黒猫、異世界を知る。
2話だよー
『それでは早速、私の世界についてご説明致します。』
あの後押し切られる形で話が進みとりあえず話しの流れに身を任せようと思う。そしたら早速、異世界について説明がはじまるようだった。っと、その前にー…
「あー、その前にお名前をお聞きしても?」
自己紹介大事。
『あら!失礼致しました!私の名前はアルミス。今から紹介致します“生命の繁栄”の創造神です。そして私の使い魔、ハイルですわ。』
《ニャーン!》
やはり女神様だったみたい。名前はアルミスね。そして使い魔がハイルか…
「アルミス様にハイルくんね。改めまして美月日和です。寛大なお心遣いに感謝致します。」
わたしは感謝の気持ちを込めて頭を下げた。
『!いいえ!頭など下げなくてよいのです!それから私やハイルは敬称なしで構いません。敬語も必要ないですわ。』
「いえ、対処して頂くのでお礼は当たり前のこと。敬称と敬語の件はありがたくそうさせてもらうね。アルミスにハイル。わたしにも敬称と敬語はいい。」
『はい!よろしくですわ!ひより!』
《ニー!ニー!》
ありがたく砕けた言葉にするとアルミスは周りに花を咲かせんばかりの笑顔でわたしの手をとり、ハイルはわたしの足元まできて尻尾をわたしの足に絡ませた。あ、かわいいわ。
「ん。(ポンポン」
わたしはあまりの可愛さに無表情でついついアルミスの頭を撫でて、ハイルを片手で抱きかかえてしまったのだった←
「すまん。」
『いえいえ!きにしないで?それでは本題に移りますわ。』
《ニャーン!》
あの後思う存分撫で回して堪能しました。毛並みがよかったからつい←
ま、気を取り直して…
『まず、私の世界についてですが、世界の名は“生命の繁栄”と言います。この世界は、大きく7つの属性で大陸を成し、属性ごとに国が繁栄しています。ただし、属性ごとと言っても、国にその属性の種族だけが暮らしているのではなく、属性によって気候や風土が違うというだけです。例えば、火の国であっても水や木の属性種族が住んでいるということですわ。』
「へぇ、7つの属性か…」
わたしは、アルミスの話しを聴きながらハイルを抱きかかえて喉を撫でた。
『はい。まずは属性と国の名前から説明しますわね?』
「よろしく。」
『まず始めに、“火の国”。ここは火の加護があるため灼熱の国とも呼ばれます。乾燥した土地ですが鉄鋼業が盛んな国です。
次に、“水の国”。こちらは火の国と対極にあり、水と氷の加護があるためどちらかというと寒冷な国で一年の八割は雨が降っています。そのため、雨の国とも呼ばれます。主に澄んだ水を生産して各国と取り引きしています。』
火の国=灼熱の国は乾燥地帯で鉄鋼業が盛ん。
逆に水の国=雨の国は寒冷地帯で水の都みたいな感じか?
『3つ目は、“風の国”。この国は風と音の加護があり一年を通して風が止むことはほとんどありません。そして水の国に隣接しており、互いの加護が作用し合うため、国と国の間には“氷山”と“氷河”が存在します。別名、音楽の国とも呼ばれます。
そして4つ目は、“土の国”。この国は土の加護があり、採掘場や工場が存在し工業や商業が盛んな国です。別名は技工の国、位置としては、火の国と風の国の間にあります。そして、3つの国の加護が作用しあい、広大な“砂漠”が広がっています。』
風の国=音楽の国で氷山”と“氷河っていう山と河に挟まれているらしいが寒そうだな…。
そして土の国=技工の国は工業、商業が盛んっと、楽しそう。砂漠にも行ってみたい。
『5つ目、“木の国”。この国は木の加護により自然豊かな国で林業や農業が盛んな国です。位置としては水と火の国の間にあります。別名は自然の国です。
6つ目は“光の国”。光の加護により治癒術に特化した国になっていて、別名は癒しの国。位置は、水と木の国の間にあり、3つの国の加護によりそれぞれの国境には“森”が存在します。』
木の国=自然の国は林業、農業が盛んか、いいな…、田舎で暮らしたい←
光の国=癒しの国、医療が盛んなのか…役立ちそうかな。
『最後に、“闇の国”。この国は他の国と違い結束力が強く闇属性の者のみ暮らしています。闇属性からは魔物や魔族といった闇属性特有の個体が生まれ残虐的思考になる者も少なくありません。そのため野心家が多いのです。別名、魔の国。位置としては、木と火の国の間にあり、3つの国境には“魔の森”が存在します。
以上が、7つの国の位置関係と属性ですわ。なにか分かりにくいところはあった?』
闇の国=魔の国か、魔族とかいるんだね?めんどくさそうだ…
なんか、色々壮絶な感じだけど、説明はわかりやすかった。
「いや、わかりやすかった。」
『そうですか!それでは、次に種族についてですわね。』
「ん。」
わたしが頷くとアルミスは話しを続けた。
『種族を大まかに分けると、7種類になります。
まずは、人族です。どの種族よりも力が弱く、知能は並、どうしても他の種族からは下に見られる存在です。
次に亜人族。これは獣人や鬼人、ハーフエルフなどの総称で人間と魔族のハーフです。力は純粋な魔族よりは弱いですが人族よりは強いです。しかし、亜人族は別の意味で迫害されていたりします…、
3つ目は妖精族。代表的なのは、エルフやドワーフ、シルフなどで1番種類が多く存在します。力は亜人族よりあります。
4つ目は魔族。これは魔族、鬼族、巨人族の総称になります。力は妖精族よりあるでしょう。
5つ目は不死族で、バンパイアが代表的な者です。力は魔族と同等くらいかと思います。しかし、不死族は闇の眷属であるため、残虐的思考なものがほとんどです。
6つ目は精霊族。これは各属性を司る精霊を言います。力は弱い者から強い者まで多種多様ですね。
最後は神族です。神族は能力不明とされており、存在するのかさえ疑問視される存在です。ですが確かに存在しています。確言う私もその神族なのですからー…。
以上が種族の説明になりますわ。』
ん、種族についてもなんとか理解できた。
んー、それにしても力関係がはっきりしている分、迫害があるのか…。でもそれは仕方ないことでもある、自然界では弱肉強食が摂理だし…
でも、共存できたらめんどくさくないのに…わざわざ争うのは疲れるから嫌いだし。
ま、戦わざるを得なかったらとりあえずは戦う術だけでも知っておかなくてはな…
あ、エルフとかいるなら魔法もあるのではないだろうか?とりあえず聞いてみるか。
「アルミスありがとう。色々な種族が混在してるってことは理解できた。エルフとかがいたり、アルミスの存在があるのなら魔法とかもあるのかな?」
『はい!ありますわ!魔法は魔力があれば人族でも使えます。その点でひよりには持って生まれた潜在的魔力が膨大にあるようです!これは私の魔力にも匹敵するようなものなので私自身も信じられてないのですわ!おそらく、この魔力が有ったためにハイルがみえたのでしょう。』
「へぇ、アルミスに匹敵するのかぁ、身に余る光栄だね。」
《ナーン、ゴロゴロゴロ…》
まさかのことだったが、ある意味よかったと割りきってわたしは腕の中のハイルを撫でた。
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