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詩篇蒐集奇譚  作者: 皇
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第3話 新しい住人達

とりあえず禁書の整理と目録作りについては、ヨルムに一任する事にし、それ以外の蔵書については大雑把に図書館に片付けて行く。

目録作りは後日行わなければないらないが、一先ず保留とする。

面倒くさいし、此方も適当な従者を召喚してやってもらう予定だ。

因みに図書館は外見2階建て程の円柱。内部は壁一面を書架で囲い書架に螺旋階段を取り付けたような感じになっている。

作業がひと段落ついたところで、メタトロンに疑問になっていた事を確認してみる。


「ところで、メタトロン?

お前は掃除や料理といった家事全般は出来るのか?」

「自慢じゃないけど、出来ない!」


ドヤ顔で胸を張って言う事ではない。

本当にいろんな意味で残念な()だ…。


「となると、お手伝いさんが必要か?

掃除とか料理とかして貰わないといけないからな。」

「掃除はともかく、別に食事をしなくても死なないけどね〜。」

「メタトロン、お前は本当に残念な()だな…。」

「え?何で?」

「食事は1日の活力だ。

美味い料理は幸せを運ぶアイテムだ。

ジャンクフードは嗜好品だ。

それが解らんとはな…。」

「そんなもんかねぇ〜。」


箱庭(ここ)の所有権は俺に有るのだから、ある程度は好きにさせてもらう。

まぁ、俺がルールだ!とは言わないが。


「なら早速お手伝いさんを召喚しよう(よぼう)。」

「…。アンデットは勘弁してね…。」


メタトロンの要望が切実過ぎた…。

とはいえ、お手伝いさんがアンデットとか家がホラー過ぎるので、俺も遠慮したい。

今回呼び出予定なのは、家付妖精(シルキー)だ。

シルキーはイングランド伝承の妖精で、家事全般が得意だったはずなので採用した。


「『能力創造《スキル・クリエイト】』

妖精種召喚【サモン・フェアリー】』」


召喚自体は無事に完了した。

したのだが、メタトロン共々唖然としてしまう。

というのは、出てきた女性が物凄い美人だからだ。

出る所はちゃんと出ている。というか、結構おっきい。

シルキーの名前の由来となっているシルクの黒いドレスを着た。白銀髪の美女。

これは召喚した俺もびっくりだ。

メタトロンは何故か自分の胸に両手を添えている。

ん、残念だがお前の完敗だ…。


「私を呼んだのは、どっち?」


シルキーは可愛らしく首を傾げながら聞いてきた。


「俺だよ。」

「此処が私のお家?」

「そうなるね。」

「貴方が私の御主人様?」

「でもいいんだけどね。

一応、俺とこいつが現在の家主かな。」

「ふ〜ん。」


シルキーはそう言ってメタトロンを見る。


「よろしくお願いしますね。

お嬢様。」


ぶぅっ!

シルキーの一言に盛大に吹き出してしまった。

メタトロンが恨めしそうに睨んでくるが仕方あるまい。


「シルキー、一応こいつの方が俺より年上のはずだ。

なんでお嬢様は勘弁してくれ。

俺が保たない。

あぁ、それと俺の名前はジークフリード・ランベルト。ジークで良い。

こっちはメタトロン。俺の上役だよ。」

「解りました。御主人様、メタトロン様。」


俺は御主人様固定か…。

まぁ、いっか美人にそう呼ばれるのは悪い気がしないしな。


「シルキー、君の名前は?」

「名前…?ないよ…?」

「メタトロン、名付け。」


面倒くさくので一任する。


「えっ、またぼく?」

「そっ。」

「仕方がないなぁ…。

そうだね、コレット…。かな?」

「コレット…。私の名前…。」


シルキーは呟くと、ふわっと笑った。

美人の笑顔はドキッとするな。



コレットには1階の一部屋を与えて、掃除用の道具とかは階段下に物置を作って収納。

この辺は《世界の核《世界ワールド・コア】》を使って手早く終わらせる。

台所については、後ほどコレットと相談することで了承をもらっている。

次は食料事情の改善だ。

メタトロンに確認した所、神様にとって食事は娯楽以上の価値はないらしい。

別に食べなくても死ぬわけでないから、当たり前か。

とはいえ、食料をしないというのは侘しい…。

真っ黒会社に勤めていたせいか、食事くらいは豪勢に美味いものを食べたいという欲求が強い。

まぁ、読書欲に比べれば、たいしたことは無いが。

ということで、家の外を手直しする事にした。

丘の麓の湖の規模を縮小し、川の配置を少しだけ下にずらす事でスペースを確保。

空いたスペースに牧場と畑を設置。

牧場には牛と豚を数頭、鶏を10羽くらい放し、厩舎を設置しておく。

あぁ、あと水場も設置しないとな。

畑には麦、大豆、トウモロコシといった主食になる食材と野菜を数種類植えておく。

何故かトウモロコシと野菜の一部は既に収穫可能な程度に育っている。

謎だ…。

とはいえ、此れも自分で管理する気はない。

此処の管理は先に呼び出しておいた、猫妖精(ケットシー)の兄弟だ。


「ジーク様、すっげー!」

「うんうん、凄い凄い!」

「……、すごい…。」

「すごいね〜、エマ。」

「そうだね、ドリー。」


ケットシー兄弟は大はしゃぎだ。

長男アルは牧野の管理、長女のベティと次男のチェスターは農場。

末の双子ドリーとエマは図書館で禁書以外の管理をお願いしている。

まぁ、図書館の整理についてはコレットも手伝ってくれるようなのであまり心配はしていない。


「こんなんで大丈夫そうか?」


一応確認の意味を込めて聞いてみる。


「「「「「大丈夫!!!」」」」」


元気な回答が返ってきた。


因みにケットシー兄弟の部屋は1階に一部屋増設して男女(?)別々に与えている。

アルとチェスターは2段ベットの上下を争っていたが、ベティの一言でチェスターが上と決定した。

やりとりがちょっと微笑ましかったのは内緒で。

ドリーとエマは一緒に寝るらしく2段ベットの下でニコニコしている。

其々にクローゼットと机を設置して取り敢えずは終了。

何か必要な物が有ったら言ってもらうとしよう。


ついでに1階に大きめの洗面所も併せて設置しておこう。


こうして箱庭は一気に賑やかになった。

もふもふとグラマー美人登場です。

今の所はハーレムとかありません。


ケットシーの年齢は13〜10歳くらいを想定してます。

若すぎますかね?


第4話は18時頃投稿予定です。

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