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特訓開始

「楽しかったか?」


「うん!玩具も買ってもらったし、本もいっぱい買って貰った!」



午後になり、輝光の騎士団のアジトまで歩く颯太は、前をくるくる回りながら歩くレーナに話しかけた。



「颯太達に世界に蘇ったのは40年ぶりだからね、本当に楽しかったよ」


「40年…?このランゲージはそんな昔からあるのか…?」


「こんなくだらない戦いをもう50年は繰り返しているんだよ」


「なんでだ…………何故ここの運営はそんなプレイヤーの願いを叶える事をそんな50年も…」



裏路地に入った颯太は口に手を当てて考える。



「それは~自分の頭で考えてね?話題を変えるついでに少し良い事を教えてあげる」


「ん?」


「神器にも世代があるんだよね」


「あぁ、そう言えばレーナ達にも新しい古いがあったんだったな」


「私が蘇ってデータを更新したところ、私がいない間で第6世代まで出来たみたいだね。さてと、ちなみに私は何世代目でしょうか?」



可愛らしく颯太に笑顔を向けるレーナに彼は考える。



「ん~……40年っていうと結構昔だよな。それでも10年の空きがある……2世代目か、それとも3世代目か……」


「ふふ、どっちかな?」


「……2世代か?」


「正解ー!正解した颯太には私からちゅーしてあげる!」


「なッ!?お、お前!」


「えへへ、それでね。1世代目は神器の間で一番運営がやらかした時代って言われていて、私より強い神器がゴロゴロいる世代なの。まぁそれは混沌の侵食抜きの話しだけど」


「どんな奴がいるんだ…?」


「私の前のご主人が戦った相手だと、四神かな。セイリュウ、ビャッコ、ゲンブ、スザク。この神器は強かった」



ケロッと強いと言ったレーナに颯太は顔を歪ませる。

前のご主人がいくら強かったか知らないが、レーナには侵食があるのだ。それを持ってしてでも強いと彼女に言わせた四神に颯太はこれからの戦いへ身震いした。



「まぁ、四神が4体揃った時代なんて早々なかったし、今年もいたとしても2体くらいじゃないのかな~?」


「揃ったらまずいのか?」


「まずいよ?仲が悪いのならともかく、4体が手を組めば天変地異だって起こせる」


「それはもうゲームバランスとして崩壊しているだろう……」


「だから言ったじゃん。一番運営がやらかした世代だって。一度神器を生み出せば修正なんて出来ないし、出来たとしても私と同じ封印を施すしかない。でも、颯太みたいな稀にそういう1世代目や2世代目を蘇らせるプレイヤーがいるからね。運営は極力3世代目以降を使って戦って欲しいんだよ」


「2世代目はレーナの世代だよな。でも、運営は1世代目の教訓を生かせなかったのか?そんなに2世代目も危険なのか?」


「2世代目はいわば1世代目に対抗するためのカウンター装置だよ。私だって元はと言えば四神が揃った時に倒す事が出来るように生み出されたんだし、ボルケーノだって1世代目のイフリートに対抗するために生み出されたんだよ。この前のマグナポッド戦では散々だったけど、竜也がもっとうまく使えるようになれば十分バランスブレイカーになれる」


「そうか……ボルケーノも2世代目なのか………他の世代は?」


「3世代目はバランス。ちなみに3世代目を引いたプレイヤーは大体上位に上がって来るよ。そして4世代目だけど、これが一番落ちこぼれの世代だね。火力がピーキーだったり、一番扱いにくい世代なの。颯太を襲ったパラセクトソルジャーは、この世代に当てはまって、攻撃力は高いけど、物凄く頭が悪いし脆い」


「それ、プレイヤーと意思疎通が出来ない場合どうするんだ…」


「簡単な言う事しか聞かないよ?正直4世代目引いた人はご愁傷様。次に5世代目だけど、これは3世代目を少し調整した感じかな。若干下方修正を受けた神器がここに当てはまるね。でもでも、3世代目と5世代目は一番優秀な世代って言われているんだよ。まぁ1世代目と2世代目はもう話にならないから除外されているけど」


「もうお前達は同じ土俵にすら立っていないんだな……」


「私が有名になりすぎたってだけで、正直1世代目と2世代目と戦うのは極力避けた方がいいよ。いつか戦う事になると思うけど、今は様子見かな………強力なスキルを1つ持っているからね」


「分かった。肝に銘じておくよ」



レーナが珍しく真剣な表情でそう言ったので、颯太もそれに答えた。



「最後に6世代目だけど、これは変則的かな。琥太郎もここ。琥太郎を見れば分かると思う」


「あぁ、トリッキーな動きをするんだな?」


「うん。手数でどうにかする神器がここ。私みたいにゴリ押しが出来ない神器は、ある意味厄介だね」


「なるほどな……」


「ちなみに颯太は私とリンクしているから全状態異常に対して完全無効だけど、琥太郎の痺れ罠とか無効化出来ないからね。それも6世代ならではのある意味2世代目のカウンター型っていうのかな」


「バランスブレイカーの1、2世代。優秀な3、5世代。4世代目は残念世代か。最後の6世代は変則的な戦いを好む世代って事だな」


「うんうん、覚えておくといいよ。1世代、2世代目と会ったら絶対雰囲気で分かるはず。私と会った時のような悪寒がね」


「ボルケーノは感じなかったが?」


「ボルケーノが本気を出していないだけ。それに本気出せば竜也の身体に影響及ぼすかもしれないからね。でもね!私と颯太はとっても!相性がいいから私の力を思う存分引き出せるの!」


「………それじゃなんだ……まるで竜也が宝の持ち腐れに聞こえるぞ…」


「持ち腐れだよ。マグナポッドの炎耐性すらも貫通する劫火を生み出せるのに、竜也はまだ引きだせない。この先の戦いで生き残れるか怪しいね」


「特訓次第か…?それってレベルでどうにかなる話じゃないんだろう?」


「そうだね。神器とプレイヤーは一心同体だから、竜也がボルケーノの力を引き出せる、出せないはプレイヤーである竜也次第なんだよ」


「俺達がどうこう言ったところで仕方がないか……」



そんな話を続けているうちにアジトについた。

既に3人は中にいるようで、どうやら颯太が最後らしい。



「悪い、遅れた」


「こんにちは、颯太くん」


「こんにちは!颯太さん!」


「遅いぜ!颯太!」


「竜也はやけに気合が入っているな。ありがとう、香織さん」


「まぁな!少しログイン出来なかったのもあるし、何より初のバトルアリーナだ。嫌にでも気合が入るってもんだぜ!」



颯太とレーナはソファに腰掛けながら、香織が淹れて来てくれた紅茶を受け取る。



「全員参加登録は済ませたな?」


「してきたわよ。ブロック分けが気になるところだけど、出来れば皆一緒のブロックがいいわね」


「だな!それだと連携が取りやすいしな!」


「………まぁそうだな」


「あ………そうだね!」


『やばい、詩織さんともうやり合うつもりでいた』


『わわ…もう颯太さんと戦う事しか考えていなかった』



香織と竜也の発言で颯太と詩織は汗を流す。



「だけど、次に進めるのは30名だ。皆一緒に先へ進める可能性は低いと思うが」


「でも、孤軍奮闘してやられたりしたら次も何もないでしょう?なら、ギルドで連携して共にポイントを稼いだ方が勝率はまだ高いと思うわ」


「それに、ポイントをめっちゃ稼いでいる奴を狙えばそいつのポイントを引き継ぐ事だって出来るんだぜ?十分勝てる見込みはあると思うけどな」


「それって同じブロックになったとき前提の話しだよね。もしかすると3人が同じブロックで、1人だけ違うブロックかもしれない。正直同じブロックになる確率の方が低いと思うな」


「香織さんの言う事も最もだが、1人になることも考えなくてはならない。俺はレーナの変形のおかげで遠距離中距離近距離何でもござれだが、近接相手に慣れていない香織さんと竜也は1人になった時の事を考えるとなかなか厳しいな」


「それなんだよな。香織はどうだ?昨日ティアさんと颯太に鍛えて貰ったんだろ?」


「付け焼刃になりそうかしら………まぁやらないよりはいいのでしょうけど」


「まだまだ香織ちゃんは経験値不足だからね~。フラッグファイトまでに近接相手を捌けるようになるか、それが問題」



いつの間にか『ちゃん』付けで呼ぶようになった詩織は心配そうに語る。



「颯太くんとティアさんが速すぎるのよ………アルテミスの目を持ってしてでも捉えきれないってあなた達の頭はどうなっているのかしら…」


「颯太さんなんだっけ……あのサングラスかけた人が言っていたよね。思想やら勤勉やら、それよりも―――」


「速さが足りない!!だろ?」


「そうそれ!あたし、それ見てから電光石火の戦術好きになってさ、琥太郎も相当速いし、スピード合戦大好きになったの」


「まぁ俺は前にも言った通り、元から走るのは好きだったからな。いつの間にか火力よりも速度を求めるようになっただけだ」


「まぁまぁ香織。この二人の速度を見切れるようになれば大体の奴の攻撃は避けられるようになると思う。フラッグファイトまで頑張ろうぜ?」


「そうですね。兄さんの言う事も一理ありますし、颯太くん、ティアさん。フラッグファイトまで特訓相手お願いね」


「あぁ、分かっている。俺とティアさんも遠距離相手はまだまだ経験不足だ。幸い遠距離のエキスパートであるボルケーノとアルテミスがいる。皆、模擬戦を何度も繰り返して一緒に強くなって行こう」


「おー!」


「ええ、頑張りましょう」


「おう!そうと決まれば早速特訓だ!」


「城に行こう」



颯太達は特訓を開始した。

いつも落ちる時間帯になっても香織と竜也はログアウトせず、颯太と詩織が起きているまで二人はログインし続けて特訓に打ち込んだ。


決戦日は6月25日である。

更新の速さが足りない!!! どうも、また太びです。最近ニコ動で三国志Ⅸのプレイ動画を見ていたらクーガーの兄貴が出てきてびっくり。

元はと言えば天空のユミナ勢が出ているので見始めたのですが、11eyesなど出てきて『うは!俺得じゃん!』な~んて一人で盛り上がってたとさ。


さてさて、ランゲージバトルの投稿を初めて間もないことに関わらず、まさかここまでお気に入り登録してくださる方がいたことに私は驚きました。

余り私の文章力が成長しているとは思わないのですが、それでも多くの方に読んでいただけて本当に感謝感激です。


それにしても兄貴速過ぎませんか?声優の早口も脱帽ものでしたが、何よりも速度がww

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