからが俺の探索の第一歩になるんだ。
ここからは未探索エリアだ、魔物と呼ばれるバケモノが出てくるようになる。
最前線
未探索エリアを行くこと三時間
「おかしい…」
「まだ一匹も魔物が出てきてない…」
「ああ、それに異常なほど静かだ、静かすぎる」
「まった、何か聞こえるぞ」
彼らは聞いた、金属を壁に擦り付けるような音を、次第に大きくなるなるその音がはたと止んだとき、それは地面をぶち抜いて現れた。
一人の男が剣で切りつけるも全く意に介さず、お返しと言わんばかりに一閃、口から赤熱する光線を吐き凪ぎ払う。
それはアルファ隊を壊滅させるとそのまま前進し、ベータ隊の前に躍り出た。
…え?なんだ、なんなんだ‼どういうこ…
『きぇぇぇええぁあぁああああぁぁあああぁぁぁあぁ‼‼‼』
瞬間、耳ざわりなりな音が響く。
「来るぞ!奴だ!」
俺は理解する、なぜ今までの探索で脱出できないのか、なぜこの探索は帰ってくるものが少なくなるのか、それはあいつがいるから
長い身体に2対の脚1対の腕、胸にあたる部分に深紅の宝玉をつけた洞窟を創るもの
「目標は火焔!対火焔戦闘準備!」
弓矢で一斉に攻撃するも効果はなく、逆に熱線で焼き払われ、歪んだ爪でぐちゃぐちゃに引き裂かれる。
火焔がその巨大な身体を地に叩きつけると洞窟が揺れ、次の瞬間、フラジルたちは奈落の底へと消えていった