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詩篇蒐集奇譚  作者: 皇
3/10

プロローグ③ 契約完了

「ん〜、別に詩篇蒐集を手伝うのは構わないんだが、何故自分でやらないのかを教えてくれるか?

自分でやった方が好みのものが集めれると思うんだが?」


本に限らず同一趣味でも好きなジャンルが異なったり、拘りがあったりするものだ。

人に頼むより自分で集めたほうが良いはずだと思うのだが。


「ぼくが自分でやらない理由は、君にお願いする理由と同じなんだ。

結論から言うと、ぼくはこの場所から動くことが出来ないんだ。」

「理由を聞いても?」

「理由はぼくが持ってる蔵書のせい。主には禁書のせいかな。」

「禁書の?」

「そ、さっきも言ったけど、ぼくは神書の管理人。

ぼくが管理している蔵書の中で特に厳重に管理しなければいけない書物が禁書。

これが世界に堕ちて誤った使い手の元に渡れば最悪その世界が滅ぶ。

だから厳重に管理して、万が一堕ちた場合は即座に回収出来るようにしていないといけない。

間違っても、自分で行くのが面倒くさいからという理由ではないよ。」


最後の一言が無ければカッコ良く決まったかもしれないが…。

つるぺた幼女がドヤ顔で胸を張っても虚しいだけで…。


「禁書を封印したりすることはできないのか?」

「神の中には封印論者もいるけど、禁書の知識は役に立つこともあるからね。

ほら、世界を一度滅ぼして真っ新にしたい時とかさ。

それに、封印したとしても結局封印が解けてないか、解けないかを、神の誰かが見守らないといけないのであれば本末転倒だしね。」


なるほど、筋は通っている。

そして世界を滅ぼしかねない知識を与える書物か…。

そりゃ、見張ってる必要があるわな。


「肝心の詩篇の蒐め方は?」

「実際に詩篇主人公メインキャストがいる世界に行くことが、条件其の一。

詩篇主人公メインキャストと暫くの間行動を共にすることが、条件其の二。

詩篇主人公メインキャストが詩篇に記述された条件クエストをクリアすることが、条件其の三。

以上の条件が全て満たされると、それまでの物語が詩篇として形成される。というわけ」

「クエストが章立てってことか。

となると、何回か行くか、最後まで一緒に行動する必要がある訳か。

結構面倒くさいな…。」

「そうだね。

あと、裏条件があって詩篇主人公メインキャストと共に詩篇条件クエストをクリアしてはいけない。とか、その世界以外から持ち込んだアイテムを渡してはいけない。とかあるから一緒にクリアは無理だね。

あくまで助言者止まりまでしかできないよ。」

「まじか、面倒くさ過ぎる…。」

「まぁ、準神扱いだから接触しすぎるのはね。

まぁ、死にそうな詩篇登場人物キャストと神徒契約して仲間にするくらいは大丈夫かな?

もちろん、詩篇主人公メインキャスト詩篇副主人公サブキャストとは神徒契約できないけどね。」

「因みに、その準神扱いってのと、神徒契約ってのはなんだ?」

「準神ってのは神様、今回の場合はぼくと契約する予定の君の事だね。

契約完了時に転生か純神化かが選べる。新しい契約を結び直すことも可能だよ。

因みに、通常の死者は、死者の門を経由して魂の汚れによって選抜されて、汚れの浄化後転生することになるよ。

神徒契約ってのは、準神と死の運命にある者が結ぶもの。

この場合、死の運命にあった者は神徒しとと呼ばれる。

まぁ、準神も神徒も世界の理の外に居るってことでは同じ存在かな。」


なるほど。

神様と契約したから神に準ずる者。準神と契約すると神徒と。

だが、詩篇主人公メインキャストの居る世界に行かなくてはいけないのは結構面倒だ。

その上接触しなくてはいけないが、接触しすぎるのはいけないとか面倒くさ過ぎる。

まぁ、俺には戦闘能力がないから戦えと言われてもそれはそれで面倒なわけだが…。


「因みに、ぼくと契約してくれた場合は、スキル『異界の扉【ワールド・ゲート】』とスキル『神の眼【アイズ】』をプレゼントするよ。

あと、欲しいスキルがあるのなら追加で2個までプレゼントしちゃう。

ついでに、この空間の所有権も合わせてプレゼント!」

「まぁ、異世界冒険とか楽しそうだし、お前が持ってる蔵書にはかなり興味がある。」

「でしょ、でしょ〜」

「と、同時に俺は喧嘩が苦手だし、武術を習ってたわけでもないから戦えって言われても無理だ。」

「まぁ、そうだろうね。

でも、そんなのスキルでどうにでもなると思うけど?

『筋力増加【ストレングス】』や『恐怖低下【アン・イクスレーゼ】』とかで補正すればいいだけじゃん?」


なるほど、スキルチートで俺Tueeeeをすれば良いと。

となると、後は武術系スキルの使い方とかある程度武器の使い方が解ればなんとかなるか?


「なら、その詩篇蒐集のお願いは受ける。

んで、欲しいスキルだっけ?

そうだなぁ…。自分が思い描くスキルを創り出せるスキルと、もしスキルに熟練度があるのなら熟練度が上がりやすくなるスキルが欲しいな。」

「『能力創成【クリエイト・スキル】』と『早期熟練【スキルアップ】』か…。

『能力創成【クリエイト・スキル】』は、作成できるスキルにある程度条件を付ければ大丈夫だし、『早期熟練【スキルアップ】』は、まぁ問題ないね。」


大丈夫なのか…。

かなりのチートスキルだと思ったんだが、まぁ転生するわけでもないから大丈夫なのか?


「じゃぁ、契約完了で良いのかな?」

「そうだな、よろしくお願いします。メタトロン様。」

「いきなり様付け?気持ち悪いなぁ〜。

メタトロンで良いよ。

で、君の事は何て呼ぼうか。

コウスケで良いのかな?」

「それだと異世界(旅先)で色々説明が面倒くさいかもしれないな。

メタトロンが決めてくれ。」

「ん〜。

じゃぁ、ジークフリード・ランベルトってのどう?

愛称は、ジークで。」

「良いんじゃないか?」

「じゃぁ、改めてジーク。

詩篇収集よろしくお願いするよ!」

「契約完了だな。

承った、メタトロン」


第3話にしてようやくプロローグ終了です。


切りのいい所で1話2話を終わらせた関係で若干長めで申し訳ありません。


今後はファンタジーやダークファンタジー、SFなどに挑戦する予定ですので、楽しんで頂けると幸いです。

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