第14話
途中から視点が変わってる・・・。
読み難かったらすみません。
部屋には沈黙が落ちていた。
部屋まで付き従っていた女官や侍女はすでに引き上げている。
この夜が明ければ、晴れてレティシアは側室。
側室となる儀式はあと一つ、カイルと体を繋げることだけだった。
そう、カイルとの初めての夜、初夜が始まる・・・・・。
レティシアに与えられた部屋は、大きく分けて四つに分かれている。寝室、居間、浴室、そして控えの間(女官と侍女の部屋)だ。身分の差によって部屋は大小様々だが、どの部屋も基本的にはこの四部屋に分かれている。それは、「身分の上下はあっても側室としては同じ」という精神からきている。
居間にある二人掛けのソファにレティシアは腰掛け、同じく向かいに腰掛けているカイルに視線をやった。カイルも自分を見ていたらしく、視線がぶつかる。
「先ほどの精霊は、風の精霊か?」
カイルが部屋に入って初めて口を開いた。二人の前には寝酒が置いてあったが、飲むつもりはないようで、それよりも大事なことがある、とその瞳は雄弁に語っていた。
「・・・・それは、重要な事ですか?」
「・・・・貴女はさっき、精霊を呼び出した。それは間違いないな。」
「・・・・・・。」
確認するような問にも、レティシアは答えない。カイルは多少の怒りがわくものの、溜息を吐くことで怒りを静める。
「精霊に頼んだとしたら、高確率で貴女の妹を見つけてきてくれるだろう。その後は、契約通りこちらで手配した場所で暮らしてもらうが、それでいいか?」
レティシアの表情が、かすかに動く。探るような瞳で見返してくる黒い瞳。
だが、返答はない。
「会って、話したくはないのか?」
「・・・・・・・・。」
「契約の時点では、隣国で保護し、ガルディアに連れて来たあとはそのまま用意した場所で生活してもらう予定だったから、会わせるつもりはなかった。だが、会わせてやっても良い。」
そう、最初は会わせるつもりなどなかった。その方が、色々と都合が良いと思っていたからだ。彼女の妹を、人質のように扱うようで良心が咎めたが、彼女だけを気遣う訳にはいかない。何と言っても、自分は大国の王なのだから。
だが今は、会わせてやりたいと思っていた。それほどまでに想う妹に。
そしてその時彼女は、どんな表情をするのだろう。
「シエルは、ただの風の精霊ではありません。風の精霊達の王です。世界を自由に翔ける風の精霊が、シエルの呼びかけで動くなら、妹はすぐ見つかるでしょう。それから、シエルは私が小さいときから近くにいてくれた精霊なので、呼べば来てくれるだけです。他には、何をお聞きになりたいんですか?」
瞬間、目を見張った。何故、風の精霊のことを急に話し始めたのか分からなかった。
先ほどはあんなに話したくなさそうだったのに何故・・・?
「妹と会わせていただけないことは最初から想像していました。そうでなければ妹を・・・言い方は悪いですが人質にする意味がない。私が持っている少しの知識と引き換えに妹と会わせていただけるのなら、話せる範囲で精霊のことをお話いたします。」
『何故』と自分の顔に書いてあったのだろうか。つくづく頭の回転の速い少女だ、とカイルは一人ごちる。一瞬のうちに自分への利益とリスクを計算し、精霊に関する知識より、数少ない妹との再会を選んだようだった。皇帝である自分に臆面もなく返してくる。役人になれば、そこらの貴族よりよほど国の役に立つだろう、もっとも、この国では女性は国政には携われないのだが・・・。
「では、精霊のことについて聞きたい。」
そう、国のためにも精霊のことを知らなければならない。
どんな小さなことでも知りたい。
精霊を知ることは、精霊との繋がりが強い、月光の民であるレティシアを知ることにも繋がるのだから。
だがカイルは『何故レティシアのことを知りたい』と思ったのか、その自分の心の小さな変化に気づけずにいた。
初夜なのに全然甘くないですね(汗)
まあレティシアは側室としての仕事はしないと宣言してるので仕方ないですが。
でもちょっとでも甘くなるように頑張ります。