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再び“はい、カットー!”と言われて、セットの中に戻ってくる。

チェリームーン組で撮影をする時、ドライもリハも本番も3人が3人ともNGを基本的に出さないので撮影スピードはかなり早い。

私と、咲弥だけ別のセットに移動して撮影を再開する。


これで、NGの多さは櫻井さんという事になるだろう。

私だってNGは出すが、すぐに修正をして演技をするのでNGループにハマることはない。

次のシーンはかなり際どいシーンだから正直2人には退場を願いたい。

力加減含めて、咲弥と監督さんと打ち合わせをしていく。

最終的に嫉妬した劉生が、彩聖をベッドに放り投げて馬乗りになって、キスをするというシーン。

少し肌がはだけるシーンで視聴者に想像をさせるシーンでもある。



『ねぇ!待って、待って。劉生!』

『なに?』

『歩くの速い!』

『ならこれで問題解決だね。』


と、私を片手で抱き上げてマンションのドアを開ける、

私の靴を脱がせるとそのままベッドに放り投げる。

リハと違ってポヨンと跳ね返った私は、ベッドに咲弥と向き合うかたちで先ほどのリハとは違うが後ろに押し倒される。

ネクタイを外すと床に捨てて、片手で私の両手を頭上に抑え込む。


『五十嵐になにをされた?』

『頭を撫でたけど、なにもされてない。』

『なにもされてなくてこの距離っておかしくねぇか?』

『それに関しては、近いから止めってって伝えたし、告白されたけどその場でちゃんと断りました。』


そういえば、ッチと舌打ちが聞こえたのまま唇を塞がれた。

足で、腰のあたりを押そうとするが逆に押さえ込まれてしまう。

侵入してきた舌は口内を動き、最後に下唇を甘噛みされた。


『っ、はぁ。なに?私浮気なんてしてないよ?』

『あの距離は浮気だろう?彩の事になると導線短いわ。だから今日はこのままいい?』


と聞かれれば、仕方ないなという表情を見せ私の両手を咲弥の首に回して、今度はキスをしている風に見せた。


「はい、カットー!めちゃくちゃ良かったです!」


今日1番のシーンを一気に撮影した私達は、再び準備をして用意された椅子に座り水分を補給する。

監督達が今収録した3シーンを確認しながら、もっとこうした方がいいと意見が出れば、やり直しだ。

ソワソワしながら待っていれば、どのシーンも問題なく終了した。


「まじ咲弥、ベッドに投げ飛ばす力加減よ。あれ実家で遊んでる時のテンションできたでしょう?」

「そんなつもりはないけど、可能性はある。内心ヤベって思ったもん。」


撮影中のアドリブ部分について話す。

櫻井さんはいなくなっていて、桜我もカットがかかるまでいたが今はスタジオから出て行ったの姿を見せない。

セット移動などの時間で少し休憩になり、スマホに入っていた連絡を見れば、このドラマが終了した時点で、櫻井すずとの共演はNGにするというもの。

また、決定的な証拠はないが、防犯カメラの映像に映っていた行動の時間があまりに短すぎるので、現在加害者として扱われているそうだ。

彼女自身、このドラマを全て撮り終えれば、半年間の謹慎処分を受けるらしい。

いろいろ取り決めた同意書を書くために直接お父さんや天音ちゃんを交えてするらしいが、その時態度があまりにもひどかったら、本当はダメだけど、一発ならぶん殴って良いという許可が出たそうだ。

今日の行動を見る限り、手を出すまでもないかなと正直考えてしまった。


桜我に関しても一度話をちゃんとしなきゃいけないから、そこは咲弥にお願いをしてみようかなと現段階で思っている。

私の気持ちは私の自由だし、桜我の気持ちも桜我の自由。

多分どこかですれ違いが生じているはずだろうなと、思っているけどその話を直接聞くのは正直怖いので咲弥に立会人として一緒にいてもらう事を勝手に決めた。


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