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敏捷値が高い=強い(旧題ランゲージバトル)  作者: また太び
5章 青の領域と赤の領域(続)
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レーナと研究者尾崎の出会い

「あれ……ここは…」



颯太が目を覚ますとそこは自室だった。カチカチと時計の針が動く音がだけする何も変哲のない場所。



「あ、そうだ!レーナは!?」



颯太は身体を起こして立ち上がるとそこには眠ったままのレーナの姿があった。



「ん……うぅ…」


「レーナ!大丈夫か!?」


「颯太……さん…」


「あぁ、良かった…何もされていないか?」


「うん……全部思い出したから大丈夫…」


「思い出したか…」



そこで颯太は彼女の瞳が赤いことに気付いた。



「………レーナ、その目…」


「本当の私の目の色は赤いんだよ。リーナお姉ちゃんも赤かったでしょ?」


「あぁ、言われてみれば確かに……」



でも、颯太はそれを聞いて自分の知っているレーナはどこかへ行ってしまったかのように思えた。



「颯太さん、青い瞳をするワタシから全てを聞きました」


「―――ッ!レーナはなんて!?」


「あなたと別れることは寂しい。でも、私の中で生き続けるからと」


「そうか……レーナ…」


「……なんだか複雑だなぁ……私はレーナなのに、あなたが見ているレーナは違う。同じ気持ちを共有するから少しもやっとする…」


「あぁ、すまない……でも、俺の知っているレーナはもういないのか…」



それを聞いたレーナは表情を曇らせる。



「落ち込ませるつもりはなかったんだけど……なんだか気持ちがうまく言えなくて…その、ストレートになってしまった…」


「ううん、あなたは悪くない……――――やっぱり代わりにはなれないね」


「代わり…か」


「代わりになるつもりはない。だから、私は自分が思うままの自分を貫く。それできっと颯太さんを振り向かせて見せるから」



赤い瞳のレーナは颯太へ笑顔を浮かべた。無邪気な青い瞳のレーナとは違い、少しだけ大人びた表情で。



「あのね、颯太さん―――え?ちょ、ちょっとなにこれ!?い、意識が!?」


「え?レーナ?どうしたんだ!?」



レーナは突然目を閉じて頭を抱えたかと思うと、くるっと顔を上げた。



「いで!?」


「あだッ!?」



その瞬間颯太の顎にレーナの頭が直撃し、お互い顎と頭をさする。



「ど、どうしたんだ?」


「颯太、ワタシはちゃんといるよ。私の中に」



顔を上げたレーナの瞳は青かった。



「レーナ!」


「でもね、自我の主導権はあっちにあるみたいだから、普段は記憶取り戻したほうになる。あ~もううるさないなぁ、少し黙っててよ」


「け、喧嘩しているのかお前ら…」


「すぐ交代するってば!あのね、だから颯太は悲しまないで。颯太の知っているワタシはずっと颯太を見守っているから。えと、寂しくなったら表に出てきていい?」


「あ、あぁ!いつでも会いに来い!」


「うん…!それじゃ、バイバイ」



青い瞳のレーナは颯太の胸に数秒だけ抱きついてから名残惜しむように離れる。



「あの別れ方からして完全に消えたと思ったのに……」


「全く心配させやがって」



颯太から離れた時にはもう彼女の瞳は赤かった。



「……颯太」


「え…?」


「……やっぱり嫉妬しちゃうな…」



青い瞳のレーナの声真似をしたレーナは明らかに自分と反応が違う颯太を見て寂しい表情を見せる。



「ご、ごめん……つい…」


「………私…記憶を取り戻さなかった方が良かったのかな…」


「そ、そんなことはない!」


「でも現に颯太さんは私を通して違うワタシを見ている…!」


「………」


「私はカオスモーメント・レーナだけど、レーナ・ファミルトンでもあるんだよ…!」


「ごめん…」



レーナは涙を流しながら颯太にそう訴えた。その涙に颯太は謝ることしか出来なかった。



「あなたのために尽くしたい…!そう想っているのにあなたは青い目をしたレーナを見ている…!」


「ごめん…」


「謝らないでよ!私が悪いみたいじゃない!」


「ごめん…!」


「―――ッ!もう!知らない!!」



レーナは颯太に背を向けて寝てしまった。



「ありゃりゃ、引っ込んじゃった」


「レーナ…」


「ごめんね?本当はちゃんとワタシがいるってことを伝えたかっただけのに、こんなことになっちゃうなんて…」


「お前は悪くない。悪いのは俺だ………」


「……颯太、もう今日は寝よう?今日は色々あったし、颯太もあっちの私も心に余裕がないんだよ」


「あぁ……そうする…」


「だから、明日になったらまた話そ?1日経てば冷静になれるから」


「あぁ、ありがとうな」


「うん。ワタシはいつでも颯太の味方だから」


「サンキュ。んじゃ、またな」


「それじゃ、またしばらくお別れだね」



颯太は電気を消して布団に潜るとFDで詩織とクレア宛てに自分は先に落ちたというメッセージを送った。

返信はすぐに返ってきて勢力戦をやっているクレアは無理だから、これは詩織だとメッセージを開く前に気付きながら開く。



『了解!あたしもなんか目が覚めたら現実世界に戻ってきていたから、お互い様だね』


「詩織もエニグマンに戻されたか…」


『詳しい話はまた明日にしようね。このことクレアさん達に言うべきか悩むけど……そこは颯太に任せる』


『あぁ、了解した。それじゃ、おやすみ』


『颯太もおやすみー!』



颯太はFDをテーブルに置いて目を閉じる。



「ぐす……ぐす…」



声を押し殺して泣いているレーナの声が聴こえる。今自分が声をかけても逆効果だと言うことは分かっている。

だから、颯太は何も言わずに眠りにつく。



「………」



その日は子供の頃の自分と母さんが夕日で赤く染まった道を一緒に手を繋ぎ、赤トンボを歌いながら家に帰る夢を見た。








ピピピピ―――!!



「あ……もう朝か…」



颯太はテーブルに置いた目覚ましのリセットボタンを手を伸ばして押す。



「って…もう夏休みだから目覚ましいらなかったな…」



そこで颯太は起きようとして自分の布団に潜り込んでいる存在に気付く。



「………」



布団をめくるとそこには熟睡するレーナの姿があった。恐らくこのレーナは赤い瞳をしたレーナだろう。

泣きつかれたのか、目元を赤く染めてぐっすり眠るレーナは見た颯太は起きるのやめて再び布団をかぶった。



「………」


「すぅ…すぅ…」



小さな身体で颯太の腰に抱きつくレーナからは誰にも渡さない、という意思表示を感じた。それは完全に自分の中に住むもう1人の自分に宣戦布告しているように見え、颯太には何だか青い瞳のレーナが『やれやれ』と苦笑している姿が思い浮かんだ。



「なんで俺は2人を比べるようなことをしたんだ………ホント馬鹿だな…」



自分の馬鹿さ加減に嫌気が差す。



「最後に1回だけ謝る。ごめん。もうお前達を比べたりなんかしない。2人は等しく俺の大事なレーナだ」



颯太はそう言って2度寝をした。



『………』


『なぁに?そんなに顔真っ赤にして』



実はさっき颯太が身体を起こした拍子に目が覚めてしまったレーナは今の颯太の言葉を聞いて顔を真っ赤にしていた。



『う、うるさい!でもまさかこんなこと言われるなんて思わなかったから…』


『まぁ、颯太は優しいからね。だからうるさい小バエがたくさん寄ってくるんだけど』


『え?は、ハエ?』


『なんでもな~い。ふぁ~あ……ワタシは眠いからもう少し寝るよ。それじゃ』


「………」



レーナは颯太が起きていないことを確認してもぞもぞと動き、彼の顔と同じ位置まで上がってくるとちゅっと頬にキスをした。



「………今はこれだけ……――――はう…む、無理…!私も寝る…!』



当然寝られるわけもなかった。




颯太とレーナはそれから2時間後に部屋の気温の高さから目を覚ました。時刻は10時を回り、アブラゼミは盛んに鳴き、颯太は素早く扇風機を操作してスイッチを入れた。もちろん『強』である。



「あ、暑い!!」


「暑い!」


「タイマー切れていたか!」


「じょ、情報では知っていたけど日本ってこんなに暑いんだね…!」


「レーナはどこに住んでいたんだ?」


「アルプス山脈だよ。そこで羊と牛の牧場を経営して生計を立てていたの」


「へえ、それじゃ暑いのに慣れていないだろうな」


「うん、こんなに暑いなんて聞いてないよ…」



颯太は布団を畳むと服を脱ぎ捨てて着替え始めた。



「あ……」


「ん?どうした?」


「あ、いやなんでもない…」


「ん?そうか?」


『そうだった……映像で見た時は普通に颯太さんはこの部屋でワタシの前だろうと着替えていた……わ、私も早くなれないと…』


「脱いだ奴は分かるよな?」


「う、うん。下の洗濯機に放り込んでおけばいいんだよね?」


「あぁ、それでいい」



ラフな格好に着替えた颯太は携帯を持つとそのまま部屋を出て行ってしまった。



「ふぅ……慣れるまで大変そう…」



頭では分かっていながらも慣れない自分を叱咤するため頬を叩く。




「颯太」


「来たか」



アニメのキャラがプリントされたシャツとホットパンツという出で立ちのレーナは下の階に降りると、そこにはソファで携帯を弄る颯太の姿があった。



「今日はクレアさんに事情を話す。あの人とは連携しなきゃダメだ」


「え?話すの?」


「あぁ、既に連絡をつけていた。もうすぐ来る」


「早いんだね」


「クレアさんは真面目だからな」



それから10分後、家の前にスカイブルーのスポーツカーが停まり、颯太の家の扉が開かれた。



「今日も暑いな」


「どうぞあがってください」


「うむ――――ん?なるほど、颯太が言っていたことはこういうことか」



リビングに上がってきたクレアがレーナを見ると一瞬で違いに気付き、レーナの前にしゃがむ。



「初めまして、かな?私のことは知っているだろうが、こうして会うのは初めてだな」


「うん…あなたのことはよく知っている。前のワタシが唯一心を開いた人」


「君の青い目も好きだったが、今のワインレッドの目も好きだよ」


「あ………そう?」


「ふふ、やっぱり君は笑うと可愛い」


「ひゃ!?」



突然レーナを抱きしめると頬にキスをした。



「え?え!?」


「さぁ、話を聞かせて貰おうか。颯太もこれからだろう?」


「はい。クレアさん、コーヒーはアイスで?」


「あぁ、それで頼む。こんな日にホットなんて飲んでられるか」



何が起きたのか理解出来ないレーナを解放してソファに座ったクレアはバッグから録音機とメモ帳を取り出す。



「どうぞ」


「あぁ、すまないね。それじゃ、颯太も座ったことだし、始めようか」


「何から話せばいい?」


「では、こちらから質問させて貰おう。君と研究者の出会いは?」


「えーっと…いきなり牧場に現れたかと思ったら注射を打たれて、私とリーナお姉ちゃんは眠らされました」




ゴオオオオ―――という車の走る音がする。目隠しされているから周りの様子は全く分からない。

タイヤが砂利を踏む音が何度も聞こえる。しばらく車が走っていると砂利の音は聞こえなくなり、公道を走っているのか車とすれ違う風の音やクラクションの音が聞こえてきた。



「………」



どれくらい走っていたのか分からないが、やがて車は停車した。



「――――」


「――――」



外で誰かが喋っている。


キ――――――――ン!!というレーナが聞いたことがない耳をつんざくような轟音が聞こえてきた。

あんな山で暮らしていた自分ならきっと未来永劫聴く事はなかったであろう不快な音。でも、今神器として現代のデータベースにアクセスできる自分なら分かる。


あれは、飛行機のジェット音だった。




「ん―――ッ!」



車から出され、自分を誘拐した男に抱きかかえられる。布を口に巻かれているため喋ることも出来ず、睡眠薬のせいでまだ意識がぼーっとしていた。

レーナはなすがなされるまま運ばれ、やがてうるさい音を発するもの。飛行機に乗せられて座席に固定された。



「おい、そっちの女の子も丁重に扱えよ。大事な研究サンプルなんだ。傷でもつけたら先生がお怒りになるぞ」


「分かっている」



自分以外にもこの飛行機に乗せられていることが分かった。



「これから8時間のフライトか。ふぅ、なかなかきつい仕事だな」


「銃撃戦をするよりはましだろう」


「ま、そうだねえ」



男2人はそれからもずっと喋り続けていた。恐怖で気がおかしくなりそうだった。でも、身体は睡眠を欲しており、やがてレーナは意識を手放した。




「うっしょ」



という男が自分を運ぶ声で目が覚めた。どうやら目的地についたらしい。



「サンプルに傷はつけてないだろうな」


「もちろんですとも。報酬はいつものところへ」


「あぁ、分かっている。それではそれを運びたまえ」


「はい」



研究者?だろうか。結構若い男の声がレーナの耳に届く。それからやがて足音は硬いアスファルトを踏みしめる音からカツカツと人工物特有の音に変わり、レーナは嗅ぎなれない薬品の臭いで満ちた施設に入ってしまったようだ。



「さぁ、シリアルナンバー20000はここだ」


「うっ…」



目隠しと口に巻かれていた布が取られたかと思うと、レーナは白いタイルの部屋に放り込まれた。



「え!?ここどこ!?」



そして――――バタン!!と扉が閉められ、レーナは振り返る。



「あ、あなた達は誰なの!?わ、私を帰して!」


『いいかい、よく聞くんだ。これから君は実験サンプルとして扱われる。もちろん殺すようなことはしない。私の研究成果が出れば必ず解放して元いた場所に帰そう』



白衣を纏った若い男性の研究者はレーナにそう優しく諭した。



『だから今は僕の研究に協力してくれ。ここでの生活は不自由させるつもりはない。もし何かあったらそこの電話を使って我々を呼んでくれて構わない』


「う、うん」


『僕の名前は尾崎おざき 隆正たかまさという。これからよろしく』


「オザキ…?」


『あぁ、尾崎だ』



それがレーナと尾崎の出会いだった。



「尾崎…?」


「うん……尾崎はランゲージバトルを開発する研究者の中でも神器のケアを行うカウンセラーみたいな人で、研究施設の中にある遊び場で私たちに色々な遊びを教えてくれた」


「神器のケアか……」


「他の研究者は私たちのことはシリアルナンバーで呼んだけど、尾崎だけはいつも名簿を持って私たちの名前を覚えようと努めていた」


「私たち、とは?」


「私たちの他にも小さい子供がいっぱい集められていたの。尾崎は色々な年齢の人がいる中で、比較的年齢の低い子供の神器候補を担当していて、私やリーナお姉ちゃんもお世話になった」


「なるほど……」



クレアはメモにペンを走らせた。



「オザキー!今日は何して遊ぶの?」


「ん、レーナ。君は今日検査がある日じゃなかったかい?」


「あ、そうだった」



尾崎が自分の部屋の前を通る度にレーナは話しかけた。だって彼は子供達に大人気で、そんな彼をレーナは独り占めしたかったのだ。

彼が部屋の前を通って話しかければその間だけ尾崎は私に構ってくれる、と。意識しなくともそれは実に子供らしい嫉妬だった。



「注射はもう慣れたかい?」


「ん~……慣れた!でも、見たくはないかな~」


「え~っと……検査状況は…おお、これは凄い才能だ…」


「ん?どうしたの?」


「レーナ、君はとても優秀な子だよ!もしかしたら僕が開発したあのデータをインストールすることが出来るかもしれない…!」


「オザキ…?」


「あ、あぁすまない!ちょっと興奮してしまってね。とにかく僕は君に期待しているんだよ。あの子供達の中で一番ね」


「わぁ…!ホント!?」



尾崎に褒められることはレーナの何よりも変え難い喜びだった。尾崎が笑っている。尾崎が笑えば私も嬉しい。そうレーナは考えて厳しい投薬実験も難なくクリアしていった。




手術台のような台に寝かされているレーナには分からない。が、エニグマンと尾崎が巨大な画面に映し出された曲がりくねった線と並んだ数字を見ていた。



「……これは…」


「尾崎君……君は最高だ…!」


「エニグマン、この子の開発は僕に任せて貰えませんか」


「いいだろう。シリアルナンバー20000の件は全て君に一任する」


「オザキ……」


「レーナ!やったぞ!これで君は生まれ変わることが出来る!」


「オザキが喜ぶのなら私も嬉しい…」



麻酔のせいで揺らぐ視界の中でレーナは子供のようにはしゃぐ尾崎を見た。そして彼は自分の手をとってぶんぶんと上下に振り、レーナは頑張って笑おうとするがうまく笑えない。



「私も負けてられないな。尾崎君、いつか君の神器を超えるような神器を作り上げてみせよう」


「望むところですよ」


「では、私は研究室に戻る。君もこれから篭るのかい?」


「そうなりますね。食事のほうはレーナと僕の2人分で」


「分かったよ。それじゃ、食事の配達は研究室の扉を通して渡そう」


「お願いします」



エニグマンは腕を回しながら『私もやらねばな』と言って部屋を出て行った。



「レーナ、これから君は僕の研究所に住むようになる。君のお姉ちゃんや他の子とは会えなくなってしまうけど、いいかな?」


「うん……大丈夫…」



その時レーナはこれで尾崎を独り占め出来ると内心で大喜びした。

「前回数話投稿すると言ったな、あれは嘘だ」


「ウワアアアアアアアアアア―――!!!!」



どうもまた太びです。


これからの話はレーナが何故神器となったのか。それにエピソードを展開していきたいと思っています。

あぁ、レーナちゃんそんな男にだまされちゃダメー!!

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