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会議2

「どこのギルドっすか?」


「まだ確定したわけではないが、グレイヴのギルドと手を組む予定だ」


『ええええええええええ!??!』


「あははは、、まぁ皆が驚くことも無理はない」


「く、クレアさん!グレイヴって私達と敵対しているギルドじゃないですか!」


「そうだな。だが、グレイヴのギルドマスターがここは一度手を組もうと話を持ち掛けてきてな。皆さえ良ければ今夜中にでも返事をするつもりだ」


「ま、まじかよ……」


「まずはギルドマスターである颯太。君の意見を聞こうか」


「………他のギルドメンバーはともかくとしてマスターの方は信頼に値すると俺は思っています。ですから、同盟を組むことについては賛成です」


「そ、颯太お前はいいのかよ…」


「本音を言うと反対なんだが、今回は持てる全ての戦力でシンのギルドとぶつかり合わなければ勝てないと踏んでいる。そもそも俺たちでは圧倒的に人数が足らないし、たとえシンのところにまで辿り着いたとしても既に瀕死の確率が極めて高い」


「私も颯太と同意見だ。であれば一騎当千の力を持つグレイヴのギルドと手を組んで少しでもシンの場所まで辿り着く確率を上げた方がいい。相手は番外世代の神器だ。どんな効果を持っているかわからない。戦力が多いことに越したことはないだろう」


「クレアさんと颯太がそう言うならあたしはいいけど…」


「あまり気のりしないけど、ユキナちゃんのためだもの」


「クレアさん、グレイヴと組むってことはレギュンとも手を組むってことっすよ。いいんすか?」


「此度の戦いでは私情を挟まないさ。今はレギュンよりもユキナの救出を優先すべきだからな」


「なら、俺も腹を括るっすよ」


「滉介も伊澄もいいな?」


『問題ない』


『了解…』



満場一致でグレイヴと手を組むことになった。



「グレイヴのマスターのレンによれば自分と幹部4人がくるそうだ」


「幹部4人か……」


「まともな奴じゃないと思うぜ?」


「レギュンと残りの2人は頭がおかしいが、いつもレンの傍にいる奴だけはまともだぞ」


「え、クレアさん知っているんすか?」


「そりゃあ、ランゲージバトル開始時から小競り合いを繰り広げているからな。知っていて当然だ」


「名前は何と言ったかな………伊澄はどうだ?」


『………分からない……いや、思い出せないと言った方がいい……―――多分あのプレイヤーの神器は認識阻害の能力を持っている…』


「この思い出せそうで思い出せない感じはやはりそうなのか…」


「厄介っすね。そういう神器は」


「まぁ今回は味方ということだし、そこまで重視しなくていいんじゃない?」


「詩織の言う通りだな。とりあえずそこは一旦棚に上げて、今後グレイヴと組んだ場合の役割分担を決めておこう」


『具体的にどうやって分けるつもりだ?』


「まず突入後に予想されるのは、シンに従う大勢に番外世代の神器たちだろう。そこで私達の中から3人をここに残し、他のメンバーは先を目指す」


「3人か……」


「あたし、大勢の相手はちょっと苦手なんだよね…」


「クレアさん、正面ロビー任せて貰えますか」


「分かった。まず香織だな」



この香織の申し出に颯太は少し驚いた。香織の性格的にてっきり流れに任せてクレアの言葉を待つものかと思っていたが、まさか自分から進んで手を挙げるとは思いも寄らなかった。



「香織だけじゃ心配ですし、俺もそこ担当するっすよ」


「竜也のボルケーノが戦闘の安定性が増すだろう。さて、あと1人だが…」


『ならわたしが残る……竜也と香織だけじゃ守りが心配……』


「伊澄が残るか……」


『何か問題でも?わたしはアジダハーカの相手は颯太がするものだと考えているんだけど…』


「ふむ、確かに伊澄の神器はタイマンより大勢の敵との戦闘に秀でているからな。よし、3人目は伊澄で決定だ」


「えーと……次はどうするんです?あと警戒すべきなのはシンとそのアジダハーカを持っているプレイヤーだけですよね?」


「そうだ、と言いたいところだが……あれがシンの全勢力だと思えないのだ」


「ん~どうも見えて来ないっすね~。俺達は実際にシン達と戦ったわけじゃないからその場の雰囲気っていうの?そういうの分からないですよね~」


『竜也の言う通りだな。クレア、もうあんたが決めてしまった方がいいんじゃないか?』


『わたくしも滉介に賛成しますわ。わたくし、あまり同じ問答を繰り返すのは嫌いですの』


「そうか……颯太もそれで構わないか?」


「ええ、お任せします。その場で戦ったクレアさんの決定なら従えますから」


「では、シンの他に強力な番外世代を操るプレイヤーを見据えてこちらも配置していく。アジダハーカは颯太に任せるとして、シン相手およびユキナの奪還は私が担当しよう。そして途中出くわすことだろうシンのギルドの中核をなすメンバーの相手は滉介、詩織、グレイヴに任せる」


『了解した』


「分かりました!」


「………香織、そろそろ食事か?」


「あ、そうですね。そろそろ食事の用意が出来たと思います」



そこでクレアは自分の腕時計に目をやり、時間を確認すると香織に尋ねる。



「では、一度休憩をしよう。切りもいいことだしな」


『分かった。再開時刻はどれくらいだ?』


「1時間後にしよう。伊澄も構わないか?」


『問題ない。それじゃ、一度通話を切るよ』


『俺も切る』



伊澄と滉介が通話を切ると竜也は身体に力が入っていたのか、両手を上げて身体を伸ばしており、颯太は食事をする前にトイレに行くべく席を立った。



「お、颯太トイレか?」


「あぁ」


「場所分かるか?」


「すまん、ついてきてくれるか?」


「おう!俺も丁度トイレしたかったことだしな」


「あ、私もおトイレいく~」


「我は竜也の護衛をせねばならない」



颯太達が部屋を出ていくと詩織は露骨にだらけて虚空に息を吐きだす。



「どうした?」


「いや、なんと言いますか。男子って色々いいなって思いまして」


「どういうこと?」


「つまり詩織は連れションが羨ましいのだろう」


「ちょ!琥太郎!!」


「連れションか……確かに女子はトイレ行くのに友達を誘ったりしないな」


「え、詩織はそういうことに憧れているの?」


「そ、そうじゃなくて!」


「ではどういうことだ?」


「も、もうクレアさんにやにやしながら聞かないでくださいよー!」


「ふふ、冗談だ。では、私たちも颯太と竜也に習ってトイレに行くか?」


「クレアさんそれ冗談ですよね?」


「もちろん冗談だとも。だがまぁ、トイレに行くわけではないが、私も少し席を外す。あぁ、安心してくれ。食事の前までには戻る」



クレアはそう言うと部屋を出ていき、部屋には詩織たちだけが残された。



「アルテミス、厨房からはなんて?」


「あと10分くらいで出来上がるそうです。もう少しだけお待ちください」


「今まで軽くスルーしてたけど、アルテミスは何でメイド服着ているの?」


「あ、こ、これは…!」


「気に入ったそうよ」


「か、香織!」


「へえ、アルテミスってそういう服に興味あったんだ。ねね、良かったら今度うちに来ない?お姉ちゃんまた新しいメイド服作りたいとか言っていたから、モデルになってくれないかな。アルテミスはプロモーションいいし、きっと似合うよ~」


「わ、私がですか?ですが……」


「ふふ、なら今度お茶菓子持って詩織の家に行きましょうか」


「ま、アルテミスだけで終わればいいけどね」


「そうだな。恵理殿の性格を考えれば、アルテミスだけにメイド服を着せて終わりではないだろう」


「流石琥太郎が暇な時脱がされているだけあるね~」


「え、あなたのお姉さん何をなさっているの…」


「まぁ簡単に言うと漫画描いているの。んで、琥太郎はデッサン用のモデル兼アシスタント」


「大分トーンの貼りやベタの塗りがうまくなったぞ」


「あなたのお姉さん本当に自由人ね……」


「まぁね」



誇らしげに語る琥太郎に香織は表情を引きつらせるのであった。

どうもまた太びです。


はい、続きです。

もう少し会議の話は続きますが、これが終わればシンのアジト突入編と文化祭編ですね。あくまで予定なので内容が変わってしまうかもしれませんが、大体こんな感じで行きたいと思います。


さて、結構あっさり後書きを終わるのも何なので少し私の思い出とでも言いましょうか。こういう夜にお友達と会うことについて少し語らせて貰いましょう。


子供の頃、夜に友達と会って遊ぶというのは何だか太陽が昇っている時とは違って特別なものに感じられました。

最も私が覚えている記憶としては、ママさんバレーの練習が夜にある時でした。小学校で帰りの会を終えて友達と帰るときに今日は夜に会える、なんのゲーム持っていく?など話して気分を躍らせながら母親と一緒に夜出かけたものでした。夜友達と遊ぶことに特別な意味を見いだせたのは小学生を過ぎて中学生になっても続きました。結局だからなんだ、と言われれば終わってしまう話なのですが、なんだかその記憶

がやけに鮮明に覚えているのです。


皆さんもそんなどうでも良かったけど、なんだか覚えている記憶とかありませんか?そしてそれをたまに思い出して『そんなときもあったな』とか過去を懐かしんだりしませんか?

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