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老眼鏡

作者: tky

昔すごく嫌いな教師がいた


いつも何かと僕にからんできて、皆の前で僕にいちゃもんをつけていた


嫌いで嫌いでたまらなかった・・・


でもある日思ったんだ


こんな人でも何処かいいところがあるのかもなって


必死に探した


しかし卒業式を迎える前に見つけることができたのは、


彼も人間だという事実と


たくさんの彼の欠点と


結局僕も彼もお互いにお互いを嫌っているという事実だけだった


ぼくは近眼だったのに


遠くを見ようとしてたはずなのに


なんで老眼鏡をかけていたんだろう


みえるはずないよね



昔すごくあこがれる奴がいた


顔がよく、背が高く、勉強もでき、運動は学年一できて、誰にでも親切


典型的なカッコイイ奴


比べるほうが間違いだということはわかっていたけれど


どうしても僕が彼に勝っているところを見つけたくて


すごく必死に探した


だけど見つけたのは


彼が僕より冗談がうまいことと


僕が好きだった女の子が彼に恋していることと


僕が彼になりたがっているという事実だけだった


僕は近眼だったのに


遠くを見ようとしていたはずなのに


何で老眼鏡をかけていたんだろう


見えるはずないよね



上司に勧められるままに見合いをし


そのまま成り行きで結婚してしまったが


その女を僕は日に日に嫌になっていった


上司の勧めだから別れることもできないし


しょうがないからいつかのように


彼女のよいところを探してみた


見つけたのは


彼女は一途に刑務所にいる男を愛していて


決して自分を愛さないだろうことと


その一途さだけが彼女の唯一の美点だということだけだった


僕は近眼で


老眼鏡など必要としていないのに


度の強い眼鏡が必要なのに


なんで老眼鏡しかないの・・・


いつも眼鏡だと思って手にとってかけると老眼鏡


いっそのこと付けないでいいやと


全部放置していても


なぜいつの間にか老眼鏡がついているの


誰か僕に


いつ老眼鏡はとれるのか


どうしたら老眼鏡はとれるのか


おしえてくれよ


悲しすぎるよ


こんな人生














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― 新着の感想 ―
[良い点] なかなか面白い文章表現だと思いました。
[一言] 老眼鏡、っていう例えが印象的でした。 こんな風に見ている人がいるのだとしたら、それはきっと欠陥だらけで素敵な人なんでしょうね。
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