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グレイヴのギルドマスターと颯太

「どうしたもんかな…」


『結局考えが出てこなかったね』



それからランゲージバトルの世界へやってきた颯太であったが、良い案が出ずにずるずると時間だけが過ぎていった。



「やぁ」



そんな颯太の下へ1人の金髪の青年が現れた。



「え、俺?」


「うん、そう君だ」



突然話しかけてきた青年に颯太は戸惑いを隠せず、右手の人差し指で自分の顔を指して確認を取ると青年笑顔でゆっくりと頷いた。



「どうやらお困りのようだしね。僕に手伝えることがあれば力になるよ」


「あ、いやでも……俺の事情はなんつうか……」



事情を深く話すわけにも行かない颯太はどう答えたらいいのか分からずに後ろ髪を掻く。



「君が欲しがっている情報は神器の襲撃について、かな?」


「なッ!?」


「颯太下がって!こいつ嫌な気配がする!」



とんでもないことを呟いた青年に颯太は驚いた瞬間レーナが彼の前に現れ、目で殺してしまいそうなくらい青年を睨みつける。



「そんな殺気立たないでくれないかな。僕は別に君達と一戦を交えるつもりはないんだ」


「アンタ……一体何者なんだ!」


「僕はグレイヴのギルドマスターの九条レンっていうもんだよ。よろしくね、颯太君」



そう、グレイヴのギルドマスターはにっこりと颯太に敵意のない笑みを向けるのであった。





「あれ、今日颯太はギルドに来ないんですか?」



場所は変わって輝光の騎士団アジト。いつも通りアジトで颯太の到着を待っていた詩織であったが、ログインしたはずの彼が来ないことに疑問に思い、ソファに座ってうとうとして今にも眠ってしまいそうなクレアに話しかけた。



「ん、あぁ………私は何も聞いていないが、颯太もたまには1人でいることもあるだろう」


「それもそうですね。なら、あたしもたまには1人で街中をぶらぶらしてみます」


「それもいいだろう。私は少し寝ることにしよう…」


「分かりました。香織ー!露店見に行こー!」


「うん!いいわよ」


「オッケーオッケー!あれ、伊澄さんは?」


「伊澄さんなら兄さんとクエストに行ったわ」


「ありゃ、んじゃ滉介は?」


「滉介さんは多分いつもの酒場にいるんじゃないかしら」


「お、それなら滉介も誘って露店に行こう!」


「うん、分かった」


「行ってきまーす!」


「行ってきますね」


「あぁ……気をつけてな…」



遂に帽子を深く被って横になってしまったクレアに詩織はそう告げ、自分のテイムモンスターのお世話をしていた香織を誘って2人はギルドを後にした。




「………」



そして場面は戻って颯太はレンの後に続いて暗い路地を歩いていた。


いつでも武器を抜けるよう臨戦態勢を崩さず、混沌の目も発動させながら颯太は目の前の男の後に続いていく。



「ここで話さそうか」


「ここは…」


「僕ともう1人のギルド幹部が好きな酒場さ」



ネオンライトが光る随分とアメリカンな酒場へやってきた2人は中に入っていく。



「いらっしゃい」


「や、マスター」


「これはこれはレン様。いつもありがとうございます」



中は木造で出来た至って普通の酒場だったが、薄暗いライトのせいか大人の雰囲気を感じて颯太は思わず身が引き締まった。



「えと、何か飲む?奢るよ」


「俺はいらない」


「そっか、残念だな。マスター、僕にいつもの」


「かしこまりました」


「それでさっきの言葉はどういうことだ」


「……君は自分達を襲った者達の情報が欲しいんだったよね」


「………そうだが」


「初めに言っておくとあれは僕らじゃない」


「なんだと?それは確かなのか?」


「神に誓ってね。怒らないで聴いて欲しいけど、君達が強いことは確かに認める。でもね、何もリアルの世界で襲撃するほどの脅威ってわけでもないんだよ。僕らグレイヴからするとね」


「………それだけの情報で信用しろと?」


「幹部全員にも聞きまわったし、確認も取れている。それでも信用出来ないのなら悪いけど、話はここまでかな」


「いつものメロンソーダでございます」


「うん、ありがとう」



てっきりビールでも飲むのかと思えば着色料たっぷり入っていますと言わんばかりの緑色のメロンソーダが出され、颯太は少し面食らう。



「で、どうする?僕らを信用してくれると言うのであればまだ話は続くけど」



目の前でメロンソーダをストローで飲む男に颯太は悩んだ。



『レーナ……』


『………信用していいと思う………この人、神器に理性乗っ取られているわけでもないし、神器からも禍々しいオーラも感じない…』


『え?グレイヴのギルマスをやっている男の神器が普通の?』


『うん………でも、1世代目の神器だよ……それもとてつもなく凶悪な神器……』


『あぁ、それは分かる。この男からビシビシ感じるオーラは間違いなく1世代目のものだ…』


『気をつけて……信用していいけど、この人の神器はニヴルヘイムやゲオルギウスとタイマン張れるくらい強い…』


『分かった……』


「信用する」


「お、それは良かった。いや~良かった良かった。僕もさ、幹部から聞いていたけど、やっぱり君は頭が切れる人間なんだね」


「でも、完全に信用したわけじゃないからな」


「あぁ、それはいいよ。そもそも僕らは敵同士だからね」


「だが、話しに入る前に何故俺に情報を与える気になった?」



そう、颯太はそこが知りたかった。何故敵同士である自分にレンは情報を教える気になったのか。



「簡単に言うと相手の思惑通りになりたくなかったからかな」


「相手の思惑?」


「今回の襲撃に入るに当たって相手の目的は君達の神器の破壊じゃないんだよ。神器破壊はあくまでオマケで本当の目的は敵同士の潰し合いにある」


「潰し合い…?」


「そう、潰し合い。颯太君に聞くけど、もし僕らが君達を襲撃したとして考えたら、何か心当たりがあると思う?」


「えっと………この前の勢力戦でカレラとユーノの神器を壊したからその仇討ちか?」


「正解だ。つまり、それを利用されたんだよね。実際襲われたとき僕らだと思ったでしょ?」


「そうだな。お前たちのギルド以外に当てはまらなかったからな」


「さてと、全部ベラベラ喋って颯太君に『なるほど』と言われても困るから情報を共有し合って自分自身の力で当ててみようか」


「面倒なことを…」


「どっちにしろ皆で共有しあうんだから、情報はより正確に鮮明に覚えておいた方がいいでしょ?」


「……分かったよ」


「素直でよろしい。と言ってもね、僕のギルドと颯太君のギルドの共通点って1つしかないんだ」


「確かに俺とアンタとでは全然一致しなさそうだもんな」


「僕から話すと実はその襲撃してきたギルドと一度揉めてね。戦いになったことがあるんだ」


「アンタらのギルドなんていつもいざこざがあるだろ」


「あはは…血の気が多い人達ばかりだからそうなんだけど、ちょっと違くてね…―――それで揉めてからそりゃあ険悪な関係になっちゃってさ。勢力戦でも最後の防衛頼んだのに途中でどっか行っちゃったりしたんだ」


「アンタらのギルドの命令を無視するくらいの力はあるってことだろ?それで尚且つ俺もそいつの顔を知っているとなると……」


「最後のヒントを言うと君のギルドに入ったばかりの子の神器が関係しているね」


「あッ!分かったぞ!!」


「うん、そうだ。君達を襲ったギルドはセイリュウの神器使いのシンだ」



レンはそう言い、颯太はぎりっと奥歯を噛んだ。

どうもまた太びです。


いやー遂にポケモン20周年というわけで今年の冬に新作が出ますね!私絶対買いますよ!どっち買うかというと姉がムーンを買うそうなので私は必然的にサンを買うことになりますね!はい!

めっちゃテンション高いな!って思われますが、テンション上げなきゃやってられませんよ!

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