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詩篇蒐集奇譚  作者: 皇
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第7話 龍姫転生③ー契約

「力が欲しいかい?」


そう問いかけると俯いていた少女は驚いたように顔を上げた。

まぁ、直前まで死を覚悟していたのに、いきなり声をかけられれば驚きもするか…。


「あ、貴方は…。」


少女は絞り出すように俺に問いかけてきた。

顔は煤や土、涙でグチャグチャだが、おそらく美人だろうと思う。

何より目の奥に潜む世界に対する無自覚に憎悪が俺の心を擽る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前:ソニア・メルル

種族:エルフ

体力:10

魔力:300

筋力:50

知力:150

敏捷:65

器用:60

スキル

弓術、黒魔法、精霊魔法

加護

風精霊の加護

状態:瀕死

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


人のステータスを覗くのは初めてだから基準は解らないが、竜種(ドラゴン)と比べれば捕食者、被捕食者の関係は言わずと知れたことだ。

改めて今の自分のステータスが如何に異常かが認識できた。

後でメタトロンを捕まえて説明させる。と心のメモ帳に記載しておく。


「俺かい?まぁ、今のところは君の望みを叶えてあげられるかもしれない人物ってところかな?」

「私の……、望み………?」

「そっ、竜種(あれ)に復讐すること。とかね。」


薄く笑いながら肩越しに竜種(ドラゴン)を指差す。

復讐という言葉に少女がピクッと反応する。


「いい反応だよ。

その反応に敬意を表して、君に2つの選択肢をあげよう。

一つは、俺が竜種(あれ)を屠るのを見て、人として死ぬという選択肢。

一つは、人を辞める代わりに、竜種(あれ)を殺すだけの力を得るという選択肢。

さて、どちらを選ぶ?」


いや、自分で言うっておいてなんだが、悪魔の選択だ。

どちらを選んでも幸せになることはない。

死か、それとも人外に成るか…。


「力をください。竜種(あれ)を殺すことができるだけの力を!」


しかし、少女は躊躇なき人外に成る事を選んだ。


「解った。

力をあげよう。君の望むままに、竜殺しの力を。

その回答を持って契約となす。『神徒契約』」


人外と成ってまで復讐を望むのであれば、望みを叶えよう。



「さて、時間も無いのでサクサク進めるよ。

この本に手を置いて。」


そう言ってその人は何処からか本を取り出した。


「……ここに…?」


恐る恐る本の上に手を翳す。

この人は力をくれるといった…。

だけど、この行為に何の意味が有るのかが解らない…。

解らないといえば、何故か目の前の竜種(ドラゴン)が全く動かない。

竜種(ドラゴン)だけでなく、村の家々を燃やす火勢すら動いていない…。

一体何故…?


「よし、なら次は竜種(あれ)を殺す存在をイメージして。

強く、強くイメージするんだ。」


竜種(あれ)を殺す存在…。

そうい言われて色々とイメージする…。

英雄、戦乙女、竜殺しの(ドラゴンスレイヤー)…。

違う、私が欲しいのは竜種(あれ)よりも気高く、竜種(あれ)よりも強い存在…。

竜種(あんなの)を遥かに超える圧倒的な上位種(ちから)…。

私は、竜種(あれ)を殺すために、竜種(あれ)を超える最上位竜種(ちから)が欲しい!


イメージが固まった瞬間、目の前で光が弾けた…。



スキル『守護者召喚【サモン・ガーディアン】』。

彼女に力を与えるために創造した新しいスキル。

召喚者のイメージを元に、召喚者が求める力を具現化するスキル。


召喚は成功した。

したのだが、現れて存在に俺は冷や汗をかいた…。


「妾を召喚したのは、お前様かい…。」


召喚されたのは、竜種(ドラゴン)…。

それも騒動の発端となる竜種(それ)とは存在感自体が違い過ぎた…。


上位古代龍(ハイエンシェントドラゴン)…。」


どうしたらこんな化け物が召喚できる?


「どうした?妾を召喚したのはお前様ではないのかい?」

「……あ、あぁ…。すまない。

貴方を召喚したのは俺ではない。

貴方の足元の少女だ…。」

「ほぉ…。お前のような小さき者が妾を呼んだのかい?」


少女は現実に意識が追いついていないのか惘然としている。

まぁ、気持ちは解らなくもない。

いきなり現れたのが目の前の脅威(ドラゴン)よりも圧倒的な上位種。


「……。そうです。多分そうだと思います…。」

「して、妾に何を望む?」

「力を貸してください…。」


少女は消えるような小さな声で呟いた。


「何の為に?」

父を母を、妹を!村のみんなを殺した、竜種(あいつ)を殺すために!

みんなの仇を取るために、力を貸してください!」

「それだけかの?」

「私の、いえ私達のような理不尽な死から、私の手の届く所にいる人を守れるように。

貴女の力を貸してください!」


少女は泣いていた。

親や妹の仇を討つためとはいえ、その上位種の力を借りなくてはいけない事実。

自分望んだ力の像としての上位種(それ)…。

色々と複雑な心境なのは推測するにも固くない。


「父母の、同朋(はらから)の為に泣ける()よ。

死の痛みを知る清き()よ。

汝の魂が清らかである限り、妾はお前に力を貸そう…。」


そう言って上位古代龍(かのじょ)は、少女の顔を舐めた。

契約は成ったようだ。


「契約は成立したかい?

ならば仕上げといこう。

[人と魔の間に立ちて、人と獣の間に依りて。

契約と盟約に従いてその(ちから)を結ぶ…。]

契約魔法『人魔合一』」


契約魔法『人魔合一』。

召喚者と守護者の魂を結び守護者の力を召喚者が得る契約の魔法。


「ようこそ、人外の世界へ…。」


そして少女は俺の神徒となった…。



少女(ソニア)の召喚した竜種(ドラゴン)の説明は次回に。


ご存知の方はピンときているでしょうが、モチーフはパズ◯ラです。

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