実験の結果はどうなるのか?
お久しぶりです。
半年ほど遅れてしまいました。
素材解析の結果が出るまでは一階の第六実験室でひたすらに自分の肉体を切り刻んでいく。
第六実験室は人間の限界を知るために作った実験室で撮影機器や脳波測定装置、食べ物や水をとってくるロボットアーム、ガス噴射装置、他には寝るためのベッドが置いてある。
ここで半年ほど自分の肉体で実験し続けたあと使い物にならなくなった部位を全て、改造を施した自分のクローンと交換した。
ここに来るのはそれ以来になる。感傷に浸るのはこれくらいにして設定も完了したので実験を開始しよう。
まず、腕に小さい傷をつけてみる。
治るのが早い。わずか一分で傷が跡形もなくなってしまった。
これを一秒以下にできるように繰り返していこう。
作った剣で秒間百回は切れるように頭をいじったので問題ない。
そうして10万百二十回ほど切ったくらいには切られた端から回復しているくらいにすることができたので、次に手首を切り落としてみた。手首は30秒で再生、切り落とした手首はダンジョンに吸い込まれていった。
これも、一秒以下で出来るように繰り返していく、次には腕、その次にはひざから下という具合で実験を行っていく。
そうして、腰のあたりで二つに分けても1秒以下で再生できるようにしたところで解析終了のアラームが鳴った。
解析結果を見ていると、とんでもない事実を発見した。
なんと電子や陽子や中性子が魔力と呼ばれるものからなっているというのだ。
いや、それはもう僕のいた世界とは違う理論で世界は形成されているといっても過言ではない。
電子や陽子や中性子と呼んでいるものも違う。これは僕のいた世界での物質ではない。
ヘルプで確かめてみると。
『魔力』
意志に反応し、その意志により自在に操られるもの。
暴発などもあり得る。
便利ではあるが使用には才能と、暴発させない技量が求められる。
となっている。
なんてことだ。意志などという極めて曖昧なものに的確に反応するなんて、下手なナノマシンよりも優秀じゃないか。
いや、暴発もあり得るということはそこまで優秀でもない。
もちろん極めてあいまいなものに従っているが故の仕方のない欠点ではあるが。
ということは、スキルというのは意志による魔力の操作を半自動的に行ってくれるものと考えてもよいのだろうか?
いや違う、そうであれば○属性魔法なんてスキルはないはず。
だがもともと魔法は使えるがそれの発動の補助をするということであれば不自然ではない。
なるほどそういうことだったのか。
そしてこの仮説が正解であればスキルなしでも再生はできるはずだ。
再生のスキルを無効化して指を少し切ってみる。
そして全力で切れたところの細胞が増殖して繋がるイメージを行う。
切れたところが数秒後には繋がっていた。
来週も投稿できるかはわかりませんが、読んでくださりありがとうございました。