表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

小説家になろうラジオ大賞7

アシスト自転車のアシストがポンコツすぎた件

作者: 夜狩仁志

なろうラジオ大賞7 参加作品。

テーマは「自転車」

 今朝、注文していた電動アシスト自転車が遂にやって来た。

 高校進学を機に自転車通学する為、親に頼み込んで買ってもらったのだ。


 しかし、届いた物は……


「なんか、デカくね?」


 荷台部分が配達バイクなみに大きいんだが?


 取り敢えず電源を入れてみると、


「おはようございます。かける君」


 喋った!

 こいつ喋るぞ!?


 可愛らしい女の子の声で挨拶してきた。


「で、なんで俺の名前知ってるの?」

「ぼ! 防犯登録の時に個人情報入力しましたので!」


 なるほどね。


 ……って、すげー怪しいんですけど?


 せっかくなので乗ってみることに。

 確かにペダルは補助されて軽い。

 だがそれ以前に車体が重い。人ひとり載せてるようだ。


「他にどんな機能あるんだ?」

「えーっと、お話しができます」


「運転中に会話なんてしねーよ」

「あ、あとは……道案内とか出来ます!」


「へー じゃあ学校まで、よろしく」

「かしこまりました!


 ……hey Siri 学校までの道案内」



 こいつ、スマホで検索してる?



「あ、あと、ご主人様」

「やめてくれ、その言い方」


「私、充電が必要な時があります」

「そうだろうな」


「下校時に必ず喫茶店に寄りたいです」

「は?」


「ケーキと紅茶がエネルギー源です」

「大人しくコンセントから電気食っとけよ」


 こうしてサイクリングしていると、急な坂道が現れる。

 ここはアシスト機能の見せ所

 ……なのだが重くて登らない。


「全然、進まないぞ」

「もっと漕いで下さい」


「お前、アシストしろよ!」

「がんばれー!」


「くそっ! 重いんだよ!」

「えっ? 私、重いのぉ?」


 もう頭にきた。


「学校が始まるまで、駅前の駐輪場に置いとく」

「えっ!?」


「もしくは返品か捨てる」

「待って下さい!」


 後部が騒がしく揺れるが、無視する。


「ごめんなさい嘘です! 人が乗ってます!

 だから置いてかないで!」


 その場に止まり、荷台から這い出てきた涙目の女の子は、


「本田さん?」


 中学の時、同じクラスだった子だ。


「わ、私、翔君と一緒の学校に行きたくて。必死で勉強して合格して。で、仲良く登校したくて」


「なんて回りくどいことを」

「二人乗りは禁止だし、私、自転車乗れないし」

 と、人目も気にせず泣き始める。


 はぁ……困った子だ。


 こうして入学までの休み期間、彼女が自転車に乗れるよう俺がアシストし、なんとか一緒に通学できるようになった。


 そして学校帰りにお茶をするのが日課に。


「私、こういうのに憧れてたんだー」


 そういえばこいつのエネルギー源は、甘いものだったよな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
アシスト自転車と主人公の漫才のような やり取りが笑えました 最後に自転車の正体が女の子という 意外な結末もよかったです 僕も第七回なろうラジオ大賞に参加してます 僕のアカウントのシリーズの欄に まと…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ