プロローグ
カウンターポストです。よろしくお願いします。
人を殺した。
何も感じなかった。
殺したのは制裁のため。
そう、彼らは僕の逆鱗に触れてしまったのだ。人を守るために作った発明を邪魔者を消すなどという小さい目的に使い、警告プログラムの声さえ無視し、のうのうと生きている。
僕は人を守るために、親しい人が死んで悲しむ人をなくすためにこの強化装甲を作ったというのに、どうして人を殺すために使うのだろう。そんなことをしたら取り返しのつかないことになると警告までしたのにだ。
だから、殺した。人殺しに使った298人一人残さず自分の研究所の地下室に集めて殺した。
どうやって殺したか、人を殺すことに特化させた強化装甲を作りそれを使い生きたまま血を吸い取り、皮をはぎ、肉を断ち、骨を砕いて殺した。全員を殺すのに10日以上かかったが問題ない、すでに自分の体は寝ることと排泄することを必要としなくなっている。
強化装甲1523体もすべて回収し自分しか開けない場所に封印した。
無論だが強化装甲に関する資料もすべて破棄した。
最後に僕が死ねば強化装甲について知る者もいなくなり、これのせいで殺されるものもいなくなるだろう。
後悔があるとすれば、まだ完成していない研究をそのままにして逝くことと強化装甲を早く世に出しすぎたことだ。もっと安全性を強化してから発表すればこうはならなかったかも知れないのに。
もっとも、今しても遅すぎる後悔だ。
そして、僕は足の指で銃の引き金を引いた。
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