恋愛感情
高校生の頃、初めての恋をした。
彼女に告白をして、"いいよ"と言われた時のことは、今でも覚えている。
だが、彼女とはあまり長くは続かなかった。
彼女と俺の間には、かなり深い意見の相違の崖があった。
そして、1年ぐらいで俺たちは別れた。
大学にあがるころ、2度目の恋をした。
俺が進学した大学は1年生からゼミがあった。
同じゼミに入った子に、俺は恋をしたのだ。
そんな彼女にも一つ問題があった。
彼女にはすでに彼氏がいるということだったのだ。
そんな話を聞いてからは、とりあえず友人からという方針に立ち、彼女と近づくために様々なことをした。
しかし、一つも成功とは言えないような状態だった。
彼氏とも別れようとしなかったが、俺は彼女のことを好きになってしまっていた。
それだけは、確実だった。
1年過ぎ、彼氏となぜか別れたっていう話が聞こえてきた。
神社に行ったあとに、暴力を振るうようになったとか何とかという噂だった。
この機会を逃すわけもなく、俺は彼女に急に接近をした。
いろいろ彼女と話をしているうちに、彼女も俺のことを気になりだしたようだ。
あと一息といったとき、俺の前に、再び障害が現れた。
彼女にまた彼氏ができたのだ。
告白をされて受けたそうだが、俺はそれを見て、その彼氏に対して猛烈に憎しみや殺意が湧いた。
俺の友人を通して、その人を突き止めると、ある日の5限目が終わったあと、そいつを呼び出した。
彼女から引き離そうとするのが目的だったが、もしも離れないようだったら…と考えて、掌の中に、小型ナイフを仕込んでいた。
俺が待ち合わせ場所についてから5分もしないうちに、あいつが現れた。
「なんだよ」
真っ先に向こう側が声をかける。
「お前、今付き合っている彼女がいるだろ。そいつと別れるようにと頼まれてな」
「誰から」
「そんなことはどうでもいい。わかれてくれないか」
「嫌だね」
「そうか。なら仕方がないなっ」
俺は断られたから、目の前のやつをナイフで切り裂いた。
相手は間一髪で避けたが、服がナイフの刃にあたった拍子にわずかに裂けた。
それから一気に畳み掛け、相手を地面に押し倒した。
胸の肋骨の隙間にナイフを挿し込み、刺す直前にもう一度聞いた。
「…別れろ」
「恐らくお前に彼女は扱えんぞ。そんな調子だったらな」
「…Noだと受け取った」
俺は、ナイフをそのまま肋骨の間に挿し込み、心臓を刺した。
相手が即死したのを見届けると、ナイフを抜きとり、その場をあとにした。
これで彼女は俺のものだと、確信しながら。