黒猫、異世界人と対面する。
主人公視点
わたしが話しかけると一気に隠れてるやつの警戒心が強まったようだ。
それに対して猫の様だなと失礼なことを考えながら、そいつの周りを囲むように悪意のある者達が現れたのを感じた。
生憎、隠れてる本人は怪我の影響でそいつ等にまで警戒できてないようだ。
私は隠れてるやつにそれを諭しながらも、微かに感じた魔力の塊から守るように魔法を展開したー…
『“水の障壁”』
半径1mくらいに展開した水魔法で、恐らく風の魔法である攻撃を防いだ。
それにしてもー…
『…手負いの奴一人に多勢で攻撃って、小せぇ奴ら…。』
つい本音がでたが、人数は10人…か、めんどくせぇー…、
はぁ、でも仕方ないか…、動物たちとか泉が攻撃されるの嫌だしな〜
とりあえず、動物さんたち…?威嚇はいいから森にお戻りなさい?怪我しちゃうから…。
そして、私の周りに漂ってた妖精さんたちは殺る気まんまんですねー…。森深い泉の周辺だから特に水と木の妖精が殺る気だね。たぶん普段は、妖精の中では穏やかな部類だよね…君たち?
『さて、どうしようか…?』
私は立ち上がりつつ思考した。
『…とりあえず、君たちに魔力をあげるからあの開けた所に敵意のある奴ら集めてくれると嬉しいな…?』
《コクコク》
わたしが妖精たちに話しかけると、笑顔で頷いてわたしの周りをくるくる舞った。
『ありがとう。それじゃー…
“我が魔力を糧とし
美しく舞い踊れ”
さぁ、程々に遊ぼうか?』
わたしは空に向けて手をかざし、周りの妖精たちに純度の高い魔力を少しずつ与えた。
元々仄かに発光していた妖精たちだったが、わたしの魔力を与えると輝きが増して若干成長した(?)気もするけど、ま、いいか←
わたしの掛け声に妖精たちは悪意のある奴らに向かって飛び出したのだったー…
『んーとりあえずは…、』
妖精を送り出したわたしは、隠れてるやつの方へ歩み寄った。とりあえず、警戒心が強まったけど声をかけてみよう。
『…大丈夫?』
「!」
そいつが隠れてる木の裏側から話しかけるそいつは少し後ずさった。
『…警戒するのは構わないけど、とりあえず話しは聞いて。』
「…、」
警戒は解けないが、理解力はあるらしい。
『ありがとう。早速、あいつらの動き素人じゃ無さそうだけどなんか知ってる?』
妖精たちの方へ目を向けながら問いかける。それにしても妖精たち、強いね…、てか上手いのか…?すでに指定した場所に半数捕まっていた。水や風の妖精が指定した場所に追い込み、木や土の精霊が身動き取れないように拘束しているようだ。
「…いや、」
少し間をおいて、わたしの質問に落ち着いたテノールの声が返って来た。その声を聞いて大体の年齢に当たりをつける。たぶん同い年かちょっと上。
『そう、それじゃ追われる覚えは…?』
「……、」
この質問には何も応えないが心当たりがあるようだ。
『…んじゃ最後。君は自分がした事に後悔する?』
「?しない。」
最後の質問に一瞬戸惑っていたが、はっきりと言い切った。
その芯の通った声を聞いて、こいつは悪い奴じゃないなと感じた。
『ん。わたしもしない派。…ってことだから、ちょっとおとなしくしてて?文句は後で受け付ける。』
「…っは?」
思い立ったら即行動。とりあえず、隠れてるやつの目の前まで距離を詰めて怪我の状態を診る事にした。
目の前まできてまず目に入ったのは全身の酷い傷や打撲、内出血だった。
両手にはちょっとやそっとじゃ壊せなさそうな枷が嵌められていた。
服装は上半身が裸で、下は膝丈までの白いのかわからないくらいボロボロの布切れが腰に巻かれている。
靴は履かず素足で、傍から見たら奴隷みたいな感じの服装だった。
足元から上へ視線をずらすと顔があり、顔も酷い有り様だ。更に頭まで視線をもって行くと灰色の髪の毛があった。
『(洗ったら綺麗だろうなー)』
そんなことを考えながら頭のてっぺんまで視線もって行くとー…
『…ケモ耳…?』
狼のような耳が生えてました。
どうやら尻尾もあるようです。
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文章が纏まらないとです。
話がすすまん!