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敏捷値が高い=強い(旧題ランゲージバトル)  作者: また太び
5章 青の領域と赤の領域(続)
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来客

『颯太か。こちらに電話をしてきたということは学校は終わったのだな』


「はい。すぐに電話をかけられなくてすみません。ちょっと先生に呼び出されていたもので」



校門を出た颯太は、携帯を耳に当てながら帰っていた。



「それでどうしたんですか?」


『至急私の家に来い!』


「はい?え?家…ですか?」


『ダッシュで頼むぞ。では!』



それだけ言ってクレアは通話を切ってしまう。颯太と言えば釈然としないまま携帯をポケットにしまい、クレアに言われた通り通学路を走っていくのであった。



「ん?あれは詩織か?」



クレアの家に向かう途中、仙台駅内で見知った人物を見かけた。それは詩織だった。こちらに気付いてはいないが、友達2人とどこかへ遊びに行く様子だ。

しかし――――



「なんだか元気がないな。いつもの詩織らしくないというか…」



いつもの詩織は竜也と並ぶギルドのムードメーカーとして君臨しているのだが、遠巻きに見る詩織の様子は全く真逆の雰囲気を纏っていた。

眼鏡もかけているし、颯太も人のことは言えないが、どこか友達とも少し距離を置いているようにも見える。



「………」



そこで颯太は以前恵理が詩織は昔いじめを受けていたと言っていたことを思い出した。



「詩織の本来の性格はああなのかもな……俺たちと接している時は無理して笑っているのかな…」



詩織を見ていると視線に気付いたのか、詩織と視線が合い、彼女は前を歩く友達にバレないように颯太へ小さく手を振った。颯太も詩織へ手を振り返すと詩織は小さく笑って友達を追って雑踏へと消えていった。



「あ、やべ俺もクレアさんの―――」


「颯太殿」


「うおおああ!?」


「む、驚かせてすまない」



少しの間詩織が消えていった方向を見ていた颯太は、クレアの家へ急いでいることを思い出して踵を返した瞬間黒い衣装に身を包んだ長身のぶつかった。いや、琥太郎だが。



「な、なんでお前がここにいるんだよ!心臓飛び出るかと思ったぞこの忍者!」


「それは本当にすまないと思っている。どうも自然と気配を消してしまう癖がついているようでな」


「全く…で、なんだよ。詩織でも見張っていたのか?」


「その通りだ。あの会議以来詩織の身に危険が及ぶとも限らん。だからこうして警備をしていたのだが、見知った人物を見かけたから声をかけた次第だ」


「なるほどね。なぁ、余りプライベートなことだから喋らなくてもいいけど、詩織ってあれが普通なのか?」


「”あれ”とは?」


「いや、なんつうか、暗いっていうか友達と一緒にいてもつまらなそうというか」


「そうか、颯太殿は学生服を着た詩織を見るのは初めてだったか」


「学校も違うし距離もあるし、普通は会えないもんだよ」


「ふむ、それもそうか――――今しがたの質問に答えるが、あれは詩織の鎧だ」


「鎧…?」


「うむ。颯太殿たちと遊んでいる時は昔の詩織に戻ると恵理殿が言っていた。つまり颯太殿たちと遊んでいる時の詩織が本来の姿であり、あれは友達を失うのが恐ろしくて纏ってしまった心の鎧なのだ」


「あ~?友達を失うのが怖くて一定の距離を空けていると?いつ友達を失ってもダメージを受けないように?」


「そういうことだ。実に悲しい話だ。何故詩織のような純粋な心を持った者が虐げられなくてはならなかったのだろうか」


「大抵の虐めの発端はくだらない事ばかりだよ。俺の中学時代もあったから分かる」


「颯太殿も同じ目に?」


「いや、俺じゃない」



普段無表情を象っている琥太郎の顔色が変わったことに気付いた颯太は、首を左右に振って否定する。



「何故同じ学び舎で育った者同士が争わなければならないのだろうか」


「本当にな……―――人間関係ってもんは複雑で脆いもんだと思う」


「ふむ……人間を理解するにはまだまだ知識が必要のようだな。その点、先に生まれたボルケーノ達が少しだけ羨ましい」


「そっか。琥太郎は生まれたばかりの神器だったな」


「そうだ。そして詩織は私の最初の神器使いだ。だから、一宿一飯の恩義とは言わないが、この戦いが終わる前に詩織の問題を片付けなければならないと思っている」



琥太郎は『詩織を追う。では、颯太殿』と言って颯太が瞬きをした時には目の前から消えていた。



「頑張れよ琥太郎……」



颯太は次こそ踵を返してクレアの家に向かうのであった。




「クレアさ~ん?」



クレアの家に着いた颯太は真っ先にインターホンを鳴らしたのだが、中から反応がない。



「あれ…?」



一度階段を降りて下の駐車場に向かって彼女の車を確認しに行けばちゃんといつものスカイブルーのスポーツカーが停めてある。



「ん~?車の中にもいないようだしな…」


「あれ?颯太じゃん」


「ん?竜也?」



車の中を覗いていると後ろから竜也の声がして振り返る。すると竜也は『何してんだ?』という顔をしており、颯太は少し気恥ずかしくなって後ろ髪を掻きながら車から離れる。



「クレアさんを知らないか?呼ばれたんだが、どこにもいないんだ」


「クレアさん?クレアさんなら家にいるだろ」


「え?いや、鍵閉まってたぞ」


「いやいや、開いてるって」


「はぁ?」


「すれ違ったんじゃねえの?」


「……?まぁ、とりあえず玄関に戻るか」




颯太は竜也を連れて駐車場からクレアの家の扉前まで戻る。



「本当に開いているのか…?」


「いいから開けてみろって」



竜也に言われるまま颯太は扉のドアノブを捻って引くと、扉はあっさり開いた。



「あれ?」


「なんだ、颯太遅かったじゃないか」



リビングから文庫本を持ったクレアが現れ、颯太は首を傾げる。



「な?開いただろ?お前は何を見て言っていたんだ?」


「颯太がどうかしたのか?」


「聞いてくださいよクレアさん、こいつなんか鍵がかかっていたとか言っていたんすよ」


「鍵…?私は午前中からずっと家にいたぞ?颯太と竜也を呼んだのは私だしな。何故鍵をかける必要がある」


「いや、さっき本当にインターホンを鳴らしてもクレアさんの反応がなかったし、鍵もかかっていたんですよ」



自分の記憶を頼りにそう答える颯太に2人は顔を見合わせて額に眉を寄せる。



「まぁ現に私はここにいる。その問題は今はいいじゃないか。それよりもこれから駅に行くぞ」


「駅ですか?」


「なんで今から仙台駅に?」


「ふふ、それはお楽しみだ」



文庫本を閉じたクレアは靴を履き、外に出て今度こそ扉に鍵を差し込んで家の戸締りをする。



「さ、車で行くぞ。あと6分後に新幹線が到着する」


『新幹線?』


「あぁ、新幹線だ。香織は委員長の仕事、詩織は友達と遊んでいると言われて、暇が空いているのは颯太と竜也だけだったのだ」



全然話が見えない2人は先ほどから頭にハテナマークが浮かび上がっており、訳も分からないまま車へと乗り込む。



「ま、3人だけでいいだろう」



クレアはくすくすと笑ってから慣れた手つきでギアを操作して車を走らせた。




『まもなく新幹線がやってきてまいります――――』


「クレアさん、何故新幹線に?」


「お出迎えという奴だ」



クレアは券売機で入場券を人数分買ってくると颯太と竜也に渡しながらそう答えた。



「え?誰か来るんすか?」


「あぁ、来るぞ。夏休み限定でしばらくの間私の家に泊まる予定だ」


「俺達にも関係している人物と言えば――――」



そこで新幹線がキキキキ――――!!!という音を立てながら停車し、扉が開くとわらわらとスーツを着たサラリーマンや家族連れの人達が降りていくなか、クレアが『来たぞ』と言い颯太と竜也はクレアが見つめる先を見た。


そこには白い猫耳のような帽子を被ってシルバーのキャリーバッグを引いてこちらへとやってくる伊澄の姿があった。



「伊澄ちゃん!?」


「こっちに来たのか」


「やっほ…」


「こちらで会うのは久しぶりだな。東京以来か?」


「うん……」



伊澄に気をとられて気付いていなかったが、キャリーバッグの隣にガンドレアもちゃんといた。

サイズはまぁ中型犬並みのサイズになっているが、それでも通り過ぎて行く人はガンドレアの姿を見ていく。



「おおう、ガンドレアは機械のままなんだな…」


「ガンドレアは人間の姿にはなれない…」


「ま、なにはともあれ伊澄ちゃん!仙台へようこそ、だ!」


「うん…竜也とはリアルで会ってみたいと思っていた…」


「おう!俺も会えて嬉しいぜ!」


「あ、颯太も…」


「なんかすげえオマケ感だな…」


「うむ、2人ともこれで理解出来たか?」


「ええ、理解できました。まさか伊澄さんがこっちに来るとは思いませんでしたが」


「クレアが夏休み皆でどこか行くって言うから来たの…」


「ん?そんな計画俺は聞いてないぞ?」


「それはこれから決めようではないか。もちろん滉介も入れて、な」


「滉介も?」


「あれ?颯太聞いてねえの?滉介も俺の家に泊まる前提でこっちに来るんだぜ」


「いや聞いてねえよ!え、なに?もしかして全員集合するわけ!?」


「あぁ、そうなるな。流石にユキナは無理だったがな」


「ユキナちゃんは仕方ないっすよ」


「ユキナはまだ年齢的にも難しい…」


「いつか、ユキナちゃんも誘って皆でどこか出かけたいな」


「そうだな。今はまず今年の夏を目一杯遊びつくすとしよう!」


「そうですね!」


「おっしゃ!今年の夏は遊び尽くすぞ!」


「今年は楽しくなりそう…」


「さて、私の家で作戦会議だ!颯太と竜也は伊澄の荷物を持ってやれ」


『了解!』


「さんきゅ…」



颯太と竜也は伊澄の荷物を持つとクレアの後に続いた。

どうもまた太びです!


遂に待ちに待ったスマブラにミュウツー実装ですね!早速使ってみましたが、ん~動作がのっそい…wwシャドーボールも溜めがルカリオの波動弾よりも長く、なかなかダメージが稼ぎにくいキャラかな…と私なりのコメントです。

ですが、投げがとんでもなく強く、上投げしていれば150%超えたあたりで重量級キャラ以外は全部バーストできるんじゃないかと思うほど強かったです。

メテオも扱いやすく、結構連発しやすいメテオでした。タイマンで使えるかどうかは微妙なところですが、乱戦ならかなり強いと思います。

そして6月にリュカが実装される予定なので、もちろんそちらもDLするつもりです。

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