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黒猫、傷を癒す。

別視点だよー


ーーーー




『“()魔力(ちから)()てとし


美しく舞い踊れ”












さぁ、程々に遊ぼうか?』












目の前で起きた事に俺は唖然とした。

精霊に魔力の授与(じゅよ)…?そんなこと、できるやつ滅多にいないだろ…


しかも、見た所妖精達と契約しているわけじゃないみたいだし…









「(…あいつ何者だよ…、)」




そんなことを考えていると、なんか成長した(?)妖精達が追手を開けた所に集めているのが目に入った。


















『…大丈夫?』



「!」



妖精達に意識が行っていたことや得体の知れない奴に話しかけられたことで、一気に俺の中の警戒心が高まったー…










『…警戒するのは構わないけど、とりあえず話しは聞いて。』






それに対して落ち着いた声が俺を(さと)すように語りかけてきた。警戒心に対してあまりにも冷静で少し気が抜ける。

そいつは丁度俺が身体を預けている木の反対側に立って話しかけてきたため表情は見えないが、俺は大人しく話を聞くことにした。




そいつが俺にした質問は3つ。


1つ目は追手の正体について。俺は追いかけられてはいるが、追手の正体についてはわからないためそこは正直に答えた。


2つ目に、追われる覚えはあるかと言うもの…、それには覚えがあった。でも、これを正直に話すと経緯まで話さなくてはならない。しかも俺の過去も含めてだ…。流石に初対面の怪しい奴には話せるようなものではなく無言で答えた。


そいつはその事に深く触れず最後に思いもよらなかったことを問いかけてきたのだったー…















『君は自分がした事に後悔する?』











そんな突拍子のない質問に対して最初は戸惑ったが、そいつの真剣な声を聞いて一言言葉を紡ぐー…














「しない。」



自分の過去を振り返り、後悔したことなど思いつかなかったからだ。


その答えに満足したのか、(いく)らか柔らかい声が俺の耳に届いた。








『わたしもしない派。…ってことだから、ちょっとおとなしくしてて?文句は後で受け付ける。』





そいつは、自分の言葉が終わらない内から行動にでていた。




なんと、俺の目の前まで一気に距離を詰めて来たのだー…


俺は唖然として固まった。





目の前に現れたそいつは、俺の身体を足元から上に向って確かめてから一番上にたどり着くとそこを凝視して一言…













『…ケモ耳…?』





俺にはよくわからない言葉だったが、俺の頭にある耳のことを言ってるってことはなんとなくわかった。



そんなことを思いつつ俺もそいつを観察してみる。


黒い細身のズボンに膝丈の黒いローブ、目深に被ったフードで顔は見えない。…明らかに怪しいやつだった。




俺がじっとそいつの顔辺りを(いぶか)しげに見ていると反応があった。











『…あぁ、すまん。見るからに怪しいよな。』





そいつはそう呟いて目深に被っていたフードを後ろにどかした。









「っ!」



フードがなくなったことで顔が(あら)わになるー…


透き通るような白い肌はまるで陶磁器の様で、黒くて(つや)やかな長い髪は手触りが良さそうな絹糸(きぬいと)の様だった。

さらに、目鼻立ちがはっきりしていて無表情なため冷たい印象だったが、すげぇ美人だ。


特に吸い込まれそうな黒に近いアメジスト色の瞳が印象的だった。


その瞳と視線が合うと、目が離せなくなったような錯覚に陥る。






『?大丈夫か?』



「…あぁ、大丈夫だ。」




そいつに小首を傾げながら問われて、俺はなんとか返答した。






『そ。じゃあ、さっき言った通り文句は後で受け付けるから。』



俺の返答に相槌を打ちながらも、そいつはマイペースに話しを進めていく。




「…?」






疑問符を浮かべている俺に構わず、そいつは少し屈んで俺の左胸、心臓がある部分に軽く触れたー…






「なっ…!?」



触れられた所から感じる少し低めの体温に困惑する。抗議の声を挙げようとしたー…













揺蕩(たゆた)う水は浄化と再生


(あふ)れる光は(いや)しの力


大地は自然を(はぐく)


生命(いのち)に繁栄をもたらす





治癒力(トータル)向上(サポート)”』
















しかしそれは叶わず、そいつは瞳を閉ざし普通とはどこか違う凛とした響きの声で呪文(?)を唱え、俺に向かって魔法を使った。





その瞬間触れられた所からじんわり温かくなってきて、あっという間に身体全体を包んで行く…



そして、数秒もしない内にさっきまで身体中を蝕んでいた痛みや怠さが全てなくなっていたー…











『ん。完了』




そう呟いてそいつは俺から少し距離をとったのだった。





更新の速度が亀すぎるよー

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