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黒猫、魔法を極める

だいぶサボりました…

2か月以上とかあり得ない。

異世界(レーベンヴォール)(クリーレンブリューテ)



 意識が浮上して最初に感じたのは音ー…


 それは木々が風を受けて擦れ合う音だったり前世で聞いたことのない生き物の声だった。


 次に足が地面に着く感覚、瞑っていた目に光がさす感覚、肌に感じる熱、緑の匂いー…、そんな感覚が次々にわたしの五感を刺激してくる。



 それを感じたとったわたしは最後に目を開き辺りを見回すー…





『ここがアルミスの世界ー…』




 そこは、前世で言う亜熱帯雨林のような、緑の濃い森だった。木々の隙間からは幻想的に光が差しこむ神秘的な所でもあった。


よく耳をすますと遠くの方から微かに水の音も聞えてくる。






『とりあえず、進むか。』





 いつまでも立ち止まっていてははじまらない。わたしは気の向くままに異世界での一歩を踏み出したのだったー…



























『(んー、森は静かでいいな。癒される。)』



あれからしばらく自然を満喫しながら適当に歩いてみた。生き物の気配は確かにあるけど、アルミスが言った通り人などの気配はなく静かな空間が広がるばかりだった。そんな空間を満喫しながらわたしは考える。





『(ただ歩いてるのもいいけど、折角だから魔法を研究しよう。)』




思い立ったら吉日。早速魔法を使って出きることを探ろうと思う。



ま、手始めに旅に役立ちそうなことでも試そうー…






『(んー、火起こしと水は欠かせないよな…、)清水(せいすい)




とりあえず極少量の魔力を使ってなにもない空間に水を出現させた。イメージとしては水道水。それに加えてわたしの中の膨大な魔力の出し方も調整することにした。


水は私の掌の上でふよふよ浮いている状態。これに火で温めるイメージを加える。



加熱(かねつ)



一気に水が沸騰した。次は冷すイメージ。



冷却(れいきゃく)氷結(ひょうけつ)


すると熱湯から水にもどり氷へと変化した。とりあえず火と水は温度調整可能みたいだ。これを応用してレンジとか冷蔵庫、エアコンみたいなのが造れそう。



そんなことを考えながら次を試す。目の前には林檎(?)の様な実のなる木があった。



風刃(ふうじん)



実と枝の間を狙い風を刃物のような鋭さにして飛ばす。飛ばした刃は難なく標的に当たってくれた。落ちてきた林檎(?)を落とさないように受け止める。


『食えるかな…?』



手の中の実を眺めていると実の左端にパソコンで言うところのタスクバーみたいなものがあることに気づいた。


とりあえずスマホとかをいじるようにタスクバーがあるところをタップしてみる。




《リオルの実》

▷食用の果物

▷主に調理に用いられる。

▷甘みが強く煮詰めて乾燥させると砂糖が作れる。

▷オランの実と調合すると小回復薬にもなる。




すると、その実の説明が表示された。どうやら図鑑のような機能が使えるらしかった。




『(砂糖と小回復薬か、取って置こう。)成長(せいちょう)促進(そくしん)



リオルの実の()っている木の表面に触れて、純度の高い魔力を流し植物操作を行ってみた。



するとみるみる内に成長し、さっきの倍の数の実が()った。心なしか実自体が3倍くらい大きくなり艶も出ている気がするが…、まぁいいだろう。


とりあえず、さっきの要領で風の魔法を使い実を落としていく。








『ま、こんなもんかな。』



わたしの目の前にはリオルの実が山を成していた。さて、収穫したはいいがどうしようか…






『んー、亜空間(アイテムボックス)?』



ちょっと考えた末、闇の魔法で空間操作した。

なにもないはずの空中を手で横に凪いでみる。すると凪いだ所がチャックを開けたみたいにパッカリと開いた。



『(おー、これもありなんだ?)』




とりあえず、亜空間(アイテムボックス)にリオルをしまってみるが難なく全部しまえた。それに、闇は(とき)も司るから鮮度も保てるはず。



魔法って結構イメージ通りに実現できるんだなぁーと頭の片隅で考えながら、散策を再開する。



















しばらく歩くとぱっと開けた場所に出た。そこには透明度の高い泉が広がっていた。


泉には前世では見たことのないような水棲生物が自由に泳ぎまわり、水面を揺らしている。



さらに泉の周りは木々に覆われているため、泉だけに光が差している事で幻想的な風景になっていた。





『ん。いいとこだ。』





風景に目を奪われながらも、泉の周りを見渡し休憩に丁度いい日当たりのいい木陰を見つけた。



わたしはそこに腰掛けしばしの休憩をとることに。





『(あったかい…、)』




暖かい日差しに目を細めながら空を見上げてみる。そこには前世とは違う、でもどこか懐かしい様な空が広がっていた。


しばらくぼーっと空を見上げていると、ふと頭の中に前世で聴いたことのある懐かしいメロディーが浮かんできた。

それに合わせて、わたしの口からは無意識に言葉が紡がれていくー…













『【たとえば懐かしい空が見えたなら

震える君の声が聴こえたのなら

離ればなれになっても思い出す

君と()わした固い約束の(あかし)


あの日 語り合ったこと

あの時 笑い合えたこと

胸に(きざ)みただ進むだけ


風に乗せて 君に思いよ届け

そこに そこに 君はいますか

大地に咲く生命(いのち)よ ()えろ (つな)


揺蕩(たゆた)う水は (きよ)い心の調べ

生きて この世界でわたしが

君に出きること 見つけに行くよー…



飛び交う無数の感覚の中で

ホントの自分さえも()くしてしまう

見えない不安に潰されそうでも

弱さ認める方が強くなれる


もしも 嫌になったなら

もしも 耐えられないなら

声にだせ 助け求めて


闇は恐れるものではなくて

安らぎと安寧もたらすものだから

恐れを 捨てろ 進め


断ち切れ やがて やがて 生まれる光に

君が 笑顔になれるなら

どんな時だって 手を差し伸べようーー…】』


リリリィーーンー…



















歌が止むと柔らかな風が木々の間をすり抜け、泉の水を揺らしながら光溢れる空へと花弁(はなびら)を巻き混んで舞い上がって行く。



風が吹き抜けた際、アルミス達との約束の証が風に揺れて、微かに澄んだ音を奏でたのだったー…。






































『それで、そこの満身創痍な君は大丈夫?』



わたしは瞑っていた瞼を開き、気配のある方に話しかけた。そう、歌ってる途中から感じていた気配と音の正体に…








すごく長くなってしまった…

誤字脱字あったらすみません!

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