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敵襲に上手く対応できるのだろうか?

 いきなり敵襲か、これはさすがに予測していなかった。


 まったく、運がいいとはまったく言えないが対応するしかないだろう。


 とりあえず、ダンジョンコアのヘルプを見る。


 新しい項目がたくさん追加されていた。


 神の性格は物凄く悪いと思ったが、そんなことを考えてもこの状況は解決しない。


 あった、敵襲時の項目が。説明が嫌にまわりくどいが、まとめてやればこうなる。


 ・敵襲時はダンジョンコアの機能を使ってダンジョン内に物を召喚したり、ダンジョンの構造を変えることはできない。


 ・ボス部屋が無い場合はボス部屋を作らなければならない。


 ・ボス部屋のボスはダンジョンコアの所有者が自由に決める。


 ・ボスに選ばれた段階でその者の戦闘能力は大幅に引き上げられる。代わりにダンジョンコアの所有者がボスになったのでもない限り、ボス部屋から出ることは基本的にできない。


 ・ボス部屋の装飾や仕掛けは、ダンジョンコアのレベルとランクに応じて所有者が自由に決めることができる。


 ・ボス部屋のボスを倒すとボス部屋の奥に進むことができる。


 ・ボス部屋は複数作ることができる。


 ・侵入者にダンジョンのボスがすべて撃破された場合、ダンジョンの所有者は敗北し、侵入者にダンジョンの所有権を譲渡しなければならない。


 ・ダンジョンの所有者が指定したボス部屋には必ずダンジョンコアを置かねばならず、ダンジョンコアが破壊された場合もダンジョンの所有者が敗北したとみなし、侵入者が残ったダンジョンコアをどう使うか決める。


 ・ダンジョンコアが破壊された時点から一日が経過後、ダンジョンは崩落する。


 ・ダンジョンコアは所有者の望みに応じた形を取ることができ、侵入者にダンジョンコアと認識されていない場合は破壊されない。


 なるほど、だから侵入者はダンジョンコアを求めるのだな。ダンジョンコアの所有者になってしまえば永続的な戦闘能力の強化がかかるわけだから。


 では研究所の前に作った大部屋をボス部屋に指定してボスを自分に指定、装飾は……、天井を星空に、壁を長方形の石を敷き詰めたような作りにして、床は壁と統一感を出すために石畳にする。ボス部屋の侵入者から見た入口の扉は、金庫の扉と同じような厚く頑丈な扉にした。セキュリティー面は鍵もかかっていなくてただ押せば開くようなものだが、それでも重さが500kg程と重いので、侵入者の力がない場合は、この扉を開くことさえできないだろう。


 仕掛けは、『ダンジョンの所有者がその部屋の重力を自由に操ることができる』というものにしておこう。


 次に研究所に戻り、改良済みのパワードアーマーをアイテムボックスに入れ、とある準備をする。


 あとは、白衣を着て両手の指すべてにパワードアーマーを仕込んだ指輪を装着。両腕にも同じくパワードーマーを仕込んだ腕輪を、そして首にパワードアーマーを仕込んだ指輪をかけて準備完了だ。


 あとは神が居た世界で準備したものをどれだけ生かせるかの勝負だ。


 ◆◆◆◆◆


 ほどなくして侵入者は扉を蹴破って突入してきた。


 乱暴だなと思いながら最初に話すべき言葉を考えていると、侵入者の方から話しかけてきた。


 「あなたがダンジョンマスターですね。ダンジョンコアをいただけないですか?」

 

 あいさつもなしに突入してきてダンジョンコアが欲しいもなにもないと思ったが、一応理由を聞いておこう。


 「何故ダンジョンコアが欲しいのだ。理由くらい説明してもらおうか」


 「私の仲間たちを助けるために必要なのです。いただけないのであればあなたを倒して力づくでもらっていきます」


 侵入者の外見は美しく、後ろでまとめられた亜麻色の髪に、まるでルビーのような瞳に整った顔立ちと並みの男なら一目ぼれしてしまいそうであるが、着ているのは純白のミスリルを使った軽鎧に、油断なく構えているのは鈍く光る何かの骨と思われる金属質のもので作られた剣と、漆黒の物質で作られた、思わず目を逸らしたくなる美しさとおぞましさにあふれる盾。


 総じて油断などできない。今はまだ話に付き合う余裕があるようだが、仲間を助けるためという言葉と、その様子からして相当急いでいるのだろう。


 そして、<解析>を使い種族と加護を急いで確かめた結果、種族は英雄であり、加護は僕が連れてきた双子の天使と堕天使のものだった。


 ということは大体ここに来た理由も大体想像がつく。仲間が人間にとらわれ逃げてきたが、偶然ここを見つけ、ここのダンジョンコアで力を増して仲間を奪還するというあたりだろう。


 「なんだ、仲間が何かに捕らえられているのか?」


 「私はダンジョンコアをいただきたいのです。そんな無駄話には付き合っていられません。さあ、ダンジョンコアを渡してくださるのか、違うのか、どちらなのです!」


 やはり図星か、表情が変わった。でも僕とてここでダンジョンコアを渡すわけにはいかない。


 「僕に勝ったらあげるさ、その代わり僕が勝ったら僕に協力してくれないか?」


 「わかりました。私はあなたを倒してダンジョンコアをを手に入れます。来なさい『私の翼』!!」


 「よしこれで契約成立だ。異論はないな?『アリエス』起動」


 彼女は背中に翼を生やし、僕は全身にもふもふの毛が生えた装甲を装着する。


 こうして戦闘が始まった。

 

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